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きょうのコラム「時鐘」 2011年1月20日
「奈良時代の役人は早朝出勤で、明るいうちに仕事が終わったんだってね」。先の大学入試センター試験「日本史B」に出された問題の一部である
「朝廷」とは朝早くに仕事をしたので、その名がついたとされる。一説には、今の午前4時ごろにはもう家を出たという。古代中国から直輸入した制度だが、暁の出勤は当時でも相当きつかったようだ。センター試験には、次のような記述が続いていた 「中世にも経済発展があって生活が豊かになり」。照明用の油の開発が進んだ。明かりをつけて夜の仕事もできるようになった、というわけだ。試験の記述はそこまで追究してはいないが、経済発展のおかげで「残業」が増えたと見るのは、うがちすぎか 大寒に入った。寒さは厳しくなるが、早朝の空の明るさは春近しを思わせる。心身ともに暗くなる冬至のころと違って、大寒から節分までの寒さは、前方に春の光が見える分だけ和らぐ 経済発展が生活の豊かさにつながるように、大寒には冬の閉そく感から抜け出すような、どん底からはい上がる力を感じる。受験生と一緒に、もうひと踏ん張りだ。 |