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[政治]ニュース トピック:主張
【主張】小沢氏拒否 さらに聴取求めるべきだ
民主党の小沢一郎元代表が、資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、検察官役の指定弁護士の聴取要請を拒否した。
小沢氏は裁判への影響などを理由に国会での説明責任も果たそうとしていない。土地購入資金4億円の出所など、これまでの説明には疑念が示されている。自分に都合のよい理屈を使い分け、逃げ回っているとしか映らない。
小沢氏については、市民からなる東京第5検察審査会が昨年、2度にわたり「起訴すべきだ」と議決し、近く強制起訴される。
検察審査会法で、指定弁護士は起訴し公判維持するため、検察官に嘱託して家宅捜索などを含めた補充捜査を行うことができる。兵庫県明石市の歩道橋事故では、元明石署副署長から事情聴取し、遺族からも意見を聞いた。
第5検審は2度目の起訴議決で、東京地検特捜部の小沢氏の聴取を「形式的な取り調べの域を出ていない」と断じていた。再聴取は検審の要請でもある。
事件は未解明な点が多い。第5検審は、土地購入資金4億円の出所について小沢氏の説明は「到底信用できない」と指摘した。ゼネコンなどからの裏金疑惑、さらには政党助成金の流用問題の解明も不十分なままだ。
特捜部には「不起訴」ありきの形式捜査との批判や、有力政治家に対し腰が引けているとの不信もでていた。その意味で、特捜部とは別の視点で追及する指定弁護士による再聴取の意味は大きい。
任意の要請とはいえ、小沢氏はこれに応じるべきである。指定弁護士も、さらに強く聴取を求める必要がある。
今回の事件では、衆院議員の石川知裕被告ら小沢氏の元秘書3人が逮捕、起訴された。小沢氏は幹事長を辞任したが、土地購入疑惑の核心を説明しておらず、国民の政治不信は募っている。
「国会の決定に従う」としていた小沢氏は衆院政治倫理審査会の出席さえ、条件をつけるなどあいまいにしてきた。かつて衆院議院運営委員長として「疑惑をもたれた場合には自ら疑惑を解明し、その責任を明らかにする」という政治倫理綱領を定めたころと対極の言動というしかない。
国民に対する説明責任をきちんと果たすことが、政治家にとって最大の責務ではないか。
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