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おれんじホープ (神戸〜新居浜)
【四国開発フェリー株式会社(オレンジフェリー)】 評価:★★★ |
合理化船でもオレンジフェリーのサービスは健在! |

おれんじホープ(神戸港六甲アイランド) |
瀬戸内海で高い旅客サービスを提供する四国開発フェリーがトラック需要をターゲットに一般客には利用しにくい深夜時間帯の便に就航させた新造船。一時期、上りだけ詫間に寄港していたが、現在は神戸〜新居浜直行となっている。外見は客室の窓も少なくRORO船のような印象。ドライバー室は全室個室、レストラン営業もあり、ドライバー様には快適な船かと思う。建造途中に機関に不具合が発生して就航予定が大幅に遅れた。
平成17年就航。総トン数15000トン。
(利用時期:平成22年7月) |
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Cabin〜船室は快適か? |
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船室は特別室と2等寝台の2種類のみ。2等大部屋があるが発売されていない。
等 級 |
設備・感想など |
特別室 |
・バス、トイレ(温水便座)付きのツインルーム。テレビ、ビデオデッキ付き。
・ゆかた、スリッパ、茶器セット、オリジナル煎餅、ティッシュペーパー、バスタオル、ドライヤー、リンスインシャンプー、ボディーソープが備えられている。単に忘れただけかもしれないが、他の船でよく見るピンク色の袋に入った洗面セットがなかった。
・ベッド幅は110cmとゆったり。寝具はシーツ付きの毛布。ロッカーに予備の毛布あり。
・放送音量、空調の個別調節可能。
・本船が賞を受賞したことが紹介されているマニアックな本が用意されていた。 ・船首に位置しており、船首側のみに小さな窓がある。舷側に大きな窓がほしいところ。
・セブンやエイトに比べると面積が狭くて、窓も小さくイマイチな感じ。
・浴槽が大きくて気持ち良い。
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2等寝台 |
・なんとドア付きの1人用個室。ドアの鍵はなくなっていた。
・ゆかた、スリッパ付き。ベッドランプにはコンセントが付いており、タオル掛け、ゴミ箱もある。
・ベッド幅は80cmで寝具は裸の毛布。敷きシーツと枕カバーは清潔。
・放送は通路から入るので室内での調節は不可。空調はつまみで風量のみ調整可能。
・窓が無いので携帯の電波がほとんど入らないのが難点だが、2等寝台運賃でこれだけの個室が利用できるのはとてもおトクだと思う。
・一般客用はわずか6室のみの設定となるが、ほぼ同仕様のドライバー室が100席もあるので、足りない場合は融通できると思う。
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ドライバー室 |
・2等寝台とほぼ同仕様の個室。シーツ敷きがセルフサービスとなる点とゆかたとスリッパが無い点ぐらいの差。
・バリアフリー用として2人部屋も2室ある。 |
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Public Space〜営業施設・公室は充実しているか? |
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公室名 |
設備・感想など |
案内所
エントランス |
・カウンターがあるだけで、航海中は一時閉鎖となる時間帯がある。売店はなし。
・投書箱やパンフレット、時刻表などきちんと補充されていた。(一般客はわずかなのに立派な事だと思う。)
・案内所の横には「椅子席」があり、テレビを見るフリースペースとして機能していた。
・エントランスにはマッサージチェアー(15分200円)あり。
・通路の壁には基準航路を記載した海図(世界測地系)が掲示されていた。 |
レストラン |
・貨物中心の合理化船ながら、しっかりと各港出港後に営業がある。下り便は早朝の出港ながら5時前まで営業があるのは、長距離を走ってきてようやく乗船してホッとしたドライバー様には嬉しいサービスかと思う。
・メニューは他の船と比較するとやや限定されるが、航路事情を考えると仕方ないと思う。
・食券を自販機で購入してコックさんに渡して呼ばれたら取りに行くシステム。ドライバー様のわがままな要望に懸命に対応して大変そうだった。
・わずかに禁煙席があったが、仕切りがあるわけでなく、客層の大部分がドライバー様なので無理に設けなくてもいいのでは?
・下り便で新居浜入港前には朝食650円の営業あり。安くてボリュームがあるのでお勧め。前は朝食のみだったが、他にも数点のメニューに対応するように改善されていた。
・メニュー例:唐揚げ定食850円、カレーライス550円、ラーメン600円など。 |
自動販売機 |
・レストランの一角に自販機コーナーがある。
・ジュース120円、ビール(大)400円、ビール(小)300円。
・飲み物の他、カップラーメンも扱っている。
・飲酒運転防止のため、酒類の販売は出港してしばらくすると停止されてしまうので注意が必要。しかも酒類のレストランからの持ち出しは禁止との事。不便ではあるが、客のほとんどがトラックドライバー様で、昨今の社会情勢を鑑みるとやむを得ない事だと思う。
・ビールの販売停止時刻について、案内所、ギャレー、それぞれの乗組員から個別に説明があったのは好感。 |
給湯・冷水 |
・レストラン内、自販機横にティーサーバー(お湯、お茶、冷水)あり。紙コップ無料。 |
浴 室 |
・展望式でサウナ付き。洗い場は6ヶ所。シャワーの水圧がやや低いが勝手に止まらないのが良い。
・ボディーソープとリンスインシャンプー備え付け。
・脱衣所には無料の鍵付きロッカー、ドライヤーあり。マッサージ機(8分100円)あり。
・乗船中はいつでも利用可能。
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トイレ |
・洋式のみだが、シートペーパーあり。ドライバー様が多い船だからか、大便所に灰皿あり。
・洗面所にはドライヤーあり。 |
公衆電話 |
・テレホンカード専用のみ。 |
※女性の乗客が極度に少ないためか、女性用の浴室とトイレには柵がされており、女性が乗船すると外されるようだ。 |
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案内所 |
エントランスホール |
浴 室 |
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椅子席(テレビコーナー) |
レストラン |
お勧め!の朝食(650円) |
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Infomation〜船内案内・感想など |
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(NEW)このようなトラック中心の船に一般客が乗船すると従業員から怪訝な目で見られて肩身の狭い思いをするのが相場なのだが、本船ではそんな事は一切なく、陸上、車両甲板、客室と、大変気持ちの良い接客態度だった。下船時のタクシーの手配も向こうから聞いてきて手配してくれた。また、切符に指定の客室は船首側で遠いので、すぐ近くのドライバー室に変更してくれ、また2人連れには2人用のバリアフリーの部屋を提供していた。
(NEW)徒歩での乗船、下船はタラップではなく、送迎車を利用して車両甲板から行われる。そのためか、神戸での乗船時刻は出港ギリギリ(3:50頃)であったので、あまり早く港に行っても退屈で眠くて辛いと思う。個人的には住吉駅近くのネットカフェ(非会員制)を利用してタクシーで行くのがお勧め。
徒歩で乗船しようとすると、非常に乗りにくい。あくまでもトラック中心の船であり、どうしても趣味的に乗船したいのなら、ある程度の出費や不便は仕方ないと思う。(徒歩客にも便利なように乗合タクシーを運行しろという要求はナンセンス!)
発売されてる等級は特別室と2等寝台のみなのだが、船内には案内所後方に大部屋の2等室が存在する。せっかく2等もあるのなら、2等指定席として発売してくれたほうが等級選択の幅が広がって良いと思う。個人的には2等寝台は個室なので寝具を布団にすれば1等としてでも納得できる。
この船がターゲットとしているお客様はトラックであり一般客はおまけなので、HPやパンフレットでは積極的なPRを行っていない。(簡単なパンフレットの問い合わせ電話番号は貨物課)しかし、他の会社の合理化船では眼中にない一般客を相部屋で詰め込むのに対し、この船では数少ない(趣味的な)一般客のためにも快適な船室を提供してくれる事はすばらしい。
自販機のみの食事となっても仕方ないような性格の航路とダイヤなのだが、レストラン営業があるのはすばらしい。しかもこのレストラン、朝食を注文したところ、おっさんが冷蔵庫からキャベツの玉を取り出して包丁で千切りを始めたので驚いた。(ギャレーの中がホールから丸見え=見られて困るような食材は使っていないという事かな?)カット済みのパック詰めの野菜を使う会社が多いのだが、手作りで調理された食事は十分に満足できた。
一般用の客室は船首部になるのだが、船首でも突き上げるような大きな振動がやや気になった。(振動はその時の積荷や喫水、機関回転数などによって異なるので一概には言えないのだが)
従来、神戸便に就航していた船はドック代船や多客期の臨時便として大阪南港からの便に就航していたが、本船は船体が大きいので大阪南港と東予港には入港できない。従ってドック代船や多客期の臨時便への就航はないとの事。セブンやエイトのドック期間中にこの便も休航となるので貨物向けに闇のダイヤで運航しているようだが、あくまでも貨物専用なので、本船に乗りたいヲタの方は定期便を利用しましょう。 |
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船 室 構 成 |
合 計 |
特 別 室 |
洋室2名×2室 |
4名 |
2等寝台 |
洋室1名×6室 |
6名 |
ドライバー室 |
洋室1名×96室 2名×2室 |
100名 |
そ の 他 |
2等和室52名 椅子席56名 |
108名 |
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更新履歴 |
H19.07.11 特別室の情報を追加。他、サービス体制の確認。
H22.07.20 ダイヤ改正に伴い、サービス体制の確認。 |
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