おれんじ九州・おれんじ四国 (八幡浜〜臼杵) 【九四オレンジフェリー株式会社】 評価:★★★ |
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ここまで快適に進化した短距離航路 | |||||||||||||||||||
おれんじ九州(臼杵港) |
旧九四フェリーボートの航路を引き継いだ九四オレンジフェリーとなってはじめての新造船。従来は並行する他社と比べて明らかに見劣りのする船だったのだが、オレンジフェリーが関西航路で旅客色の強いフェリーを就航させているだけあって、期待どおりにわずか2時間強の航路とは思えない程、豪華で快適なフェリーに仕上がった。本船就航を期に、上等級個室を部屋単位での発売する様に運賃体系が大幅に変更されている。2隻はほぼ同型ではあるが細部が異なっている。 平成19年就航。総トン数2900トン。 (利用時期:平成20年8月) |
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Cabin〜船室は快適か? | |||||||||||||||||||
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Public Space〜営業施設・公室は充実しているか? | |||||||||||||||||||
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Infomation〜船内案内・感想など | |||||||||||||||||||
(NEW)この航路は1日7便と奇数便数なので、配船が固定されておらず、毎日交互に入れ替わる。新造船「おれんじ九州」就航当初は古い船と混在していたので、サービス格差が顕著だったのだが、ほぼ同型の「おれんじ四国」が就航してからは全便が快適な新造船となったので、配船を気にする事なく利用する事ができるようになった。ホームページでは同型となったいまでも配船表を公表してくれているので、船を選んで乗りたい数少ない物好きなヲタにも便利。 (NEW)個室でも禁煙との事で、上等級区画に喫煙ラウンジが存在する。その配置なのだが、右舷窓側に位置しており、船首と左舷に個室が並んでいる。船首に個室を4つ並べるのでなく、1等の1部屋を現在の喫煙ラウンジの場所に位置させて、逆に喫煙ラウンジを船首側に配置すれば並行他社のラウンジのような感じで上等級専用のフォワードラウンジとしても使えると思う。完成してから言っても遅いけど。 (NEW)携帯電話会社を利用したインターネット接続サービスを行っており、パソコンを持参すればケーブルを接続するだけでインターネットを利用することができる。個室では室内で、それ以外はエントランスのインターネットコーナーを利用。利用料金は無料との事。今回はパソコンを持参していなかったので利用できなかったが、次回は利用してみたい。 (NEW)車両甲板の甲板部員の接客態度が他社に比べて格段に良く感じる。一航士だけでなく、誘導員までもが軽く会釈してくれ、客室へ上がろうとするときにはエスカレーターの方向を手でさして教えてくれた。これはオレンジフェリーの関西航路からの影響だと思うが、以前の九四フェリーボートの記憶がある身としては国鉄がJRになったときのような印象を受けた。 八幡浜を深夜2時50分出港の便では臼杵港到着後も7時まで船内休憩が可能である。休憩時間の途中での下船も可能。車で乗船した場合でも発券窓口での申告で船内休憩が可能という嬉しいサービス。かなりの寝不足にはなるが宿代わりの利用もできる、とってもお得な便である。 本船就航を期に上等級の個室が「客室使用料」と完全な部屋売りになった。定員以下での利用にはかなりの割高感があるが、筋が通っているので諦めもつく。短距離航路の個室はこの方法が無難だと思う。ただ、価格設定にはやや疑問がある。特等の1万円はやや高いと感じるものの、設備が充実しているし清掃の手間もかかるのでまあ納得できるとしても、1等については8千円は高すぎると思う。当時の1等運賃3200円と2等1950円の差額6人分でも7500円なのにそれよりも高い。1室5〜6千円程度が適正な価格であると感じるが・・・。1等は特等と比べて清掃の手間は圧倒的にかからないので、ファミリー客やグループ客に気軽に利用しやすい価格で数多く販売した方が客の満足度は高まると思う。 上等級区画は利用者がいない場合は施錠されているようだが、内側からは鍵を持っていなくても施錠できる構造になっている。客がいたずらしないとも限らないので内側からも鍵がないと施錠できないように改良した方が良いと感じた。(カバーをかけるだけでも良い) 第3甲板右舷側が女性、子供専用席として確保されている。せっかくなら、エントランスからの通路入口の部分にドアか柵を設けて、利用者以外のその先への立入を遠慮してもらったらどうだろうか?個室を使う人には左舷側の通路を使ってもらえば特段大回りになるわけではないので支障はないと思う。 この辺りの短距離フェリーとしては初めて?フィンスタビライザーを装備。この辺りの海域は太平洋からのうねりの影響で船体が動揺することもあるので横揺れの軽減には威力を発揮できると思う。広告にある「夢の翼」という表現は、ちょっと誇張された感もあるが、揺れが緩和されることは間違いあるまい。 (追記:就航後むかえた台風の洗礼に、他社、他船が欠航してからも半日近く、本船のみが運航を続けた。フィンスタビライザーの威力で就航率の高さを証明したようだ。) 船内至る所にゴミ箱が設置されている。個室はもちろん、2等の区画ごとにまでである。並行他社はゴミ箱の数を減らして(1等室内まで封印)清掃を省力化しようとしているのだが、本船ではどこにでもゴミ箱があるので、実に気持ち良い。きちんとふたも付いている。しかも通路にどんと置くのではなく、目立たないように棚の中にゴミ箱を入れるように工夫している。 色々と苦言も述べたが、九州〜四国間の短距離航路で一番快適な異色の存在であることは間違いない。今回の新造船で並行他社の設備、サービスを大幅に上回ったので、これから互いに良い意味での競争をしてほしいと思う。(企業体力を消耗させるダンピング競争はもう懲り懲り) |
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更新履歴 | |||||||||||||||||||
H19.07.11 新規掲載 H20.08.29 評価を3点に減点。写真の一部を「おれんじ四国」のものに差し替え。 |
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