2011年1月15日18時59分
菅内閣の大番頭だった仙谷由人前官房長官が民主党の代表代行に移り、党の立場から内閣を支えてきた岡田克也幹事長と執行部内で「同居」することになった。菅直人首相の両腕である2人には「脱小沢」への姿勢や野党との向き合い方に違いもある。どちらが司令塔になるのか。あつれきを心配する声も出ている。
小沢一郎元代表の影響力を排除する「脱小沢」で足並みをそろえてきた2人だが、小沢氏の強制起訴が迫る中、小沢問題に対する姿勢の食い違いがはっきりしてきた。
「脱小沢」の急先鋒(きゅうせんぽう)である仙谷氏は「大政局になってもそれはそれでよい」と割り切り、党内の親小沢派の反発も意に介さずに、強硬姿勢を日増しに強めている。
元日に放送されたテレビ番組では「強制起訴を受け、野党は議員辞職勧告決議案を出すのか」と、小沢氏への辞職勧告決議案に言及。年末の別の番組では過去に起訴された民主党議員が離党した例を引き、「そうした前例を含めて考えなければならないだろう」と述べ、小沢氏の離党論を展開した。
野党には「小沢氏抜きの民主党なら連携可能」との声もある。消費増税を結節点とした与野党連携を視野に、消費増税に慎重な小沢氏を今のうちに党外へ追いやる狙いがあるとの見方もある。
一方、原理主義者といわれる岡田氏は、小沢氏に「政治とカネ」の問題で一定のけじめをつけてもらうことを最優先しているようだ。幹事長として党内融和を保ちたいとの思いもあり、小沢氏を追い込み過ぎることには慎重だ。
岡田氏は9日のテレビ番組で「小沢さんにきちんと説明して欲しいということで、疑惑が晴らされればそれで終わる話」と語った。首相が4日の年頭会見で「政治家としての出処進退を明らかにするべきだ」と述べ、強制起訴の際には小沢氏に議員辞職や離党を検討するよう促したときも、岡田氏は即座に「首相は『出処進退』と言っただけで、離党しろなどと言っていない」と火消しに走った。