高木マニア堂

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286:クマと言えば玉川良一だろう 

ノンセクション2011年01月18日 09:00 | フォルダ : 

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       <2010年10月=東スポ携帯サイトより>

 ニホンオオカミが絶滅した今、日本国内で出くわす危険性のある野生動物
でもっとも危険な存在はクマだろう。

 ところが大昔の米国産アニメ「クマゴロー」や「くまのプーさん」、一連
の「リラックマ」グッズなどで、キャラクター化されたクマは実にかわいら
しい。クマほど現実とキャラクター化の落差が激しい動物はいない。

 現実問題。ある日、森の中でクマさんに出会って、追いかけられたりした
ら、たとえ小さなイヤリング(白い貝殻製)を拾ってもらったとしても、歌
なんぞ歌ってお礼している余裕はない…。

 猛暑の影響なのか? このところ全国各地で、餌を求めて人里や街中へと
降りてきてしまったクマのニュースを目にする。

 麻酔銃で眠らされたクマ、哀れ銃殺されてしまったクマの映像を見ている
と心が痛む…はずなのだが、対象がクマだと、どこかノンキな光景にも見え
てしまうから不思議だ。

 それどころか銃口や捕獲網に囲まれ、危機一髪となったクマから「オレだ
よ、玉川だよ。おい、止めてくれよ!」
という悲痛でマヌケな叫び声すら聞
こえてくる。いや勝手に脳内に響きわたってくる感じだ。

 それは往年の名番組「元祖どっきりカメラ」(日本テレビ系=昭和49年~)
で、長きにわたり「熊どっきり」に出演し続けた玉川良一さん(1992年に死
去)の影響だろう。

 番組中、クマの着ぐるみに入った玉川さんは、山中のハイキングコースや
雪中の露天風呂などに潜み、突如、人々の前に現れて驚かせるという役どこ
ろ。

 ところが、たちまち猟銃を手にした地元の猟友会メンバーなどに取り囲ま
れ、銃口を突きつけられ、クマの中から玉川さんが「オレだよ、玉川だよ」
と反対に狼狽しまくるというオチ。まさに「ダマしたつもりがチョイとダマ
された」というどっきりだった。

「クマの中身=玉川良一」という印象があまりに強いため、その後、動物園
などで本物のクマを見ても、映画「地上最強のカラテ PART2」(昭和
51年・三協映画)で空手家のウィリー・ウィリアムスと戦うクマを見ても、
すべて「どうせ中身は玉川良一なんだろう」と脳内処理してしまう悪いクセ
が染みついてしまっている。

 いったい、どういう経緯で玉川さんがクマの着ぐるみの中に入ることにな
ったのか? は知らない。

 だが、あのクマ仕事。ほかの誰が演じたとしても、あれほどまでに、面白
おかしい映像にはならなかった気がする。

「ひどい目に遭う」ことを本職とするリアクション芸人ではオチが読めてし
まうし、この人選は想像以上に難しい。

 21世紀、玉川さんが遺した〝クマ芸〟は誰にも継承されていない。ぜひ誰
かに継承して欲しいものだ。

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