さんふらわあ ごーるど/ぱーる (神戸〜大分)
 【株式会社 ダイヤモンドフェリー】
 評価:★
味気ない、走るカプセルホテル?


           さんふらわあ ごーるど
ダイヤモンドフェリーが就航させた久々の新造船なのだが、関西汽船との業務提携「フェリーさんふらわあ」となったため、長年親しまれたダイヤモンドとイルカの絵は消えて「さんふらわあ」の塗装となった。社旗のイルカも変更されている。「ごーるど」 「ぱーる」はダイヤモンドフェリー社設立時の船名から自称、公募により命名された。会社設立時の松山寄港はなくなり神戸〜大分直行便として運航されている。他社、他交通機関と同様に、この夏から新たに繁忙期運賃を設定している。

平成19年就航。総トン数11300トン。
(利用時期:平成22年10月)
 Cabin〜船室は快適か?
等級の呼称は従来と異なり、カタカナ表記となり、わかりにくくなった。
等 級  設備・感想など
デラックス ・ツインベッド、ソファーベッド、折畳み式のエキストラベッド。定員は2名、最大4名となり、3〜4人目にはエキストラ運賃(半額)が適用となる。
・バス、トイレ(温水便座、便座クリーナー付)、衛星デジタルテレビ、冷蔵庫が備わる。
・備品はナイトウェアー、使い捨てのスリッパ
、ドライヤー、ティッシュペーパー、茶器セット(電動ポット、お菓子、コーヒー、紅茶、緑茶)、紙おしぼり、バスタオル、サービスタオル、ハンドソープ、洗顔ソープ、ボディーウォッシャー、かみそり、歯ブラシ、美容液、レディースセット、くし、ハンドソープ、壁に据付のボディーソープとシャンプーとリンス。
・立派な船内の案内冊子があり。船旅系の雑誌を閲覧用に置いていた。
・ベッド幅は85cmと、
このクラスの部屋としては異常なほど狭すぎて寝苦しい。寝具は布団。幼児との添い寝はあまり考えない方が無難。
・放送音量の調節可能。空調は室温で設定でき、冷暖房の切り替えも可。
・シャワーの水圧は良くはない。バスタブの排水が詰まっているのか流れが悪かった。
・専用のベランダが付いているのだが、ただ外に出れるだけで舷側まで行けず、柵のむこうはさらにデッキが続くので海を間近に見る事ができないのは残念。しかも隣の部屋から柵を乗り越えたら簡単に入れそうで気味が悪い。
・就航当初は何を血迷ったのかソファーベッドまで正規定員に含めた3名定員として、ルームチャージ料金を課していた。あまりの苦情の多さにか、現在は2名定員に改善されているが、特筆に価する暴挙だと思う。
スタンダード ・衛星デジタルテレビ、洗面台付きの1名、2名、4名部屋。4名部屋のみ窓付きとなる。(2名部屋は両舷の最船首の部屋、計2部屋だけが窓付きとなるが、部屋の指定はできないとの事。)
・1名部屋には折畳み式のエキストラベッドが設置されているので、狭いが2名でも利用可。上段の折り畳み式のベッドの圧迫感が強く、余計なものを付けやがって!といった印象。
・1名、2名部屋は窓なしなので、携帯電話の電波はほとんど入らないので、非常に不便。
・4名部屋の相部屋承諾が廃止され、定員もしくはルームチャージでないと発売しないように
改悪された。
・4名部屋はよくある1等和洋室を狭くした感じで3人以上で入るとかなり窮屈。
・備品はスリッパ、ナイトウェアー、安物の歯ブラシとタオル、船内案内冊子。
・ベッド幅は80cmで寝具はキルトケット。掛けシーツあり。
・放送音量の調節可。空調の調節は可だが、集中管理中で冷暖房の切り替えは不可だった。
ツーリスト ・箱枕、マット、キルトケットがセットされた大部屋で指定席。テレビ、スリッパ、船内案内冊子あり。
・席の番号を掲示しているが、何故か「ベッド?番号」
ウイズペット
ルーム
・日本初!ペットを連れて入室でき、室内でゲージから「堂々と」出す事ができる個室。他の部屋から隔離された、展望浴場の船尾側に位置する。
・清掃のコスト負担の意味合いか、通常のスタンダード運賃の他、8千円もの利用料金が加算される。
・余程売れ行きが悪いのか、割安な企画を販売している。
ドライバー
ルーム
・スタンダードの1名部屋とほぼ同じ仕様(と思う)の、テレビ、洗面台付きのシングルルーム。
・ドライバー区画は3区画に分かれているので、トラックが少ないお盆や正月などは一般にスタンダードとしていつでも販売できるように工夫されている。
デラックス デラックス(浴室) スタンダード(4人部屋)
スタンダード(2人部屋) スタンダード(1人部屋) ツーリスト
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
ショップ
エントランス
・案内所は意外と小さい。すぐ隣がショップとなっているので1人の従業員でどちらも対応できる。
・放送はほとんど録音されたものを再生しており味気ない。消灯時の「睡眠灯?」って何?
・案内所のすぐ隣に貴重品のセーフティーボックス(暗証番号式)有。
・売店の前から船尾レストランに至るまで、プロムナードとしてソファーやテーブルが並んでいる。長いソファーもあるので、混雑時は寝床とする人も。
・マッサージ機は5分100円と15分200円のものがある。
・早朝に移動販売と称して客室区画をハンドマイクで売り歩いている。コーヒー200円、パン150円〜、ゆで卵70円など。その後は案内所で販売。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)300円、ビール(小)220円と適正価格に値下げ。船内各所に点在。
・アルコール自販機は23時で終了だが6時から再開されるので下船前にも買う事ができる。
・飲み物の他、冷凍食品、カップラーメンも扱っている。
レストラン ・従来はカフェテリア式だったのだが、バイキング方式に変更。夕食は1500円。朝食は800円。やや割安なシルバー料金の設定もあり。生ビールは自販機で500円、但しプラ製の使い捨てのコップで味気ない。
・ドライバー様は差額券での利用になるが利用はかなり少ないようだ。
・全席禁煙で、料理の持ち出しは不可は当然だが、酒類の持ち込みも禁止との事。
・調味料は1ヵ所に集中して配置しているので面倒。ドレッシングや醤油などは使い捨て式。
・提供されるメニューは見事に冷凍が多く、途中で出すものがコロコロと変わるのはどうかと思う。後半は露骨にメニューが減る。
・営業終了後は席の一部を朝までパブリックスペースとして開放している。
・繁忙期はイベント的に特別メニューが追加される事もある。
(※今回はレストランを利用しなかったため、内容は前回のままです。)
サロン ・レストランの隣に窓の無い小さな殺風景な小部屋があり、テレビ、テーブル席、水差し、紙コップ、電子レンジが用意されており、持ち込みの食事可。灰皿があり、喫煙可。
・ドライバー様の酒盛り会場となる場合が多く、女性や家族連れでは入りにくい可能性大。
・わかり易くいえば飲酒、喫煙の隔離部屋。
展望浴場 ・展望式。洗い場は8ヶ所。
・ボディーソープとリンスインシャンプー備え付け。
・脱衣所には100円玉返却式コインロッカー、ドライヤーあり。脱衣室内にもトイレがある。
・シャワーは水圧は弱く、プッシュ式でお湯がすぐ止まるので
かなりのストレスあり。
・前の船では航海中いつでも利用できたのだが、本船では夜間閉鎖される。早朝の利用は可。
シャワー室 ・浴場は深夜閉鎖となるが、シャワー室はいつでも利用可能。
・ボディーソープ、シャンプー、リンス有。(浴室とは異なっている。)
・水圧は良好なのだが、プッシュ式で勝手にお湯が止まるのでややストレスあり。
・シャワーがトイレと同じ場所にあるのでやや違和感を感じた。
トイレ ・洋式中心で和式も併設。洋式には便座クリーナー有。
・洗面所にはドライヤー有。また、利用者は滅多に居ないとは思うが男性用にもベビーベッド有。
ロッカー ・エントランスに100〜200円でコインロッカーあり。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。携帯が普及して利用が少ないのか1台のみ。
給湯・冷水 ・6階に給湯器、冷水器有り。サロンでは水差しでの冷水、紙コップのサービスがある。
分煙の状況 ・喫煙コーナーと喫煙可の個室を除き、禁煙。
・案内所左舷側の喫煙コーナーにはソファーもある。(上の階は椅子なし)
エントランスホール 案内所 プロムナード
レストラン サロン 展望浴場
 Infomation〜船内案内・感想など
(UP)今年の春頃からツーリスト利用者にだけ、翌日以降の乗船当日に空室がある場合にスタンダードを利用できる1ランクアップグレード券を配布していたのだが、相次ぐ期間延長により、もはや「バラマキ」状態となっている。ネットオークションや一部の金券ショップ等でも売買されており、わざわざ客単価を下げているとしか思えない。(当方も今回、用事があったのでネットオークションで数百円で入手して利用した。) 個室の快適さを体験させて次回からは個室を利用してもらおうという魂胆なのだろうが、低運賃の利用者にだけ、予約はできないものの3割引の実勢価格で2800円値下げにもなる美味しい券を配布しておきながら、それ以上の運賃で利用しているスタンダードやデラックス利用者には配布しないという、不公平でバランス感覚に欠けた企画は理解に苦しむ。

(UP)個室の貸切料金に瀬戸内海倶楽部などの割引が適用できない。この会社では誰でも利用できる割引を乱発していて、通常時期に定価で乗船する人はほとんど居ない。何の証明も要らずに申告だけで購入できる子供運賃へはそれらの割引が適用されるのに、貸切料金にはそれが適用されず、子供の実勢価格を上回るという極めて不公平な制度となっている。(合併したとはいえ、同じ会社の志布志航路には割引適用可で制度がバラバラ。) スタンダード1人部屋は、窓がなく携帯の電波が入らずに不便なのだが、他に1人で利用しやすい部屋がないせいか、人気が高くて予約が取り難い場合があり、1人で利用する人の部屋選択の幅を大幅に制約している。貸切料金を払って他の部屋も利用しやすくなるように、貸切料金にも割引を適用させ、子供の実勢価格と逆転しないように、納得して支払うことができるように改善して欲しいと思う。

(UP)スタンダード4人部屋の相部屋の可能性を承諾しての定員以下での利用ができなくなった。本当に相部屋となって何かトラブルが起きたか、1人部屋が空いていてもあえて窓付き4人部屋を指定する事情を熟知した客(オタ)を締め出す目的かと思われる。その代わりに、繁忙期以外は2人以上なら貸切料金を免除する企画を行っているのだが、1人での利用は禁止となり、部屋選択の幅が大幅に狭くなった。(1人部屋が満室だと2等は嫌だし、他の部屋は子供より高い貸切料金に納得できないから利用したくない) 確かに以前の4人部屋相部屋承諾で実質1人占有が、ばか正直に貸切料金を払った人や1人部屋を使っている人と比べると公平ではなかったし、あの部屋で本当に相部屋になるのはトラブル防止の観点から好ましくないと思うので、それと同じようにしてくれとまでは言わないが、通常時期は大人1人と子供1人の計2人で4人部屋を貸切利用できるのなら、それと支払い総額が同じになるように1人分の貸切料金(割引は適用)を払う事によって1人でも貸切利用できるように改善して欲しいと思う。(実利用を優先したいという考えもあるだろうから、場合によっては当日空室がある場合・・・のような制約が付いても仕方ないと思う。)

(UP)週末便を中心に船内での生演奏や出港時の紙テープ投げなどのちょっとしたイベントを行っている。また、出港後に船長による天候等の案内放送や、下船時の舷門における乗客の見送り(入港操船後、ブリッジから舷門へダッシュしていると想像する)等、旅客サービスの向上に取り組んでいる現場の前向きな姿勢を感じることができた。せっかくの良い取り組みが、まっすぐに乗客の満足へと繋がるように、上記で書いたような運賃料金制度の不具合を改善して欲しいと思う。私の出張や私用にとても便利な航路であるから、制度が改善されてより利用しやすくなることを切に希望する。

せっかくの新造船なのだが、室数確保のためにか個室の大部分を占める狭くて圧迫感の強いスタンダードを始め、写真映りは良いがベッドが異様に狭くて使い勝手の良くないデラックスなど、あまり快適とはいえない部屋ばかりがたくさん並んでいて、公共の場所にもくつろぐ場所が少なく、船旅を楽しむというより、単なる移動手段といった印象を受ける。(単なる移動手段であることは事実だが) 良く言えば堅実、悪く言えば味気ないといった感じ。狭い部屋に篭って1泊我慢するという感じの船旅となる。

高速道路値下げの影響で減便となり、ダイヤモンドフェリー1便で異なるニーズに対応するために苦肉の策として週末ダイヤを設定している。平日は早い出港〜早い入港とし、週末は遅めの出港〜遅めの入港としているので、ダイヤがわかりにくい。週末は「仕事が終わってからでもゆうゆう間に合う」とポスターにはあるが、このご時世、そんな恵まれた人はわずかだろうなと違和感を感じた。

平日下りの大分入港は5時50分と早朝ではあるが、7時20分まで船内に残ることができる。レストランや浴室も7時まで利用できる。(こちらの会社では船内待機と呼んでいる。) 但し、必ず事前の申告が必要で、車の場合は一旦下船する必要があるし、途中下船はできない。使い勝手としてはかなり制約がある感じ。しかも早朝から女性船員が船内を「移動販売」と称してコーヒー等を売り歩いたり、部屋の位置によっては油圧ポンプの音がよく聞こえるので睡眠はあまり期待できない。

ルームキーはカードキーとなり、陸上の窓口で手渡される。複数人数で乗船すると人数分発行される。客室のドアはホテルのようにオートロック式になるので締め出されないように注意。これによって船内案内所でのチェックイン業務が不要となった。乗船しても自分で部屋を探す感じとなり、わからない場合は客の方から乗組員に質問するケースが多くなったように感じる。(ガラガラの時に乗船して暇そうなときは声をかけてくれるが、多いときは・・・)

個室の空調は部屋毎に室温を設定できるもので、ぱっと見は良いのだが、実際使ってみると室温を設定しているのだが、冷房が止まったり運転したりを繰り返し、止まったら暑くなり、運転したら寒くなるの繰り返しで体調を壊すかと思った程。(スタンダードでの話。デラックスは別系統)

部屋のテレビでは現在の船位や速力が地図に表示されるのだが、備讃瀬戸航路の12ノット速力制限区間に入ると何故か「減速区間です」と船速が表示されなくなる。客に隠してもAISで備讃マーチスには監視されているはずなんだけど、その目的が不明。

外部デッキに出れるスペースがとても少なく、案内所前に船内図に色を塗って明示していた。夜間航海がほとんどなので仕方ないか。個室の外側のデッキは客が立入りできないように配慮がある。

色々とややこしい企画商品を乱発していて、どれが本当に安いのかよーく研究した方がいい。少人数で個室利用の企画に記載されている正規料金には無割引の貸切料金が入っているので比較するときは注意。プラン利用で最大67%OFFとの事だが、計算してみると、かなりレアなケースの場合だった。(嘘はついていないけどね)
   船 室 構 成 合 計
デラックス  洋室2(4)名×8室 16(32)名
スタンダード  洋室4名×38室  洋室2名×31室 洋室1(2)×27室 241(295)名
ツーリスト  和室14名×8室 16×2室 18名×7室 270名
ドライバールーム  洋室1名×30室 1(2)×66室 96(162)名
 更新履歴
H19.12.25 新規掲載
H20.04.03 ダイヤ改正、直行便就航による変更箇所の修正。一部船内写真を「SFぱーる」に差し替え。
H20.08.29 サービス体制の確認。船体写真を大分で撮影したものに差し替え。
H20.12.29 サービス体制の確認。感想を追加。混雑時期なので写真の差し替えなし。
H21.10.01 サービス体制の確認。
H22.05.03 評価を1点に減点。他、サービス体制の確認。
H22.06.19 感想をほぼ全文書き直し。スタンダード(1人部屋)、ツーリストの写真を差し替え。
H22.10.29 船体写真を差し替え、感想を加筆しました。

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