ウズウズ、ワクワク。新人合同自主トレのメニューを終えた斎藤は、青く澄み渡った空を見上げながら、笑顔でこう切り出した。
「ようやく(練習の)雰囲気に慣れてきました。あした(18日)ブルペンに入ります!!」
満を持してのプロ初ブルペンだ。斎藤はオフの間もトレーニングを続けているが、ボールを握るのはキャッチボールや遠投だけ。本格的な投球は、昨秋の明治神宮野球大会決勝以来となる。
この日はドラフト4位・榎下(九産大)と同6位・斉藤(セガサミー)が、新人4投手のトップを切って室内練習場内のブルペンへ。斎藤は2人が響かせるミットの音を聞きながらノックを受けていただけに「負けないように頑張りたい」と気合十分だ。
斎藤の初ブルペンは、くしくも背番号と同じ18日。体のバランスを意識しながら、フォームのチェックに取り組む。「新しいことはせず、確認です。30−40球くらいかな。変化球もできたら投げたい」
球場には、平日のこの日も1500人のファンが訪れた。新入団選手歓迎式典が行われた前日16日の1万1000人から大幅減だが、他球団の新人合同自主トレとは比べものにならない数字だ。ファンの前でドラフト3位・乾(東洋大)を相手に行ったキャッチボールと遠投では、1球ごとに右足にしっかり体重を乗せ、腕を大きく振ることを繰り返した。
ブルペンでは、今季から1軍の試合で統一球として使用される低反発球もチェックする。すでに自主トレで手にしているが、「キャッチボールでは(これまでの球と)変わらないけど、ブルペンで投げたらどうなるのか」と感触を確かめるつもりだ。階段を確実に一つずつ上りながら、佑ちゃんが実戦モードに入っていく。(山田利智)