ラジオ番組で不安をあおり顧客集め
ラジオ番組で不安をあおり顧客集め 01/17 19:33

おととい、福岡市の投資コンサルタント会社「夢大陸」の社長らが、架空の投資話で多額の資金をだまし取っていた疑いで逮捕されました。

自らラジオ番組に出演して、「日本の銀行はつぶれる」などと不安を煽り、全国から資金を集めていた社長。

集めた資金は、およそ67億円に上るということです。

●ラジオから流れる『夢大陸』社長・原千春容疑者の声
「この2年から3年、アメリカが非常に暗黒な時代に入るからね。日本が1番危ないですからね」

『六本木の巫女』と称し、強い口調で日本経済への不安を煽る女。

福岡市の投資コンサルタント会社『夢大陸』の社長・原千春容疑者です。

原容疑者や夢大陸の幹部ら4人は先週、架空の投資話で顧客の男女3人からあわせておよそ7000万円をだまし取った疑いで、逮捕されました。

ブランド品で身を包み、六本木ヒルズと福岡を行き来するセレブ社長を自認していた原容疑者は、自らが経営していたラジオ局『福岡コミュニティ放送』の番組で、独自の見解を繰り返し展開。

番組の中で、「絶対に損はさせない」と語っていました。

●ラジオから流れる原容疑者の声
「投資信託とかまだ、買ってらっしゃる方いらっしゃる。本当に投資家というよりは、慈善事業家ですよね。だから、その方たちも、いいよ(お金が)戻ってこなくてと、そういうことですかね」

警察の調べによりますと、原容疑者らは、「ユーロはこれから上がっていく。利益確定だから損はない」などと出資を募っていたということです。

警察に対し、容疑を認めているという原容疑者。

逮捕前、RKBの取材に対しては、強気の発言を繰り返していました。

●原容疑者
「応援してくれる人はたくさんいるんです。ちゃんと私が解決していくこと、しゃべらなくても行動で解決できれば、それでいいじゃないですか。そういう主義、だからお帰りなさい」

こちらの40代の男性は、原容疑者のラジオ番組を聞いて、夢大陸に400万円を出資しました。

●被害者男性
「怒りしかない。とにかくお金を返してくれと」

「日本の銀行はつぶれる」、「今のうちに海外に資産を移すべきだ」などとラジオ番組で不安を煽ったうえで、資産家に接触し、金融商品の購入を持ちかけていたといいます。

男性が原容疑者からもちかけられたのは、『夢大陸』が主催するシンガポールへのツアーの参加でした。

男性は結局、このツアーには参加しませんでした。

しかし、その後も、外資系銀行の口座を開くよう勧められたといいます。

男性は、公共の電波を利用することで、顧客を信用させて資金を集めるという手口に憤りを隠せません。

●被害者男性
「メディア、公共の電波を使う。顧客を信用させて詐欺行為をしていると。その行為に関して、公共機関をフルに利用して金集めをしていたのは許せない」

「日本中で注目を集めている経済番組。表には出てない話をします」、原容疑者は自らの番組をこのように紹介していましたが、逮捕前は、番組を使って出資を募ったわけではないと話していました。

●原容疑者
「電波を使っての営業行為は一切してません。一切してません」

これまでの警察の調べで、ラジオ番組のほかに、有料の情報提供サービスで投資を募っていたこともわかっています。

『非公開の極秘情報』であることを強調していたということです。

夢大陸はこれまでに、全国のおよそ400人から67億円を集めていたことが確認されています。

このうち、8億円あまりについては、原容疑者の装飾品やブランド品の購入に充てられていたということです。

●林記者
「ラジオ番組で経済への不安を煽り、多額の資金を集めていた夢大陸。実際に、資金を運用した形跡は一切ないということで、警察は今後、資金の流れについて実態解明を進める方針です」