フェリーくるしま・フェリーはやとも2 (小倉〜松山)
 【関西汽船株式会社】
 評価:★★★
関門海峡を通過する’唯一’の定期フェリー


       フェリーはやとも2(小倉港)
小倉〜松山間を結ぶ夜行便。早朝5時入港のため、かなりの寝不足になりそうなダイヤだが、小倉港では7時までの船内休憩が可能。一時期2等にリクライニングシートの席を別料金で設置していたが、人気がないので女性専用の普通の2等室に改造、夜行便で椅子席は人気がないことが証明された例だと思う。平成15年5月から小倉港の乗り場が「浅野」に変更となり、少しだが小倉駅から遠くなったので注意。今年の夏は、久々に昼の臨時便が運航される。

昭和62年就航。総トン数4200トン。
(利用時期:平成22年7月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
特等A ・バス、トイレ付きのツインルーム。空の冷蔵庫、テレビ付き。
・ゆかた、スリッパ、据付型のシャンプーとボディーソープ、便座クリーナー(たまたまだと思うが空だった)、洗面セット(サービスタオル、歯ブラシ)、ティッシュペーパー、ドライヤー、船内案内冊子、茶器セットあり。
・ベッド幅は1m、寝具はふとんで快適。ロッカー内に予備の毛布あり。
・放送音量の調節はできるが最小にしてもかなり聞こえ、空調の調節が一切できないのが難点。
浴室の水圧だが、我慢の範囲内になっていたが、水温が不安定だった。
・芳香剤の臭いがきついのが気になった。
・ツイン形式の部屋だが、ベッドごとにカーテンが付いていて仕切れるようになっているのは関西汽船の特徴。過去に相部屋承諾で販売していた名残り。
・窓が船の前部にあるため、
夜間航海のみの本船ではカーテンを全く開けることができないので嫌い。個人的には船の前部に位置する部屋は好きではない。
特等B ・2段ベッドの4人部屋。洗面台・テレビ付き。
・ゆかた、スリッパ、洗面セット(サービスタオル、歯ブラシ)茶器セットがある。
・ベッド幅は1mと2段ベッドとしてはゆったり。寝具はふとんでロッカーに予備の毛布あり。
・放送音量は調節できるが、空調は部屋では一切調節できない。
・窓側にはL字型のソファーとテーブルがあるが、個人的にはじゅうたん敷きの小上がりのほうが好き。
・定員以下で乗船したら、今の所は予約が入っていないが相部屋になる事もあると警告された。
1 等 ・2段ベッドの6人部屋。テレビ・洗面台付き。
・2部屋だけ窓なしの部屋があるので注意(206・207号室)。
・ゆかた、スリッパ、歯ブラシ、液体ハンドソープ、案内冊子あり。
・ベッド幅は90cm。寝具は毛布でシーツ1枚付き。
・特Bと同様に放送音量の調節可能だが、空調は一切調整不可。
2等寝台D ・2段ベッドの8人部屋。全室窓付き。
・寝台幅は90cmと意外と広く、寝具は毛布だが、シーツが別に添えられている。枕は柔らかい普通のもの。
・寝台ごとのコンセントはない。室内に荷物棚あり。
2 等 ・マット、枕、毛布がセットされた指定席。・大部屋と、少人数団体向けの小部屋がある。
・旧2等リクライニング席を和室に改造して女性専用席としている。
・席は切符にシールを貼られて指定される。混んでいる時期は指定が良いが、すいている時期は自由席のほうがいいと思う。
特 等 A 特 等 B 1 等
2等寝台D 2 等 ドライバー室(4人部屋)
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
ラウンジ
・案内所のあるロビーに椅子やテーブルが用意されており、自由に利用できる。「ラウンジ」と呼んでいるが、そこまで高級な雰囲気ではない。
・就航時はじゅうたん敷きだったのだが、食品をこぼされて汚れるからか、普通の床になった。
・以前スナックだったカウンター席があるが、単に場所だけ。電子レンジがあり、自由に使用できる。旧スナック付近が喫煙コーナーとして指定されていた。お冷の水差しと紙コップあり。
・案内所は深夜は緊急用電話を残して閉鎖。ゲーム機、自販機などの用事なら朝にしろと注意あり。
・以前は「くるしま」と「はやとも2」で売店やラウンジの配置が異なっていたのだが、「はやとも2」に合わせて「くるしま」が改造されていた。
・防犯カメラの映像をスーパーのように、わざと客に見えるようにモニターを配置していた。
・エントランスに古い海図(日本測地系)の掲示あり。
・マッサージ機15分300円
売 店
屋 台
・品揃えは豊富で、このクラスの船としては十分すぎるほど。別府航路とも遜色ない。
・本船にはレストランがないが、売店の「屋台コーナー」で軽食を販売している。品揃えは、うどん、おつまみ、おでん、おにぎり、牛丼など意外に豊富。(カレーと牛丼は50円増しで大盛り可)
・うどんの具がごぼう天やじゃこ天など、地域性を感じるメニューが増えていた。
・生ビールはプラ容器だが、容器を冷蔵庫で冷やしている気配りが嬉しい。
・どこかの雑誌に書かれていたからか、おでんとうどんが関西汽船名物だそうだ。
・早朝はコーヒーやサンドイッチ、パン、おにぎりなどを扱っている。コーヒーとパン2つがセットされたモーニングブレッドセットは400円。早朝うどん350円。
・メニュー例:うどん400円〜、おにぎり220円、牛丼(みそ汁付き)550円、おでん100円、生ビール500円、ホットコーヒー250円、生ビール500円など
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)300円、ビール(小)220円。アルコール飲料の販売は23時で終了。
・飲み物の他、冷凍食品、カップラーメン、アイスクリームも扱っている。
浴 室 ・上等級と一般用の2ヶ所に分かれている。水温が不安定で使いにくかった。
・どちらもボディーソープとリンスインシャンプー備え付け。脱衣所にはドライヤーあり。
・上等級用は洗い場が2つのみでコインロッカーなし。窓側。
・一般用は窓の無い内側にある。洗い場は4ヶ所で腕時計式の100円玉返却式コインロッカーあり。
・利用時間は乗船時から23時30分までに限定。(朝は閉鎖。朝もシャワー位は使わせてほしい・・・)
トイレ ・和式中心で洋式も併設。洋式には便座クリーナーあり。一部は破損のためか使用不可。
ロッカー ・エントランスに100円玉返却式コインロッカーあり。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
給湯・冷水 ・給湯器、冷水器あり。
分煙の状況 ・旧スナックのカウンター席のみ喫煙可。特に仕切りはない。
エントランスホール 売店・屋台コーナー じゃこ天うどん(450円)
ラウンジ(臨時席?) 浴 室(一般用) 浴 室(上等級用)
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)別府航路の等級呼称がダイヤモンドに合わせさせられてカタカナになってわかりにくくなるなか、本船は昔ながらの等級制の呼称なので永年親しんだものであるのでわかりやすいので良い。ダイヤモンド式のカタカナは嫌だという関西汽船の抵抗が感じ取れる。しかし、「特等B」については他社と比較した現代の水準から考えると不適切なのではないか?と感じる。運賃はそのままでも良いので「特1等」や「1等A」の方が適切に感じる。また、2等寝台「D」の記号がいまだに残っているが意味不明。(就航時は「S」だった。)「2等寝台」とした方が良いと思う。同じ社内でカタカナに変更するような大掛かりで面倒な事をやっているのだから、この位の変更はできると思うものだが。

(NEW)パンフレットが「フェリーさんふらわあ」共通のものの配布がようやく始まり、「さんふらわあ」でない本船も掲載されており、船室写真が実際のベッドメイクの状態で撮影されたものとなっており、改善されていた。

(NEW)小倉港では5時入港後、7時まで船内休憩が可能。ただし、HPや時刻表等になぜか記載が見当たらない。せっかくの良いサービスなのにPRしないのは勿体ない。ただし、入港前からチャイムありの放送が頻繁に流れ、騒がしいので個室であっても安眠は期待できない。お茶を飲んだりテレビをみたり程度の時間と思っていた方が良い。車の場合は一旦車の下船が必要。下船は入港直後はタラップが掛けられるが、徒歩下船が終わるとすぐに外す。その後、大型車の下船が終わるまで一時下船ができなくなり、大型の下船が終わると車両甲板に掛けた舷門から下船可能になる。舷門には甲板手が当直に座っており、下船するときには挨拶をしてくれた。

屋台や売店の食事のメニューが以前より充実していた。じゃこ天うどん(愛媛名物)やごぼう天うどん(九州名物)、とんこつラーメンのように地域性を感じるメニューの他、早朝は阪九フェリーの影響だと思うがパンの販売も行っていた。短時間の航海にもで夜遅い乗船にもかかわらず乗船直後は多くの人で賑わっていた。価格も決して高くはないと思う(割安ではないけど)ので、利用者からそこそこの支持があるのだと思う。

出港後は船長からの挨拶と明日の天気の放送があった。個室の放送スイッチを切っていたはずなのに、一斉放送で流れてきたので驚いたのだが、この取り組みは乗客に安心感、信頼感を与えると思うので大変良いことだと思う。

何かトラブルがあったのだとは思うが携帯電話を浴室に持ち込むのは、盗撮、盗聴の誤解を招くのでやめるように放送による注意喚起があった。という事で、今回はお風呂の写真は諦めた次第。女性浴室への持ち込みは特に誤解を招く行為であり、やめるべきと感じる。

年間を通じて旅客が多い割には個室が少ないので、部屋定員で乗らないと特に週末は相部屋の確率が高いかも?せっかく上等級を買って本当に相部屋になるぐらいなら2等寝台の方が良い。対策としては一旦、2等寝台で乗船して、船内で相部屋にならないかを聞いてみてから等級変更するのが賢明。以前、船内で変更してみた所、案内所の女性従業員は、こちらの意図をよく理解したうえで嫌な顔ひとつせずに好意的に対応してくれた。(船内の等級変更差額にも原券の割引がそのまま適用されるので安心を!)

上等級の部屋構成が客のニーズに合っていないのでは?通常時期はほとんどの部屋が1〜2人の客だったようで、6人部屋や4人部屋にあまりニーズはないと思う。定員以下の人数で2等寝台ではなくわざわざ上等級に入る人の心理は部屋占有を期待しているわけで、本当に相部屋でも構わないという人は滅多に居ないと思う。次の船を建造するときは「SFにしき」のように、狭くてもいいので、2人部屋や1人部屋を中心に設置してほしいと思う。

新造船は皆、「さんふらわあ」塗装となってしまった関西汽船の中で唯一、昔ながらの涼やかな緑色の塗装で残る船。次期代替船では「さんふらわあ」ではなく、この伝統の緑色の塗装が残ることを期待したい。

関門海峡を通過できる唯一の国内定期フェリーである。(注:関釜フェリーがあるぞと指摘しないでねw)夜ではあるが、関門橋の下の早鞆瀬戸(はやとものせと)を通過するのは迫力ある操船を楽しめる。また、ドック時期には臨時の昼便も運航されており、これなら昼間の関門海峡&瀬戸内海の船旅を満喫できる。
  船 室 構 成 合計
特 等 A
 洋室2名×2室 4名
特 等 B  洋室4名×5室 20名
1  等  洋室6名×7室  42名
2等寝台D  洋室8名×15室 120名
2  等  大部屋 464名
ドライバー室  ベッド 62名
 更新履歴
H18.07.09 船室写真(1等、2等寝台D、2等)を追加、特等Aを差し替え。「はやとも2」ラウンジの写真を追加し、かわりにエントランスの写真を削除。特等Aの情報を確認。
H19.06.18 公室の写真を差し替え。2等寝台の情報を追加。サービス体制の再確認。
H20.03.02 特B、1等、エントランスの写真を差し替え。
H21.05.15 サービス体制の確認と若干の修正。ラウンジの写真を差し替え。
H22.07.20 写真の差し替え、サービス体制の確認、他。

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