現在位置:asahi.com>ニュース特集>地球環境> 記事 白身魚のメロ、南極海で謎の大漁 温暖化で海流変化?2008年02月02日19時30分 煮付けやフライ用の白身魚で、「メロ」の名で市場に出ている「ライギョダマシ」が、南極海のこれまでみられなかった海域で大量に漁獲され始めたことが、東京家政学院大の岩見哲夫教授(魚類学)らの調査で分かった。地球温暖化の影響で海流などに異変が起き、生息域が変わった可能性があるという。
ライギョダマシは、成長すると全長1.8メートルに達する大型の食用魚。水深500〜1500メートルに生息する。本来は、南極大陸に近い高緯度海域を中心に分布している。ところが、06年ごろから、アフリカ大陸と南極大陸にはさまれた、南緯約54度のノルウェー領ブーベ島沖で相次いで漁船に捕獲されるようになった。07年の4〜6月だけで500匹以上が、日本漁船のはえ縄にかかった。 岩見教授は「南極海の中層や深層で海水の流れに変化が起きている可能性がある」と指摘。国立極地研究所の山内恭(たかし)教授(極域気候学)は「南極海の環境変化を示す貴重な情報といえる。温暖化との関連を見極めるには、水温や海流の変化などのデータをさらに蓄積する必要がある」と話している。 メロと呼ばれる魚には、ライギョダマシのほかにマジェランアイナメがあり、日本や米国などで流通している。 PR情報 |