佑ノーアピール？「普通に投げて実力なかったら２軍で鍛え直す」…日本ハム

ブルペンで初の投球練習を行った斎藤は回転のいいボールを投げ込んだ

　日本ハムのドラフト１位・斎藤佑樹投手（２２）＝早大＝が１８日、千葉・鎌ケ谷の室内練習場で合同自主トレ開始後、初めてブルペンに入った。「５、６割」の力で、捕手を立たせ変化球を交えて４２球投げ込んだ。「実力がなかったら２軍で鍛え直せばいい。格好つける必要はない」と、佑流のマイペース方針を明かした。

　自信があるからこそ出てくる言葉だ。通常の練習メニューを終えた斎藤は、しっかりとした口調で今後の調整方針を明かした。「ピークとかは考えていません。普通に投げて（首脳陣に）見てもらって、実力がなかったら２軍で鍛え直せばいい。特に格好つける必要はないと思う」。並の新人なら１軍入りへまずアピールを考えるが、早実、早大と日本一を経験した即戦力右腕は、いたって自然体だった。

　感触を確かめた。自主トレ開始後、初めてブルペンに入った。昨年１１月の明治神宮大会以来となる投球に、室内練習場には３５社１２５人の報道陣が詰めかけた。ブルペン捕手を立たせ４２球。寒さから指に息を吹きかけ、「（力は）５、６割程度です。変化球は投げ方を筋肉に覚えさせたいと思って」と、途中からはカーブ６球、スライダー１球、チェンジアップ１球を投げ込んだ。

　早大時代は基本的に立ち投げはしなかった。カーブがワンバウンドして捕手の右足に当たり「申し訳ないです」と頭を下げる場面もあった。それでも「いい感じで放れたと思います。しっかり立って体重移動をして、ボールを前で放すという意識をしながら投げました」と納得の表情だった。

　冷静だった。ドラフト３位の乾（東洋大）が隣で「７、８割」の力を入れて直球を投げる姿を見ても、惑わされることはなかった。「人に流されず自分のペースで調整していきたい」。五十嵐２軍監督、山田ＧＭらに加え、多くの解説者陣にも見守られたが「もうちょっと投げたいくらいでやめておきました」。自らにストップをかけられるからこそ、大きなけがとも無縁なのだろう。

　滑りやすいと言われる「統一球」も「ボールに関して苦しんだことはないんで。今まで通りいける」と適応した。「基本的には実戦を意識して投げたいタイプなんで」と２０日からの第３クールにも捕手を座らせることを示唆した。焦らず、じっくりと。過剰なアピールとは無縁の「佑流」で、唯一公言する「開幕１軍」を目指す。

　◆主な新人選手のシーズン前の目標
  ▼９９年松坂大輔（西武）「２ケタ勝利で新人王。トータルで２００勝」
  ▼９９年上原浩治（巨人）「将来的にメジャーを諦めない」とした上で「目標？　初勝利です」。
  ▼０５年ダルビッシュ有（日本ハム）「難しいだろうけど、新人王を狙っていきたいです」
  ▼０８年中田翔（日本ハム）当初は１年目の２０本塁打を掲げ、清原（元オリックス）の持つ高卒新人最多３１本の更新に「超せるのであれば超したい。新人王も狙いたい」とビッグマウスを披露。
  ▼１０年菊池雄星（西武）一度は新人王宣言も、途中で「１年目は１軍で１試合登板」に修正。「ファンも試合が長いと飽きてしまう」と、試合時間の大幅短縮も掲げた。
  ▼１１年沢村拓一（巨人）「２月１９日（広島戦・サンマリン）に始まるオープン戦に合わせてやりたい」と開幕ローテ入りを狙う。