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水俣病:チッソ事業会社設立 12団体、抗議の共同声明 /熊本

 ◇「分社化、理解得られぬ」

 水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づく原因企業チッソ(東京)の分社化に向け同社が12日、子会社にあたる事業会社「JNC」を設立したことを受け、水俣や東京、新潟に事務局を置く12団体が「被害者や住民の理解は得られておらず、断じて許されない」と抗議の共同声明を発表した。

 発表したのは水俣病不知火患者会や水俣病被害者互助会(ともに水俣市)、新潟水俣病阿賀野患者会(新潟市)など患者6団体のほか、患者支援団体「東京・水俣病を告発する会」、市民団体「水俣の暮らしを守る・みんなの会」など。

 声明は「事業会社設立で分社化が現実味を帯びたことは極めて遺憾だ。市民に対するチッソの説明責任は果たされていない。すべての被害者が救済されていないのに加害企業のみが解放される」などと抗議している。

 水俣市内で会見した不知火患者会の大石利生会長(70)は「分社化で潜在患者が被害を訴えるところがなくなるのに、チッソは形式的な説明会を1度開いただけだ」とチッソを批判した。

 事業会社設立を受けてチッソは今後、特措法に基づき登記上の本店の所在地(大阪市)を管轄する大阪地裁の許可を得て、3月末をめどに現在の事業部門をJNCに譲渡することになる。

 JNCは「ジャパン・ニュー・チッソ」の意味を込めたという。蒲島郁夫知事は「チッソの名が入ったことは、子会社が親会社と一体となって取り組んでいく覚悟を見せたことかと思う。ネーミングに知事が口を出す立場にないが、少し安堵(あんど)した」と述べた。【西貴晴、結城かほる】

毎日新聞 2011年1月13日 地方版

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