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さよならガハハおじさん 和田勉さん死去…80歳

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 ドラマ「阿修羅のごとく」などで知られる演出家で元NHKディレクターの和田勉(わだ・べん)さんが14日に食道上皮がんのため川崎市内の老人福祉施設で死去していたことが18日、分かった。80歳だった。葬儀は近親者のみで済ませており、後日「お別れの会」を開く予定。和田さんはNHK大河ドラマ「竜馬がゆく」などの話題作を手掛け、芸術祭賞での受賞歴が多く「芸術祭男」の異名を取った。同局退職後は、バラエティー番組にも出演。“ガハハおじさん”と呼ばれ、愛されるキャラクターで親しまれた。

 数々のヒットドラマを手掛け、「NHK芸術祭男」とも呼ばれた名物ディレクターは、最後まで自分らしさを貫いた。和田さんは2008年6月に食道がんと診断されたが、手術や延命治療を拒否。病院やケアハウス(老人福祉施設)で闘病生活を続けていた。

 だが、14日午前3時17分、食道上皮がんのため川崎市内のケアハウスで死去した。喪主は妻で衣装デザイナーのワダエミ(本名・和田恵美子)さんで、葬儀は近親者のみで行われた。

 和田さんは三重県出身。早稲田大卒業後、テレビ放送が始まった1953年にNHK入局。大河ドラマ「竜馬がゆく」や「天城越え」「阿修羅のごとく」など話題作を手掛け、看板ディレクターとして活躍。芸術祭賞で大賞など受賞歴が多く「芸術祭男」の異名を取った。

 アップを多用した演出で知られ、女優の魅力を引き出す技に定評があり、夏目雅子、名取裕子ら多くの女優を育てたことでも有名だ。「ザ・商社」では、NHKドラマにもかかわらず夏目が上半身ヌードとなり、異例の演出で大反響を呼んだ。

 87年にNHKを定年退職後は、映画、舞台、タレントと活動の幅を広げた。ダジャレを連発する陽気なキャラクターを生かして、「笑っていいとも!」「オレたちひょうきん族」などのバラエティー番組に出演。“ガハハおじさん”と呼ばれ人気に。2000年にはテレビ朝日系ドラマ「トリック」で住職役を演じた。

 一方で演出の情熱は変わらず、映画「ハリマオ」「完全なる飼育」では監督を務めた。「完全なる―」では、女優の小島聖がヌードを披露し大きな話題に。94年には俳優養成学校「ザ・ドラマ・スクール」を設立、後進の育成にも尽力した。

 ただ、晩年はトラブルに見舞われた。2004年には、女子大生にわいせつな行為を強要したとして、賠償命令が下される。それ以後、高齢もあってテレビ出演などは行わず、表舞台から姿を消していた。

 ◆和田 勉(わだ・べん)1930年6月3日、三重県松阪市生まれ。53年に早大第一文学部演劇学科卒業後、NHKに入局。大阪放送局などを経て芸能局ドラマに配属される。55年の「うどん屋」でデビュー。以後、200本を超えるドラマを手掛け、「天城越え」(78年芸術祭大賞)、「ザ・商社」(80年テレビ大賞)など約20作で賞を獲得した。87年に同局を退職後は、「笑っていいとも!」などのバラエティー番組に出演。“ガハハおじさん”としてタレント、リポーターとしても活躍した。妻のワダエミさんは黒澤明監督「乱」(85年)で米アカデミー賞衣装デザイン賞。

 ◆食道上皮がん 食道の内側を覆う細胞に発生するがん。日本では食道がんの約90~95%が扁平(へんぺい)上皮がんで残りの約5%が腺がん、そのほかのがん。食道は口と胃をつなぐ約25センチの細長い管のような臓器で、頸部(けいぶ)食道、胸部食道、腹部食道に分けられる。胸部食道がんが80%以上を占めるとされる。

[2011/1/19-06:00 スポーツ報知]

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