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【社会】

「再三の苦情で不眠症に」 女性教諭が保護者提訴

2011年1月18日 夕刊

 埼玉県内の市立小学校の女性教諭が、担任している女子児童の親から再三の嫌がらせを受けて不眠症になったとして、慰謝料五百万円を求める訴訟をさいたま地裁熊谷支部に起こしたことが、関係者への取材で分かった。

 訴状などによると、昨年六月、女子児童とほかの女子児童の間でトラブルがあり、教諭が解決のためクラスで話をしたところ、その日の夕方、母親から「相手が悪いのに娘を謝らせようとした」などと非難する電話があった。

 その後、七月中旬まで八回にわたり連絡帳に、「先生には人間関係を円滑にする能力も著しく劣っている」「自分の感情で不公平なことをして子どもを傷付けている」などと書き込まれた。また、県教委や人権擁護委員会、文科省にも教諭を非難する文書を送ったり口頭で伝えたりしたという。

 また、市教委を仲介役に、学校・教諭側と保護者側で話し合う場を設定したが、保護者側が拒否。九月には、給食の片付けを指導するため女性教諭が女子児童の背中に二回触れたところ、両親は警察に暴行容疑で被害届を提出したという。

 訴えでは、一連の苦情への対応で、女性教諭は不眠症に陥ったと主張している。

 学校側は取材に対し「管理職不在で話せない」としているが、市教委への説明で「モンスターペアレンツに学校や教師が負けないようにし、教諭が教員を代表して訴訟を行っていると受け止めている」という文書を提出しているという。

 市教委は「裁判中なのでコメントできない」としている。

 

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