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【社会】

渋谷区教委 給食記録改ざんか

2011年1月20日 朝刊

同じ日の「給食の記録」だが、書き換え前(左)にはなかった「特上たらこ」が書き換え後(右)には記載されている

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 東京都渋谷区の区立中学校の給食の記録について、市民団体から情報公開を求められた区教委が、原本を大幅に書き換えた記録を開示していたことが分かった。区教委は「訂正版と明記している」と説明するが、市民団体は「改ざんの疑いがある」として、虚偽公文書作成の疑いで代々木署に刑事告発した。

 書き換えられたのは、区立笹塚中学の二○○八年度の「給食の記録」。毎日一ページずつ、献立や食材の量、カロリー、経費などを記入している。

 市民団体「渋谷オンブズマン」の久保田正尚代表(54)が○九年十月に情報公開請求し、同十二月に開示された。区教委の訂正も同じ十二月に行われていた。

 同校の給食をめぐっては、在校生から「量が少ない」などの指摘があり、保護者が給食の記録を情報公開請求し、○九年七月に開示された。その際の開示文書は手書きだったが、久保田さんの開示文書は印字で、食材や栄養価の追加も目立った。

 区教委の菅原幸信庶務課長は「保護者の請求で記録のずさんさが分かり、学校側に正しく書くよう伝え、九月ごろ作業が始まった。その後、久保田さんから請求があったので、正しい方の文書を開示すべきだと考えた。改ざんの意図はない」と説明する。

 総務省は「情報公開法は請求時点での文書をあるがままに出すという趣旨」としており、「行政が文書を訂正中に請求されたら、訂正途中の状態で出し、その旨説明すべきだ」としている。

 久保田さんは「単なる訂正ではなく不自然。何か隠す目的の改ざんでは」と批判する。

 

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