柳田法相:国会軽視発言で辞任へ 後任は仙谷氏が兼務

2010年11月22日 9時45分 更新:11月22日 10時5分

厳しい表情で首相官邸を出る柳田稔法相=2010年11月22日午前8時25分、長谷川直亮撮影
厳しい表情で首相官邸を出る柳田稔法相=2010年11月22日午前8時25分、長谷川直亮撮影

 柳田稔法相(56)=参院広島選挙区=は22日午前、首相官邸で菅直人首相と約20分間会談し、国会軽視と受け取れる発言をした責任を取って辞表を提出した。後任の法相は当面、仙谷由人官房長官が兼務する方向だ。

 野党は柳田氏の辞任か罷免を求め、自民党は柳田氏の辞任がなければ同日午後に問責決議案を参院に提出することを予告していた。政府・民主党は10年度補正予算案の成立を遅らせないためには辞任を受け入れざるを得ないと判断したとみられる。柳田氏は首相との会談後、記者団に内容を問われると「後で」と答えた。同日午前に法務省で辞任の記者会見を開く。

 柳田氏は14日に地元の広島市で開いた国政報告会で「法相は(国会答弁で)二つ覚えておけばいい。『個別の事案については答えを差しひかえる』『法と証拠に基づいて適切にやっている』。何回使ったことか」などと発言。野党から「国会軽視」と批判され、陳謝していた。

 自民党は沖縄県・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の政府対応などを巡って仙谷氏や馬淵澄夫国土交通相への批判も強めており、今後は同党が両氏の問責決議案を提出するかが焦点となる。

 菅内閣の閣僚辞任は6月、郵政改革関連法案の通常国会での成立見送りに反発した亀井静香金融・郵政担当相(当時、国民新党代表)に続き2人目。民主党政権では、鳩山内閣の藤井裕久財務相(当時)が1月、体調不良を理由に辞任したほか、福島瑞穂消費者・少子化担当相(当時、社民党党首)が米軍普天間飛行場移設の日米合意に反対して5月に罷免されている。不祥事を理由とした辞任は民主党政権では初めて。

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