憂楽帳

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憂楽帳:同窓会に思う

 今年早々、大学の同窓会に顔を出した。当時からモテていたA君の「今? 結婚している状態」という微妙な発言に、女子一同が「同せい中?」「離婚調停中かしら」などと大騒ぎに。

 A君のモテっぷりはともかく、男性は結婚や離婚、再婚をしても、姓が変わることがほとんどない。一方、女性は改姓することが多く、プライバシーが半ば強制的に公開されてしまう。

 同窓会開催のための連絡先探しでも気になることがあった。ネット時代、意外と検索などで消息の手がかりがつかめるのだが、人知れず改姓しているとお手上げだ。夫婦同姓の現行制度は、女性のキャリア形成に不利と指摘されてきたが、社会的なつながりを保つのにも不便だと改めて実感した。

 法制審議会は15年も前に選択的夫婦別姓導入を答申したが、実現していない。自民党は導入反対だから、菅民主党が導入すれば<我々が社会を変える>という強いメッセージになると思う。それに「うちは同姓」「当然別姓だ」などと同窓会も盛り上がる。無論「A君は?」の質問でも。【太田阿利佐】

毎日新聞 2011年1月18日 東京夕刊

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