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Forbes

チュニジアで起きた史上初のサイバー発革命 ツイッターが広げた蜂起の波

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2011/1/20 7:00
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(2011年1月15日 Forbes.com)

16日、イエメン・サヌアで、チュニジアのベンアリ前大統領の追放を支持するデモ行進中にスローガンを叫ぶ人ら=ロイター
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16日、イエメン・サヌアで、チュニジアのベンアリ前大統領の追放を支持するデモ行進中にスローガンを叫ぶ人ら=ロイター

 2011年1月14日金曜日、約30日にわたって反政府デモ隊と治安部隊との激しい衝突が続いてきたチュニジアで、23年間独裁体制を敷いてきたジン・アビディン・ベンアリ大統領がとうとう政権を投げ出し、国外に亡命した。それを受け、モハメド・ガンヌーシ首相が政府を掌握し、非常事態宣言を出した。“ジャスミン革命”と名づけられたチュニジアの政変は、アラブ世界で初めて市民の蜂起、より正確に言えば“ネット市民”の蜂起によって国家指導者が放逐された例として、歴史に刻まれることになろう。それを可能にしたのは、チュニジアの近代的な通信インフラやインターネット接続の普及、完全デジタル化された携帯電話ネットワークである。

 ベンアリ大統領は長年にわたって言論を弾圧してきたが、今回の革命の発端となったのは昨年12月17日に起きた、路上で物売りをしていたモハメド・ボアジジ氏の抑圧体制に抗議する焼身自殺である。イーサン・ザッカーマン氏(ネットとメディアの米著名研究者)による、チュニジアでの一連の出来事を伝える優れた記事を以下にご紹介しよう。

【記事リンク】
The Facts On Investing In Tunisia
(投資先としてのチュニジア)
Anonymous Plans To Hack And Deface More Government Web Sites
(「アノニマス」のサイバー攻撃対象政府サイトが増えている)
Why Apple Will Do Perfectly Fine Without Steve Jobs
(ジョブズ抜きでもアップルが盤石な訳)

 「ボアジジ氏の自殺は、同じように不満を募らせていた他のチュニジアの人々の共感を呼んだ。中部シディブジッドでは何千人もの群衆が失業のまん延や政府の汚職、機会の欠如に抗議する街頭デモに参加した。ここでもラシーン・ナジ氏という不満を抱えた若者が送電用の鉄塔によじ登り、『悲惨な生活に反対!失業に反対!』と叫んだ後、高圧線を握って自殺する事件が起きた」

 「それに対しチュニジア政府は、警棒や催涙ガスで武装した支援部隊をシディブジッドに送り込んだほか、経済発展につながる事業に取り組むことを約束した。だが暴動はシディブジッドからチュニジア全土に拡大、政府は高校や大学を封鎖し、首謀者と見られる学生を逮捕したり、夜間外出禁止令を出したりした。市民メディア『グローバル・ボイシズ』に寄稿するスリム・アマモウ氏も1月6日に逮捕された。その後のアマモウ氏の消息も、逮捕理由も分かっていない」

 実際の抗議行動やデモに加えて、多くのチュニジア人がソーシャルメディアを使って激しい怒りをあらわにした。それを受けてチュニジア政府は、唯一のインターネット接続業者(ISP)であるチュニジア・インターネット・エージェンシーを通じた検閲を一段と強化した。国家権力による言論弾圧を監視する国際組織IFEXによるとチュニジア政府は、SNS最大手のフェースブック、検索大手のグーグルやヤフーなどからユーザーネームやパスワードを盗もうと秘密裏にサイトを操作し、アカウント情報を消去したり、流出させたり、入手した情報を元にブロガーの居場所や接触相手を調べたりしたという。

 そこへ登場したのが、告発サイト「ウィキリークス」とその創始者であるジュリアン・アサンジ氏を支持する大規模なサイバー攻撃で注目を浴びたばかりのハッカー集団「アノニマス(匿名)」だ。新たな標的としたのは、チュニジアの大統領や首相のものを含む政府系ウェブサイトで、声明では「これはチュニジア政府への警告である。我々は検閲に関与したすべての機関を標的とし、チュニジア政府が自由を求める国民の声に耳を傾けるまで攻撃の手を緩めない」と述べた。

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