フェリーきょうと2・フェリーふくおか2 (大阪南港〜新門司)
 【株式会社 名門大洋フェリー】
 評価:★★★
客室を増設して人気に対応!


         フェリーふくおか2(大阪南港)
名門大洋フェリーの新造船。「人と環境にやさしい次世代フェリー」をテーマとして船内の段差を少なくするなどバリアフリー化。内装はオリエント急行を手掛けた英国の会社が担当して格調高い雰囲気としたそうだが、客室区画の天井が低いのでやや圧迫感がある。自慢は右舷側一杯に伸びる「展望ストリート」と梯子をなくした新案キャビンの「特2等」と「2等洋室」。斬新なアイデアで厳しい競争の瀬戸内航路で顧客獲得を狙う意気込みを感じる。週末などは旅客で混雑して賑やかな航海となる事が多い。

平成14年就航。総トン数9800トン。
(利用時期:平成22年12月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
特別室 ・バス、トイレ付きのツインルームだが、エキストラベッドで3人での利用も可能らしい。
・特等運賃の他、1室5千円の室料が別にかかるが、いまいち差を感じず、割高感がある。運賃表の記載がわかりにくく誤解を招きやすいと思う。
特 等 ・バス、トイレ(温水便座、便座クリーナー)付きのツインルーム。テレビ、冷蔵庫、ドライヤー、インターホンの設備がある。
・浴衣、スリッパ、バスタオル、タオル、サービスタオル、液体せっけん、据付型のシャンプーとソープ、歯ブラシ、くし、かみそり、シャワーキャップ、茶器セット(電磁サーバー、粉末の茶)、ティシュペーパー、船内案内冊子がある。
・ベッド幅は1m、寝具はふとんで快適。ロッカー内に予備の毛布もあった。
・部屋のテレビは薄型の液晶式のもの。
・空調の調節は室温で設定でき、冷暖房の切り替えも自由、放送音量の調節可能。
・バスルームの浴槽は上げ底で狭くて使いにくい。
・ナイトテーブルに清掃担当者の名札あり。
・部屋は特等室としては十分なのだが、名門大洋フェリーの特等はやたらと広くて豪華!という従来のイメージからはちょっと外れ、普通の特等になってしまった感じ。
1等洋室 ・窓なしのシングル、窓なしツイン、窓付きの4人部屋と3種類のタイプがある。窓無しの圧迫感は否定できないが、いろいろな人数に応じて利用できる点は良い。テレビ、洗面台付き。
・浴衣、スリッパ、液体せっけん、サービスタオル、歯ブラシ、茶器セット(ポットは空)、ティッシュペーパー、船内案内冊子が用意されている。
・ベッド幅は80cmで寝具はシーツ付きの毛布。毛布が茶色のものに替わっていた。
・空調は特等と同様の完璧なものだが、室内の湿気が多くてやや不快だった。放送音量の調節も可能。
・4人部屋と2人部屋の小上がりは絨毯敷きではなく、フローリング仕様で絨毯のクリーニングや清掃の手間を省いている。座布団があるので床の固さは気にならない。
・2人部屋はドア付近に余裕がなく、小上がりも狭い。パンフレットの写真のイメージよりも実際に2人で利用するとかなり窮屈に感じるかと思う。ロッカーがあるけど、無理に設けずに部屋を広くした方がよかったのでは?
・壁が薄いのか、隣室の会話や物音がかなり気になる。
1等和室 ・窓なしの2人部屋、または窓付きの4人部屋で、本物の畳敷き。
・4人部屋は3人でも貸切料金不要。大人4人で寝ると、1人はテレビの台で足がつかえてかなり窮屈そう。小さな子供の居る家族にはいいかと思う。
・備品や設備は1等洋室と共通。
特2等A
2等洋室
・「特2等洋室A」と「2等洋室」が自慢の新案キャビン。JR寝台特急の「デュエット」のドアを無くしたイメージで互い違いの2段構造となっている。2ベッドが向かい合わせで1組となる。上段へは数段の階段で昇る。構造はほぼ同じなのだが、設備と備品の差となる。
・「特2等洋室A」は各寝台にテレビがある。毛布にシーツ付き。ベッドランプにコンセント有り。スリッパ付き。
・入口そばの寝台は多少うるさいかもしれないが、向かいのベッドがないので1人で個室感覚で利用できそう。
・各ベッドにタオル架けを設置。通路に干されないように工夫しているのだと思う。
・女性専用室の一部に暗証番号式の鍵を導入している。
・かなり長い期間、2等洋室→特2等Aへのランクアップキャンペーンを実施している。
2 等 ・絨毯敷きの大部屋。薄いマットと枕・毛布がセットされていた。
※禁煙ルームが大幅に増えた。特2等以下は禁煙となる。
特  等 1等洋室(4人部屋) 1等洋室(2人部屋)
1等洋室(1人部屋) 1等和室(4人部屋) 1等和室(2人部屋)
特2等洋室A 2等洋室 2  等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
売 店
・「売店・案内所」は兼用で品物は必要最小限。旅客が多くても深夜は閉鎖される。
・等級変更を促進する空室状況の看板が復活していた。
・以前、コインロッカーのあった場所が隔離された喫煙室に改造されていた。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)400円、ビール(小)300円。ジュースは市価に値下げされていた。
・アルコール類は24時〜5時迄販売中止。(アルコール販売の自粛)
・飲み物の他、冷凍食品、カップラーメン、アイスクリームも扱っている。
・自販機の種類が非常に豊富で、船内各所にわかれて点在。
・自販機コーナーに給湯器、冷水器あり。紙コップのサービスあり。
レストラン ・夕食はカフェテリア式で、値段も手頃で、小鉢や煮物が充実。ごはん、みそ汁のお替り自由というのはうれしいサービス
・この便のレストランはドライバー様の利用が多く、混雑していて長蛇の列ができている印象が強い。(それだけ好評である証なのだが)また、団体が居ると落ち着くまでしばらく利用できない事もある。
・価格例:御膳1200円、白身魚フライ600円、カレーライス600円、肉じゃが400円、冷奴150円、生ビール550円、赤だし150円、ライス180円
・朝はバイキングで750円に値下げ(旧900円)され、利用しやすくなっていた。品数が多少物足りなくなった感もあるが、価格を考えると、船内としては納得できると思う。(陸上の飲食施設との比較は無意味)
・営業時間以外は手前のテーブル席を開放していた。
・フェリー船内としては価格が安くて良心的かと思うので是非利用を!と言いたい所なのだが、混雑することが多く、並ぶのが苦痛になる人や乗船してすぐに食べたい人は持ち込みの方が無難かも?
・普通の箸の他 割り箸もあるので良い。(最近はエコの名をかりた経費節約のため、割り箸をやめる飲食店が多いが割り箸も用意している点は評価できる。)
展望浴室 ・混雑する日が多いのに狭い。洗い場10ヶ所。馬油のボディーソープとリンスインシャンプー、固型せっけんあり。
・脱衣所には100円玉返却腕時計式のコインロッカー、ドライヤーがある。
・深夜24時から朝6時まで閉鎖される。
・実際に利用している光景をみたことはないが男性用にもベビーベッドを設置している。
・入口には男女ともわざと目立つ様に監視カメラあり。
・別に「シャワールーム」もあり、こちらは深夜でも利用可能。こちらは普通のボディーソープ、リンスインシャンプーが用意されている。浴室が混雑している時や大浴場が嫌いな人にお勧め。やや不愉快な臭いが気になった。
・シャワーの湯を出し放しに出来ずにすぐ止まるのでややストレスを感じる。
展望
ストリート
・第6甲板の右舷を占めており、半円型のソファーとテーブルが並んでいる。マッサージチェアー(15分300円)がある。
・船首側に喫煙コーナーを新設して全席禁煙になった。
・せっかくの快適な場所なのだが、
やはりここにも毛布を持ち込んで寝床とする2等客が数名。半円のソファーの真ん中に肘掛けを設けて横になれないように工夫しては如何?また、寝床にしにくい様に深夜の減光を止めて明るく目立つようにしては如何だろうか。
・朝、ホットコーヒー(200円)、サンドイッチ(400円)、ホットドック(250円)、おにぎり(250円)などの販売あり。
トイレ ・洋式中心で和式も併設。「美化点検表」を掲示。
・洋式には便座クリーナーが設置されていた。
コイン
ロッカー類
・エントランスホールには暗証番号式の貴重品ロッカー(無料)、また、携帯電話の充電サービスが10分100円で、箱の中に携帯を入れて暗証番号で施錠して充電するもの。
・コインロッカーは100〜300円で有料。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
※その他の施設 ゲームコーナー、宴会場・麻雀室(2等室兼用)、特等区画にレストコーナー
エントランスホール 案内所・売店 レストラン
展望ストリート 展望浴室 レストコーナー(特等区画)
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)阪九フェリーが4人部屋の貸切料金を2人からなら無料にするキャンペーンを始めたら、こちらの会社は1等の貸切料金を無料にするキャンペーンで追従している。今回は同行者が居たので、キャンペーンを利用して、あえて窓側の4人部屋を利用させてもらった。お客さんが多いことが予想される日ではあったが、従来のように相部屋の恐怖?を感じながら4人部屋を指定するか、窓なしの2人部屋で我慢するかと悩むことなく安心して窓側の部屋を利用できた。さらに、1人の場合でも相部屋の可能性を承諾して1等洋室の4人部屋を利用できる点は、1人客を窓付き個室から徹底的に排除しようとするどこかの他社と違って素晴らしい。

(NEW)同行者が喫煙者だったので、喫煙可の部屋を選んだのだが、部屋に入った瞬間、強烈な煙草の臭いが気になった。(私は今は非喫煙) 喫煙可の部屋だから、ある程度は仕方ないのだが、他の会社の喫煙可能の個室もほとんど気にせずに利用している私なのだが、本船ではかなり気になった。以前にも気になったことがあり、その時はたまたまかな?と思って記載を見送ったが、今回も気になったので記載した。喫煙可の部屋でもできるだけ脱臭には努めて欲しい。ついでにシャワールームがキムチ臭かった。(某国団体は乗船していなかった。)

高速道路の割引に対抗して、車両の場合は毎日シティーラインカード会員割引よりもややお得なキャンペーン運賃となっている。(旅客のみは週末のみで同じ2割引) このキャンペーン運賃は旅行代理店やクレジットカードも使える。(但しポイント加算不可となる) 注目すべきは貸切料金への適用で、他の割引は貸切料金には適用不可となり、子供の実勢価格を上回るという意味不明、理不尽な運賃料金体系となるのだが、このキャンペーンに関しては、割引適用後の金額の半額が貸切料金となるので、子供と全く同額になり、筋が通っており納得することができる。平日の扱いには不満はあるが、週末を選んで乗れば不満を感じることなく納得して払えるので、そういう日を設けてくれているという点には感謝したいと思う。

展望ストリートの船首側にあった乗組員居住区を客室へ改造(1等と2等洋室)しており、女性乗組員の居住区を船尾へ増設していた。 客室の増設は結構なことだが、増設部分の通路幅が異様に狭く、人がすれ違うのは厳しいかと。何度かこの通路を通ったが、多くの人が嫌そうな顔をしていたように感じた。週末など旅客で混雑するので定員を増やしたい気持ちはわかるが、非常時の事も考え、荷物を持った人が普通に通れる程度の通路幅は確保した方がよいと思う。

船内禁煙が強化され、展望ストリートやレストランが禁煙となり、案内所横と展望ストリート船首側に増設された喫煙コーナーのみに限定となった。この点については時代の流れなのでやむを得ないとは思うのだが、海上運送法に基づき罰金30万円だぞと脅しの掲示物があり、やや客の神経を逆撫でする表現かと感じた。

新門司港では駅〜港の無料送迎バスが運転されているが、混雑して座れずに辛い思いをするケースも。せっかくフェリーが快適でも、このバスが嫌でもう乗りたくないと感じる人もいるのではないかと想像する。無料だと思って諦めるしかない。フェリー会社でも客が多い時は1台ではなく2〜3台出すようにある程度の対策はしているようだが、団体送迎とあたると混雑する。

特等の部屋の外側のデッキは立入禁止になっているが、1等洋室4人部屋の外側デッキは立入可能である。個室を外からのぞかれるのは嫌なので、柵を設けて非常時以外の立入禁止化を検討して頂きたい。

下船時に他社でありがちな、少しでも早く部屋から追い出そうとしないのは好感。下船口が混んでいるとき、展望ストリートや部屋で待っていても、無理に混んでいるエントランスに追いやられることがなかった。

1等と特2等区画の通路が、以前は客の足音が響いて室内でもうるさくて不快だったのだが、通路に絨毯が敷かれて改善されていたのは好印象。足音が大幅に軽減されて静かになったと思う。

アルコール類販売の自粛ということでレストランでは朝食時は販売中止、自販機は深夜時間帯の販売停止となった。深夜時間帯に飲めなくなるので残念なのだが、社会情勢としてやむを得ない面もあるのかなあ?(重大事故を起こしたら販売した方も責めるからねえ・・・)

右舷一杯に伸びる自慢の展望ストリートだが、これを設けるためにか、1等の一部が窓なしのインサイドに位置しているのは残念。ただ、船首に位置する1等洋室1人部屋は窓を付けようと思えば付けれるのだが、他の部屋との公平性と船橋からの見張りの妨げになることを考えればここの部屋の窓なしは妥当だと思う。

船内のテレビでは航行位置の案内と客室や船内の紹介をやっているのだが、客室の写真がいかにもドックでの受け取り時に撮りましたといわんばかりに、ベッドにシーツや寝具も無い素っ気無い写真だった。通常の寝具セットを行った部屋の写真のほうがいいのでは?また、機関室の説明でビルマルチ方式の空調を採用した日本初のフェリーとあるが、本当なの?他でも見たことあるような気が・・・・。現在地と航海速力も表示されるけど、いいの・・・?。(備讃瀬戸航路12ノット・・・以下自粛)

「フェリーきょうと2」では就航時、個室の放送音量が調節できないという欠陥があったのだが、初ドック後に乗船したら調節できるつまみが設置されて改善されていた。

特等区画が最上階で独立しており、他の等級の客が出入りしないように静寂を保つ工夫がなされているのだが、その分、エントランスホールからの階段の上下がややこしい。吹き抜けのエントランスで一気に階段を昇れるほうがいいような気がする。乗船時にはエレベーターを使う様に案内された。
   船 室 構 成  合 計
特 別 室  洋室3名×2室 6名
特  等  洋室2名×7室 14名
1等洋室  洋室4名×27室 2名×11室 1名×8室 138名
1等和室  和室4名×5室 2名×3室 26名
特別2等洋室A  洋室20名×6室 12名×1室 132名
2等洋室  洋室28名×4室 14名×2室 12名×2室 8名×4室 6名×1室 202名
2  等  大部屋 159名
ドライバー室  洋室28名×2室 56名
 更新履歴
H18.08.29 船内写真を追加、差し替え。本文を一部追加、修正。
H19.12.25 1等和室、レストコーナーの写真を追加。 サービス体制の確認。
H21.05.11 特等室の写真を差し替え。客室増設について記載。
H22.10.09 船室写真追加、差し替え。サービス体制の確認。
H22.12.31 1等洋室4名部屋の写真を差し替え。サービス体制の確認。

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