家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で、宮崎県川南町の大規模農場で感染疑いの通報遅れや不適切な飼育管理があった可能性が高いとして、同県が家畜伝染病予防法などに基づく改善指導を検討していることが18日、分かった。近く農場の経営主体で、和牛牧場を全国展開する畜産会社(本社・栃木県)に事実関係を確認する。
この農場をめぐっては、県口蹄疫対策検証委員会(座長・原田隆典宮崎大教授)が14日の最終報告書で通報の遅れに触れ、都農町の水牛牧場とともに県内最初の感染農場である可能性を指摘した。
同社は県内15カ所の直営牧場で計約1万数千頭を飼育しているが、専属獣医師は1人。日常的な健康チェックや投薬は従業員がしていたことから、報告書は「獣医師法に照らしても問題がある疑いがある」と、県に調査と改善指導を求めた。
県畜産課は今後、同農場以外でも家伝法や獣医師法などに違反、抵触した例がなかったかを確認し、指導の方法も含めて検討する。
同社は「農林水産省から指摘を受け、獣医師を増やすなど改善を進めている」と話している。
=2011/01/18 西日本新聞=