県は18日、口蹄疫初期の通報の遅れなど管理が不適切だったとして、和牛牧場を全国展開する畜産会社「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)に対して改善指導すると正式発表した。
県の対策検証委員会が14日まとめた最終調査報告書は、行政に対して大規模農場に対する国や県の「指導の責務」を指摘していた。
安愚楽の川南町の第7例農場では第1例確認から2日後の22日に専属獣医師から会社役員に牛の発熱などが報告されたが、県への届け出が24日と遅れた経緯がある。
県庁で会見した畜産課の児玉州男課長は「事実関係を確認し、文書で指導したい」と述べた。岩崎充祐家畜防疫対策監も「企業経営の大規模農場は閉鎖的になりがちで、情報を提供してもらう必要がある」と話した。
また、移動制限区域内で県の承認なしにふん尿を移動させたと報告書が指摘した養豚農場に対しても指導する。【石田宗久】
毎日新聞 2011年1月19日 地方版