去年、世界各地で起きた海賊事件の件数は、これまでで最も多い450件近くに達し、このうち半数はアフリカのソマリアを拠点とする海賊によるものとみられ、乗っ取った船舶を利用するなどして、活動範囲を広げているものとみられています。
マレーシアに海賊情報センターを置く、IMB=国際海事局によりますと、去年1年間に世界各地で発生した海賊事件の件数は、これまでで最も多い445件に達しました。報告された事件のうち、ほぼ半数は、アフリカ東部のソマリアを拠点とする海賊によるものとみられ、その活動範囲はアフリカ南部のモザンビークにも達し、年々広域化しているということです。国際海事局によりますと、ソマリアの海賊は、乗っ取った船を人質の乗組員に操縦させ、ほかの海賊船の補給船に仕立てることで、遠洋で活動範囲を広げているということで、去年10月に乗っ取られた、日本の日之出郵船が運航していた船舶も、ほかの船を襲撃する際に悪用されているということです。一方で、日本など各国が協力して海賊への警戒に当たっているアフリカ東部のアデン湾では、去年の被害がおととしの半分以下に減ったということで、国際海事局では、海賊の被害を防ぐうえで各国が一層連携を強める必要があるとしています。