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おれんじ8 (大阪〜新居浜〜東予)
【四国開発フェリー株式会社(オレンジフェリー)】 評価:★★★★★ |
お勧め!瀬戸内一番の豪華フェリー |

おれんじ8(大阪南港) |
大阪を昼にに出港し、夜に新居浜、東予へ寄港して翌朝大阪に戻る便に就航する。下り便では乗客が少ないので昼間の瀬戸内海を満喫できる。上り便は四国から大阪への便利で快適な夜行便として人気も高い。旅客設備を簡素化するフェリーが多い中、異色ともいえる程豪華な船内で、総トン数の大きな他のフェリーよりも立派な造りである。派手な人的サービスはないものの、乗客を大事にしようとする会社の意気込みを強く感じる船で、何度乗っても飽きないし、また乗船したくなる。
平成11年就航。総トン数9900トン。
(利用時期:平成22年2月) |
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Cabin〜船室は快適か? |
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等 級 |
設備・感想など |
特別室 |
・展望バス、トイレ付きのツインルームで2室しかない。洗面所、テレビ付き。
・ゆかた、スリッパ、バスタオル、洗面セット(タオル・歯ブラシ・くし)、リンスインシャンプー、ボディーソープ、ハンドソープ、ティッシュペーパー、茶器セット、せんべいが用意されている。
・放送音量、空調の調節可能(冷暖切替不可)。
・ベッド幅は120cmと広く、寝具はふとん。ロッカー内に予備の毛布あり。
・部屋の豪華さに似合わず、冷蔵庫と温水便座がない。これらは現代の最上級船室には不可欠だと思うので、是非設置してほしい。ないと見劣りがすると思う。
・バスマットは毎回交換してほしい。(もし交換しているなら、誤解を招かないように、浴室入口に敷いておくのではなく、浴槽にでも架けておいてほしい。)
・展望バスルームは広くて快適そうに見えるのだが、浴槽にお湯をためるのに15分かかった。(浴槽が大きくてゆったりしているから?) また、洗面器や風呂用の椅子を設置して欲しいと感じた。(以前はあったような記憶が・・・)
・指詰め事故防止のためか、ドアクローザーの調整が固く、手で最後まできちんと閉めないとドアが半ドア状態になるので注意が必要。
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特等A |
・バス、トイレは付いていない。ツインのベッドと窓側にテーブルとソファがある。足元まである大きな窓が気持ち良い。
・設備は洗面台とテレビ。備品にはゆかた、スリッパ、洗面セット(タオル・歯ブラシ・くし)、茶器セット、せんべい、ティシュペーパー、紙コップ、ハンドソープがある。
・ベッド幅は1mで、寝具はふとんで快適。予備の毛布も用意されている。
・風呂が付いていない以外は非常に快適な船室である。空調と放送音量の調節は可能。(冷暖切替不可) |
特等B |
・2段ベッドと窓側に小上がりのある4人用の和洋室。テレビ、洗面台付き。
・備品はゆかた、スリッパ、洗面セット(タオル・歯ブラシ・くし)、茶器セット、せんべい、紙コップ、ハンドソープがある。
・空調と放送音量の調節は可能。(冷暖切替不可)
・大きな窓が気持ちよく、ちゃぶ台も大きくて使い勝手がよい。ベッド幅は80cmで寝具は布団で予備の毛布あり。
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1 等 |
・2段ベッドとソファとテーブルのある洋室4人部屋。テレビ、洗面台付き。
・備品はゆかた、スリッパ、洗面セット(タオル・歯ブラシ・くし)、紙コップ、ハンドソープがある。
・ベッド幅はちょっと狭い75cmで寝具は布団でロッカー内に予備の毛布あり。
・空調と放送音量の調節は可能。(冷暖切替不可)
・大きな窓が気持ち良いが、テーブルが小さくてちょっと使い勝手が悪い。
・特等Bと似ているが、差はお茶と菓子の有無、ベッド幅5cmの差、洋室か和洋室かの差ぐらいしかなく、運賃は千円しか違わない。
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2等寝台 |
・2段ベッドの8人部屋で窓は付いていない。2等寝台には珍しくゆかた、スリッパ、ハンガー1本付き。
・寝台幅は70cmとやや狭い。ベッドランプにコンセント有り。寝具はシーツなしの毛布。
・室内に放送、空調、照明のスイッチあり。相部屋の部屋にこれらはない方が良いと考える。
・ドライバー室の一部を2等寝台にも転用できるように、一般の通路側にも扉がある。
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2 等 |
・マット、枕、毛布がセットされた指定席。窓なしが大部分だが一部窓ありとなる。
・繁忙期は指定席が取れない場合、臨時席へ案内している。この場合は自由席扱いという事で若干値引きがある。臨時席に乗る客も、あらかじめ了承して、しかも少し安いのだから文句は出ないと思う。
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※個室のドアには禁煙マークが貼られており、船室は個室も含めて全て禁煙と厳しい。短い折り返しの時間での船内清掃となるので、室内で喫煙されると臭いが抜けないという事情があるのだと思う。 |
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特 別 室 |
特 等 A |
特 等 B |
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1 等 |
2等寝台 |
2 等 |
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Public Space〜営業施設・公室は充実しているか? |
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公室名 |
設備・感想など |
案内所
エントランス |
・案内所には深夜時間帯でも当直者がいる。深夜は案内所を閉鎖するフェリーがほとんどであるのに、当直を行って乗客の安全を守り、困りごとに対応しようとする姿勢は特筆に価すると思う。
・エントランスには200〜300円のコインロッカー、マッサージ機(15分200円)、アンケート提言箱がある。
・等級変更を促進する部屋写真と差額、空室状況の表示がある。古くなって写真が色あせていたのが残念。また、販売促進のための放送で等級変更を喚起していたのは積極的で良いと思う。 |
自動販売機 |
・ジュース120円、ビール(大)400円、ビール(小)300円。一部のペットボトルを140円(市価150円のもの)に値下げして販売。
・深夜0時〜6時まで飲酒運転防止の為との事で、アルコール類の販売停止。
・カップラーメン等の食品は扱っていない。アイスクリームあり。 |
レストラン |
・カフェテリアとセルフサービスの中間くらいのシステム。単品が並んでいるカフェテリアを選び、定食やめん類はレジで注文する。精算をしたら番号札を渡され料理ができたらマイクで呼ばれ、セルフサービスで受け取りに行く、いわゆる’食堂’の雰囲気?
・テーブル席のほか、和室の小上がり席もある。席は分煙で案内所側の一部の席が喫煙席となる。
・上り便では大阪入港後の船内休憩中に朝食バイキング(850円)の営業を行っている。朝食券はレストランではなく案内所で購入する必要がある。
・ハムや豆腐、ジュースなど、地元の食材を多用しようとする努力を感じる。季節のメニューも豊富。
<価格例>唐揚げ定食850円、さぬきうどん450円、特製ラーメン650円、カレーライス550円など。以前よりも若干値上げされていたが、それでもお得感のある価格と質だと思う。
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売 店 |
・隣には案内所がありこちらには常時係員がいるのだが、下り便では大阪出港してしばらくすると夕方まで閉店する。上り便では深夜は閉店。おもに女性が店番をしていた。
・お皿やグラスなど、ヲタ向けオリジナルグッズも販売している。 |
浴 室 |
・展望式でサウナを併設。洗い場が6ヶ所でそれぞれに仕切りがあるので隣が気にならないので快適。
・シャワーが勝手に止まるタイプなのでイライラするかも。
・リンスインシャンプーとボディーソープ完備。
・更衣室には無料(100円玉は不要)の腕時計式の鍵付きロッカーがあり、洗面所にはドライヤーが備えてあった。また、靴をロッカーへ持ち込むためのビニール袋が用意されていた。
・深夜も含めて航海中いつでも入浴可能。東予出港直後は混雑する。
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ラウンジ |
・船首には、特等専用のゆったりとした「ラウンジ」があり、ゆったりとしたソファーと景色でくつろげる。
・特に、下り便の昼航海のときはおすすめ。夜間も窓はブラインドを閉鎖してはいるが利用可能。。
・ここを堂々と利用するためにも特等以上に乗船したいもの。他等級客が侵入しないように、巡視時に声をかけているとの事。但し、ワンナイトクルーズの参加者については他等級でも利用可能との事。
・ラウンジ内は左舷が喫煙、右舷が禁煙席となっている。
・下の階の船首側には仕様は質素になるが喫煙できる「スモーキングルーム」がある。 |
展望室 |
・最上階にあるソファーやテーブルが並ぶくつろぎの場でピアノが自動演奏されていた。
・左舷が禁煙、右舷が喫煙で混在。
・古い海図に基準航路を記載して掲示していたのは備讃瀬戸東航路の速力制限に伴う減速地点、船長の甲板上指揮区間や、第3基準航路なども記載されていて興味深い。 |
トイレ |
・和式、洋式とも併設。洋式にシートペーパーあり。
・それぞれのトイレに洋式、和式、手すり付きの表示があったのは分かり易い。 |
公衆電話 |
・廃止されていた。携帯電話の普及でやむを得ないのだと思う。 |
給湯・冷水 |
・冷水器、ティーサーバーあり。プラ製コップ無料。 |
その他 |
・2等区画には「更衣室」があるので便利。
・売店の隣に「ゲームコーナー」がある。
・「マルチルーム」はレストラン予備席へ変更されていて施錠されていた。 |
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エントランスホール |
ラウンジ(特等専用) |
展望室 |
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レストラン |
スモーキングルーム |
展望浴室 |
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Infomation〜船内案内・感想など |
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並行する高速バス(大阪・神戸〜新居浜・今治)を試しに片道だけ利用してみた。運賃的にはおれんじ会員割引を利用すれば2等運賃とほぼ互角。所要時間については港までのアクセスも考慮すると、高速バスの方が圧倒的に早いのだが、、フェリー夜行便の利便性を考慮すれば一長一短あると思う。個人的には4列シートの高速バスでの約5時間の道のり(途中休憩2回)はかなり苦痛で、たまたま隣席が空席だったから我慢できたが、満席だったら・・・と想像するとぞっとする。フェリーの快適さを再認識した次第。高速バスに負けずに頑張って欲しいと思う。
インターネット接続サービスを行っている。個人でパソコンを持参すれば、無料で貸出(保証金3000円)しされる機器を接続すれば、携帯電話会社(A社)を利用して海上でもインターネットが楽しめる。接続は基本的にはコードをつなぐだけで面倒な設定等は不要なので何等難しくない。燧灘と播磨灘では一部電波が通じにくい海域があるそうだが、海上という事を加味すれば、満足いく使い心地だった。有料でもよいのではないかと思える素晴らしいサービスと感じた。
一時期、各個室に用意されていた船内案内の冊子がなくなっていた。ダイヤ改正や運賃改訂などによる更新が大変だとは思うが、A4ラミネート加工両面程度で良いので、船内案内図と各施設の営業時間の案内程度のものを用意してはどうかと思う。
「巡視員」と記載した腕章を着用した人達が船内巡視を行う姿を目撃した。頻繁に巡回していることをあえて客に「見せる」巡視は不審者への威嚇効果抜群で、乗客に安心感を与えていると思う。
レストランの頑張りはフェリーとしては特筆に価する。他社と比較して、価格、質、接客態度ともその差は歴然としていた。私はオレンジフェリーに乗るときは、地上では食べずに敢えて船内レストランを利用している。フェリーとしては良心的な価格設定と美味しさだと思うので、コンビニ食を持ち込んだり乗船前に済ませたりせず、船旅の想い出として是非利用してほしいと思う。
上り夜行便に乗船した場合、大阪に早朝6時入港後、なんと8時まで船内で休憩できる。しかも車で乗船していても事前に申請すれば8時まで在船できる。本船の場合は入港の際に、個室の鍵回収や休憩の意思の確認などの、他社でありがちな睡眠妨害を一切しないうえ、朝食バイキングの営業、コーヒーや朝刊の販売を行うなど、完璧なものである。トラックの早朝着ニーズと一般旅客のニーズの2つを両立させたすばらしいサービス。
本船には上級個室は多いが、バス・トイレ付きの船室が特別室の2室だけと少ないのが残念。特等A室が、少し狭くなってもいいのでシャワーぐらいは欲しいところ。また、特等に畳敷きの完全な和室の設定があれば、乳児連れの家族や老人にも喜ばれるかと思う。
特等専用の「ラウンジ」、最上階の「展望室」の仕切りのない同じ室内での中途半端な分煙はあまり意味がないと思う。集煙機を設置して煙の流れには多少の配慮はしているようだ。分けるなら愛煙家の人が不便にならない程度に、しっかりと分煙すべきかと思う。(航空会社や一部の船社のように厳しすぎる排除には反対) 「テレビコーナー」は半分に壁で分割するように改装されていた。
船室の貸切料金が30%と他社に比べて安くて良心的。特別室、特等Aは1名の場合は貸切が必要。特等B以下は相部屋になる可能性を承諾できれば定員以下での利用も可能であるし、週末などで不安な場合は貸切料金を払えば良い。窓口や船内での対応は、「今日はすいているので貸切しなくても多分相部屋にはならないと思いますが・・・・」という感じで乗客の立場にたった親切な対応で好印象。
本船では大阪から乗船して新居浜・東予で下船せずに大阪まで戻るクルージングのプランを行っており、2等寝台で3食付きで1万2千円から発売している。(いつのまにか値上げされている。)これに参加するとブリッジ見学の特典がある。だが、カップルや家族でないとで目的港で下船せずに船に乗るだけの利用は、恥ずかしいのでイマイチ利用する気にはならない。ヲタが平日に1人で利用すると目立つよ!
昼航海の下り便は昼間の瀬戸内海の航海を満喫できる貴重な便。明石海峡大橋と瀬戸大橋通過の際には放送による案内があった。
上り夜行便へ東予港で接続する連絡バスが豊富。松山発の連絡バスは高速仕様で、車内には新聞や乗船名簿が用意されており、快適に東予まで移動できる。すごいと思うのが、客が少ない閑散期でも運行されている点。県都松山から離れている悪条件を見事に克服して客を取り込んでいると思う。
この会社の窓口ではクレジットカードの使用ができない。以前、車両で乗船したときに同行者がカードが使えなの?と怒っていた。カードを扱うとカード会社に手数料を払わなければならないとは思うが、クレジットカードも使えるようにしたほうが便利かと思う。(おれんじ会などの割引運賃には現金での支払い制限を付けてもよいかと思う。)ちなみにカードを使えないのは離島航路の島の代理店などで、宿泊するような航路でカード一切不可というのは珍しいと思う。。
「特等B」の等級呼称に疑問を感じる。昔は2段ベッドの特等でもよかったかも知れないが、現代の感覚からするとちょっと無理があるのではないかと思う。1等との差もあまりない。運賃はそのままで良いので呼称を「特等B→1等A」、「1等→1等B」とした方が自然だと思う。
1日のうち船内に乗客がいない時間はわずか4時間位。休航日なしの連続航海で、1日3回もの出入港がある。乗客は積まないが、日曜日はさらに大阪〜神戸を往復している。ベッドメイクや清掃、機器のメンテナンスなど、よくやっているなと感心する。
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船 室 構 成 |
合 計 |
特 別 室 |
洋室2名×2室 |
4名 |
特 等 |
A:洋室2名×16室 B:洋室4名×8室 |
64名 |
1 等 |
洋室4名×20室 |
80名 |
2等寝台 |
洋室8名×44室 |
352名 |
2 等 |
指定席(マット、枕、毛布付き) |
250名 |
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更新履歴 |
H18.07.09 船室写真(特等B、2等寝台、2等)追加。レストランと浴室の写真差し替え。2等寝台の室内情報を追加。感想を追加。
H19.07.11 写真(特B、1等、2等、スモーキングルーム)差し替え。サービス体制の確認と若干の修正。
H21.01.12 特別室の情報を追加。
H22.02.17 乗船名簿への苦言を削除。レストラン値上げ、船舶公衆電話廃止。展望室の写真を差し替えなど。 |
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