作家、村上龍氏と音楽家、坂本龍一氏。昨年末、ふたりを別々にインタビューする機会があった。ともに1952年生まれで、親しい友人同士。コンテンツ/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5E2EBE3E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXを創出する側の代表として、ＩＴ（情報技術）革命の先頭グループに属するところも同じだ。タブレット端末の普及などでインターネット利用の多様化、加速が見込まれる2011年。両氏の動きはビジネスモデルを見通すヒントにもなる。インタビュー記事に書ききれなかった興味深い発言を取材ノートから抜き出してみる。

■ＩＴ革命にあくまで前向き

　「大学で大きなシンセサイザーと出会って使い始め、（1978年に細野晴臣氏、高橋幸宏氏と結成したバンドである）ＹＭＯはいち早く音楽にコンピューターを取り入れた。僕はテクノロジーとの親和性は高いですね。たぶん日本では初めてコンサートのインターネット配信をやりました。95年です。その前の年にローリング・ストーンズが世界で初めてやったんです。チクショーと思った。ストーンズとテクノロジーってそんなに親和性を感じないでしょう？　悔しくてね。それですぐにこっちでもやろうとなった」（坂本氏）

　「僕は昔、映画を作ったこともあるし、映像も音楽も好きですから、（電子書籍/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E4E7E2E6E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX制作のとりまとめ役を）自分でやりました。（映像や音楽を盛り込んだ）リッチコンテンツの小説、電子書籍が一般化し、市場がある程度できあがれば、そういうプロデューサーが現れてくるんじゃないですかね」（村上氏）

　来年にはそろって還暦を迎えるが、デジタル社会の進展への好奇心は旺盛だ。

　90年代から創作にネットを活用してきた坂本氏は今年も早速、走り出した。１月９日、韓国で開いたピアノコンサートのもようを動画配信サイトのユーストリームで無料中継し、16万人のユニークユーザー（視聴者）を集めた。音楽にソーシャルメディアを駆使する実験的な取り組み「サカモト・ソーシャル・プロジェクト」の第１弾。人々が好みの場所につどいコンサート中継を楽しむパブリックビューイングの開催も呼びかけ、400カ所以上で実現した。