関西テレビ「ナンボＤＥなんぼ」という番組のスタジオ収録のため、30〜31日にかけて大阪に行ってきました。

せっかくなので、前から気になっていた「おでんそば」を食べに行くことにしました。これは『被差別の食卓』（上原善広／新潮新書）という本に書いてあって気になっていたのです。上原さんはブログを書いているので、店の場所を問い合わせてみたのですが、なんと1998年3月に地平線報告会で行なった僕の報告に参加してくれていたことがわかりました。不思議なつながりにびっくりです。

　
◎美佐ちゃん
　堺市協和町5-481-14-102
　072-244-0963
　7〜13、日休

これが「おでんそば」です。地元では「つけめん」と呼んでいるそうです。店内にはおでんの品書きは書いてありましたが、そのほかのメニューはなく、店に入るとうどんかそばかを選びます。

麺を水でほぐしてから湯がき、おでんのつゆをドバドバとかけます。トッピングは好みで選べ、おでん1品70円。あとで調べたら和牛のすじ（4個100円）が絶品だったとか（残念）。大根、玉子のほか、大阪ならでは梅焼きをチョイス。そばが160円なので、これで370円です。おでんの味は甘辛の関東煮で、そばのつゆを全部飲むと、さすがにちょっとしつこい感じでした。

　
おでんのほかに「こあげ」と呼んでいるドーナッツ（50円）もありました。これはまさに沖縄のサーターアンダギーです。昔は1日200個揚げたというほど人気だったそうです。店の人は沖縄の食べ物ということは知っていたようですが、つけめんの麺が沖縄そばっぽいのに驚きました。「沖縄そばみたいですね」と尋ねてもわからないようで、地元では「黄そば（きぃそば）」と呼ばれる中華麺のようでした。大阪の南のほうには沖縄の人がたくさん移住していますが、黄そばと沖縄そばの関係に興味が沸いてきました。

最寄り駅はこんな感じで、線路沿いにテントを張った果物屋があり、その向かい側はガチャガチャが置いてあるたばこ屋。そして帰宅後に写真を見て気づいたんですが、左の二人乗りのバイク！

拡大してみましょう。元は50ccのジャイロＸみたいですが、すごく改造してるし、後部シートを付けて二人乗りしてるし、だいたいヘルメットをかぶってない！　よく見るとナンバーもない？？？　ハンドルの辺りにはキシリートルガムのホルダーが付いてます。大阪、おそるべし。

その後、『被差別の食卓』に書いてあった「あぶらかす」を食べるため、上原さんオススメの油かす丼の店へ行ってみました。油かすというのは、牛の小腸の部分からヘッド（油脂）を抜いて残った乾物で、大阪の一部でソウルフードとして親しまれてきました。最近はテレビなどでも紹介されることが増えて、大阪全体で知られているようです。

　
◎ニューなに和
　大阪市浪速区浪速西1-2-2
　※ネットで見つかる固定電話と携帯電話は使われていないようです。
　　営業時間も一時的に今は昼だけのようです。

油かす丼（680円）＋赤だし（150円）を注文。油かすは思っていたよりも固めで、油かすの量も少ない気がしました。カツ丼が760円なのを考えると、油かすはちょっと高級化しているのでしょうか？

「おでんそば」をきっかけに、「黄そば（きぃそば）」の分布が気になり始めました。ゆでてある中華麺を和風だしに入れるのは京都にもあり、中国や四国の一部でも親しまれているようです。姫路の「えきそば」も同じ系統のようです。大阪の南側はなかなか興味深い地域ですね。

沖縄そばにも、おでんのトッピングをするようになったらおもしろいな〜。