フェリーおおさか・フェリーきたきゅうしゅう (大阪南港〜新門司)
 【株式会社 名門大洋フェリー】
 評価:★★★
レストランをバイキング方式に変更


        フェリーおおさか(大阪南港)
大阪と北九州(新門司)間を結ぶ航路で古い方の2隻が第1便に就航する。早朝入港で一般旅客にはやや利用しにくいダイヤなのだが、渋滞を回避できるのでトラックドライバー様の利用は多い。完全な夜行便なので、旅客設備は最小限なのだが、特等船室だけは、非常に豪華で快適で2便船よりも広くて快適。逆にいえば公室が簡素なので豪華な部屋で寛いでくれとの事だと思う。燃料高騰対策のため、減速に加えて貨物の少ない週末の減便も行われている。

平成4年就航。総トン数9300トン。
(利用時期:平成22年3月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
特 等 ・バス、トイレ(温水便座、便座クリーナー)、インターホン付きのツインルーム。
・洋室と和洋室タイプがあるので希望を言ったほうが良い。和洋室は船首に位置するので、夜間にカーテンを開けれない制約はあるものの、、畳の間(3畳)があるのでとても快適で、特等船室の模範だと思っている。3人目が特2等和室運賃で利用できる。
・ベッド幅は1mで寝具は布団で快適。予備の毛布あり。
・ゆかた、スリッパ、茶器セット(ポットは電動、茶は粉末のみ)、バスタオル、タオル、歯ブラシ、かみそり、くし、シャワーキャップ、テッシュペーパー、ドライヤー、案内冊子がある。
・バスルームには据付式のリンスインシャンプーとボディーソープあり。また、洗面器と椅子があるのでやや狭いものの、家庭の風呂のように入浴できるのは良い。浴槽は大きくはないが深めなので肩まで浸かれる。
・質素な船内に似合わず、
とても広くて快適な部屋で私が大好きな特等船室のひとつとしてお勧めできる。
・ナイトテーブルにはホテルのように清掃担当者名の札があった。(清掃は本船でやるみたい)
・鏡台が大きいので女性には便利かと思う。
・冷蔵庫が撤去されていた。振動による故障が多いからとの掲示あり。(HPにはいまだに冷蔵庫付きとある。)
1等洋室 ・和洋室4人部屋(2段ベッド)と、窓なしの2人部屋(2段ベッド)がある。窓側にソファーベッドがあり5名でも可。
・洗面所、テレビ、インターホン付き。
・ゆかた、スリッパ、洗面セット(タオル・歯ブラシ)、せっけん、ティシュペーパー、粉末緑茶、電動ポット、案内冊子がある。
・寝台幅は85cmで寝具はシーツ付きの毛布。
・放送音量と空調調整可能。
・4人部屋の窓側の小上がりはフローリング仕様。床が固いが、じゅうたんよりも清掃がしやすく、清潔であるという利点がある。最初は?と思ったが、最近は慣れたし汚れたじゅうたんよりは良いかと思うようになった。座布団あり。
1等和室 ・カーペットでなく本物の畳を敷いている約5畳の4人部屋だが、1等なのに窓がないのが残念。
・寝具はマットとシーツ付きの毛布。4人で寝るには足元がつかえて狭い感じ。
・室数がわずか4室と少ないので満席の場合が多い。
・以前は貸切不要だったのだが、いつのまにか定員以下では要貸切となっている。
特2等洋室 ・テレビ、窓付きの2段ベッドの8人部屋。ゆかた、スリッパ、案内冊子付き。
・寝台幅は80cmで寝具はシーツ付きの毛布。ベッドランプにコンセントあり。
・放送音量の調節可能。空調は天井のつまみで風量調整のみ可能。
・テレビは、相部屋の場合はチャンネル権や睡眠の問題もあるのでどうかと思う。
特2等和室 ・窓無しの6名定員のカーペット敷きの和室。テレビ、ゆかた、スリッパ、案内冊子付き。
・寝具は柔らかい枕、マット、シーツ付きの毛布。
・放送音量の調節可能。空調は天井のつまみで風量調整のみ可能。
・マットやじゅうたんに汚れが目立つが安いので納得できるか?
2等洋室 ・2段ベッドの16人又は24人部屋。寝具は毛布。
・ベッド間の間隔が狭くてかなり圧迫感がある。テレビがないのはむしろ良いと思う。
2 等 ・一般的な大部屋で自由席。枕、掛け毛布と敷き毛布がセットされており若干改善されていた。
※1等、特等には「禁煙ルーム」の設定あり個室の分煙も実施されている。(右舷側が禁煙となり半数にまで増加!)
特 等 1等洋室 1等和室
特2等洋室 特2等和室 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
エントランス
・案内所と売店が併設されており、21時30分〜4時30分は閉鎖。品揃えはさみしい。サンドイッチ400円、長期保存菓子パン150円、カップラーメン250円など。サ*ウのご飯専用の電子レンジあり。
・接客態度にやや難があって印象が悪い。
・案内所ではゆかた200円、シーツ100円のレンタルあり。貴重品の預かりあり。ヲタ向けには記念スタンプも。
・案内所の隣(旧公衆電話の場所)に喫煙コーナーが新設されていた。
・エントランスホールにはマッサージ機があり、1セット15分で300円。ひざ掛け毛布あり。
・早朝には特設のテーブルでホットコーヒー200円、おにぎり250円などを販売していた。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)400円、ビール(小)300円。ジュースが市価に値下げされていた。
・アルコール類の自販機は深夜時間帯は停止となる。(23〜5時)
・飲み物の他、冷凍食品、カップラーメン、アイスクリームも扱っている。
レストラン ・夕食はバイキング方式に変更され、30分短縮はされたものの、それでも20時00分までの長い営業時間が好感。1人1500円で90分制限との事だが、自主規制のような感じ。
・旧ブル**を彷彿させるような、冷凍食品のオンパレード。船としては値段が安いから仕方ないのかも知れないが、個人的には**しくなかった。(←あくまでも私個人の感想で、感じ方は個人によって差があります。)
・ソフトドリンクのグラスがどこかの他社のように一口サイズの紙コップではなく普通のコップだったのは良い。
・各テーブルには「只今席を外しています。片付けないで下さい」の札があるので、1人やグループで同時でも安心しておかわりに行ける。
・不正があったのか、出入口はレジ側のみに制限され、案内所側のドアは閉鎖されていた。
・時代の流れなのだが、全席禁煙に変更。はたしていつまで持つか?
・醤油とソースは各テーブルに配置。
・生ビールは自販機となり、500円。
・トラックドライバー様の御乗船が多い(曜日にもよる)ため、早い時間帯でも大声(「奇声」から表現を緩和しました。)が飛び交う安い居酒屋状態。家族連れや女性だけにはちょっと辛いかも?
・ドライバー様が長居するうえに、6人席が中心なので客数の割りに着席効率が悪くテーブルが不足気味。
・利用が少ないからか、朝食の営業はなくなっていた。(団体のみに営業の場合あり) 但し、エントランスでの軽食販売に対応してテーブル席を使えるように開放していた点は好感。
展望浴室 ・展望式だがあまり広くない。洗い場は12ヶ所だが窮屈。水圧と水温は普通。
・入口に監視カメラあり。
・乗船時から22時で閉鎖。22時は施錠する時刻で21時30分までに入ってくれとの事。以前よりも開放時間が縮小。早朝の開放なし。
・ボディーソープとリンスインシャンプー(馬油のもの)、固型せっけん備え付け。
・脱衣所には小さな100円玉返却式コインロッカーあり。ドライヤーが設置されていた。
・椅子が低く、溝のふたと微妙な位置関係となって不安定で滑りやすくて気になった。椅子については高いものも追加されていた。
シャワー
ルーム
・他に1等区画に「シャワールーム」もある。深夜0時〜4時30分は閉鎖される。女性用も含めて深夜0時に男性が閉鎖と確認に中へ入るとの事。女性用だけ女性従業員の就労体制に合わせて閉めた方がいいような気も・・・?
・ボディーソープとリンスインシャンプーの備え付けあり。(固型せっけんなし)
・あまり利用されていないようだが、浴室が混雑している場合は利用価値あるかと思う。
・さすがに古くなってきており、清潔感にやや欠けるかな。
ラウンジ ・フリースペースではなく、料理を予約して貸切でパーティ―などをやるスペースのようだ。以前、旅行会社が修学旅行の引率教師を接待するのに使われていたときにちらっと中が見えたことがある。
トイレ ・和式中心で洋式も併設。便座除菌クリーナーが設置されていた。
・エアータオル、ドライヤーあり。
ロッカー ・エントランスにコインロッカー(有料100円〜200円)あり。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみで妙な場所にある。(以前の電話ボックスが喫煙コーナーとなった為)
給湯・冷水 ・自販機コーナーの隣には給湯器と冷水器(普通の紙コップ付き)もある。
※スナックの営業はなくなっており、席は開放されていたので、持ち込みのドライバー様の宴会場となっていた。
エントランスホール 案内所・売店 テレビラウンジ
レストラン 旧スナック 展望浴室
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)1等の貸切料金無料のキャンペーンを実施している。4人部屋は2人以上なら、2人部屋なら1人でも貸切料金なしで占有しての予約が可能。驚いたのは1等2人部屋で予約していたのだが、その便は空室が多いからという事で、向こうからわざわざ窓付きの4人部屋に変更してくれた。貸切料金なしで予約できるのでも十分にありがたいのに、すいているから窓付きの広いお部屋にどうぞという姿勢は特筆に価する。上等級の利用率が低いようなので、1便限定でもいいので、特等にもキャンペーンが拡大されたらより嬉しいと思う。

(NEW)ポイントカード会員へポイント2倍のキャンペーンを実施している。高速道路割引対策で週末の割引運賃(25%)もあるのだが、併用は不可。ポイントカードの還元率が2倍になれば10%分となるので、会員なら目先の週末割引(25%)よりも、やや割高だが会員割引(20%)で乗船して、後で利用券を貰った方が少しだけお得かな。但し、貸切料金については週末割引は適用されるが、会員割引は適用不可と、ややおかしな面があるので、利用形態をよく検討してどちらを利用するか選択した方が良い。(子供運賃に会員割引が、貸切料金でも週末割引が適用されるのだから、インターネット割引や会員割引も適用しないと不公平だと感じる。改善をお願いしたいもの。)

(NEW)本船は早朝の入港となるのだが、下船時にわざわざ「船内に残る事はできません。」と放送案内していた。阪九フェリーの早朝入港便が船内休憩のサービスをやっているから念を押す意味もあるのだろう。この航路の場合、2便もある訳だから、早起きが嫌な人は2便を利用すればいいだけの話であって、わざわざ従業員の時間外勤務をやらせてまで船内休憩のサービスをやる必要はないと思う。中九州航路の大阪早朝入港便がなくなったので、大阪入港1番乗りの本船は、大阪下船後、遠くまで行く場合の利用価値は高いと思う。

(UP)新門司港は徒歩の場合アクセスが不便なので、門司駅および小倉駅と無料送迎バスを運行している。(門司駅のバス停が裏口に変更されているので注意!)ただし、このバス、学生のサークルや老人、某宗教団体のグループなど、中途半端な人数のグループとあたると最悪で、閑散期でも非常に混雑して辛い思いをする場合がある。ただ、この送迎バスの運転手、たいてい同じおじさんなのだが、発車前に客の方を向いて挨拶をしてくれ、大変気持ちが良い。バスの混雑による不快感を大幅に緩和してくれる。

昨年より、レストランが従来のカフェテリアからバイキング方式に変更され、スナックが廃止されていた。レストラン禁煙の件も含めて、お得意様であるドライバー様の利用状況にどう影響するかが気になるところ。バイキングの価格は関西〜九州航路のバイキングでは標準的な1500円だが、個人的にはあまり印象は良くなかった。(以前なら酒なしでの私の夕食予算は1000円強だった。) 冷凍バイキングになってしまって残念だというのが私の感想。

船内放送では、特に放送案内がない時でも消灯まで音楽を小音量で流し続けている。個室でテレビを見たり眠ったりするのにやや耳障りに感じた。かといって放送音量を切ると必要な放送が聞こえなくなる。一方、録音による放送案内は音量が小さく、聞こえ辛いかと思う。

インターネット予約が改善され、従来は特2等までしか利用できなかったのだが、阪九同様に1等以上にも拡大され、上等級でもインターネット予約割引が利用できるように改善されていた。ただ、予約の枠は別なようで、インターネットで×でも電話したらあっさりと取れることも。

燃料節約のための減速航行により平成19年10月からの早発に加え、平成20年10月からは、トラックの少ない週末、土曜日の上り1便と日曜日の下り1便を休航することになった。連休や繁忙期には変則もあるようなので、運航ダイヤには御注意を。それに伴ってか、従来はあまり配船の公表には積極的ではなかったこの会社だが、配船表をHPで公表したり、チラシを配布したりしている。

個室の禁煙室を増やしたり、レストランを完全禁煙としたり、禁煙化が加速しており、喫煙はエントランスの喫煙コーナーのみに制限される。(ドライバーサロン等は不明) 特にレストランの完全禁煙化は、他社でやってはみたものの、常連であるトラックドライバー様の強烈な苦情や売上減に負けて分煙にするのが傾向なので、果たしていつまで持つか疑問。

たまたまかも知れないし、個人差はあるかも知れないが、予約の電話応対が素晴らしく良かった。また、次も利用したくなるような気分になり、大変気持ちが良かった。

夕方早めの出港、早朝到着というダイヤなので、一般旅客の利用は2便に比べて少ないのだが、逆に朝の渋滞前に走行したいトラックドライバー様の利用がとても多い。(この傾向は阪九の1便も同じ) 船内の雰囲気はトラックドライバー様の存在感がとても強く独特となるので、家族連れや若い女性には辛いかも知れない。一般客はおまけだと割り切って利用しましょう。

「シティ―ラインカード」に入会して、入会金2000円を払うとその日から旅客・小型トラック以下の車両が2割引となる。つまり、1万円以上の運賃なら、二度と乗らなくてもお得になる。車両の人はは全て、旅客は1等以上なら該当する。さらに、なぜかオレンジフェリーが2割引、九四オレンジフェリーが1割引となる。但し、1年以上乗船しないと会員資格が抹消されるので注意。(正確には13ヶ月後の末日まで) めったに乗らない人には1週間前まで事前購入すれば2割引になる「早期購入割引」や「インターネット予約」の方がいいかと思う。

シティーラインカードが改良されており、従来は1000円未満のポイントは切捨てだったのだが、100円単位まで加算されるようになり、また徒歩の場合同行者へも割引対象がひろがるなど、利用者に有利なように改善されている。但し、レストランや売店など、後から申し出てのポイント加算はできなくなったそうなので注意。

尾道造船建造のフェリーの傾向どおり、本船でも振動が気になる。船首側の部屋ではそうでもないが・・・。

「ゆめ海道」という船内誌があるが、ただの観光案内で面白味に欠ける。観光のみでなく船旅の良さなどの記事も加えて船会社としての特色がほしいところ。阪九の船内誌「のんびりゆこうよ!」の方が興味ある内容だと思う。

関西と北九州を結ぶ航路として、並行する阪九フェリーに’比べて’みると関西側の発着港(大阪南港)の立地は良いが、船内設備に関しては最小限でやや物足りなさがある。単なる交通機関として便利さを選ぶなら名門大洋フェリー、船旅を楽しむなら阪九フェリーというふうに使い分けると良いと思う。

ターミナル窓口には船内での駐車に自信がない人は申し出るように大きな掲示があった。おそらく運転に慣れていない人が事故を起こしたからだと想像する。フェリーの車両甲板は暗く、狭く、怖いのが相場なので、運転の苦手な人を駐車しやすい場所に誘導するとかベテランの誘導員をつける配慮があれば初心者にとっては嬉しいもの。

案内所や展望浴室には緊急用連絡のインターホンがあるが、「事務員A」「B」「C」の3つのボタンがあり、どれかを押してくれとの事。何かあったら誰が起こされるか客が決めるという乗組員にとっては恐ろしいシステム?心理的には一番上の「A」が多いと想像するが。

浴室とトイレには「美化点検表」があり、イラスト付きの点検項目と時刻、担当者等が記載されていた。適当に作ったものでなく、しっかり印刷されたもので好印象。そういえば阪九フェリーにも似たようなものがあった。どちらが先に始めたのかは知らないが、よい取り組みかと思う。

乗用車の乗下船だが、乗船時はドライバーのみ。下船時は同乗者も同時下船OKだが、車両甲板は狭いので徒歩で降りてもいいよとの事。下船時に部屋から早く追い出して並ばせるような嫌がらせがなかったのは好感。
   船 室 構 成 合 計
特  等  洋室2名×4室 和洋室2名×2室 12名
1  等  洋室2名×8室 4名×2室 和洋室6名(2段ベッド4+小上がり2)×22室
 和室4名×4室
150名
特 2 等  洋室8名×12室 和室6名×4室 120名
2等洋室  洋室16名×3室 24名×2室 96名
2  等  大部屋 279名
ドライバー室  1段ベッド 73名
 更新履歴
H18.10.24 公室の写真追加
H19.10.07 船室の写真追加、他サービス体制の確認
H20.10.27 船内写真の一部を差し替え、他サービス体制の確認
H21.03.23 評価を2点に減点
H22.03.17 評価を3点に加点

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