THIS WEEK 政治
年明け訪米を計画するも断念 自民・谷垣総裁の寂しいお正月
(週刊文春 2011年1月13日新春特別号掲載) 2011年1月10日(月)配信
迷走を重ねる民主党政権の体たらくに「今年こそは」と意気上がる自民党。ところが肝心の谷垣禎一総裁は「衆院解散・総選挙に追い込む」と繰り返すばかりで、いっこうに見せ場がない。
世論調査の「首相候補」では同じ自民党の石破茂政調会長や石原伸晃幹事長、はては新人の小泉進次郎衆院議員の後塵まで拝している。こうした現状を意識して、谷垣氏は今月十一日からアメリカへ行き、「日米同盟、外交は自民党に任せて」と華々しく打ち上げる計画を立てていた。
ところが国外、国内ともに障害に阻まれ、あえなくボツになってしまった。
外交筋が首を傾げる。
「米政府が外国の野党、ましてや政争の最中にある国の野党と会うことなどあり得ません。一体、誰と会おうとしていたのでしょうか。谷垣氏は最近、各国の駐日大使から『政局の状況を聞かせてほしい』と依頼されることが多く、気をよくしていたといいますが、あまりにも外交センスがない」
国内問題はもっと重大だ。年明け早々、通常国会の召集までに、小沢一郎元代表の政治倫理審査会への出席問題が片付くのか、内閣改造はあるのか、など重要課題が目白押し。自民党内で訪米計画が伝わると、「この大事な時期に指揮官が外遊とは、とんでもない」との批判が噴出。これに谷垣氏もアッサリ「政権側の出方も目が離せない」と訪米を断念した。
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