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最終更新:2011年1月18日(火) 18時27分

教師が保護者提訴“クレームで不眠症”

 教師が保護者を、異例の提訴です。埼玉県の小学校教諭が再三にわたるクレームで不眠症に陥ったなどとして、自分が担任する女子児童の両親を訴えていたことがわかりました。

 「教育界にとっては“前代未聞”。非常に驚きました」(教育評論家・尾木直樹さん)

 「教師が親を訴える」という前代未聞の事態。それは、埼玉県行田市で起きました。提訴したのは、市立小学校で3年生を担任する45歳の女性教諭です。訴状などによりますと女性教諭は、去年6月、児童同士のけんかをきっかけに女子児童の母親から「相手が悪いのに自分の子に謝らせようとした」などと非難されるようになり、それ以降、連絡帳などで「最低な先生だ」などと再三にわたってクレームをつけられたほか、児童を注意しようと背中を「2度軽く触れた」ところ「強く叩かれた」として警察に被害を訴えられたといいます。

 こうしたことが原因で、女性教諭は不眠症に陥り、「教員生活の継続に重大な支障を生じさせられた」として児童の両親を相手取り慰謝料500万円を求める訴えを起こしたのです。

 「学校の先生なんだからサンドバッグみたいに何をやられても受け止めるだけと、トントンとやられたのを『暴行を受けた』と警察に(訴えを)出すというのは、そもそもあり得る事態ではない」(提訴した女性教諭の弁護士)

 訴えられた母親は・・・

(Q.提訴について?)
 「それについては脅しだと思っています。お互い様というか・・・、あちらの先生は精神的不眠症かもしれないが、うちの場合は実際に(連絡帳に)書いて本当に眠れなくて、現実的不眠症」(訴えられた母親)

 学校側は、教諭が、一保護者を提訴したことについて「モンスターペアレンツに学校や教師が負けないようにしたい」との文書を教育委員会に提出しています。

 「(娘は授業で) 一番最初に手を挙げるのが好きだったんですけど、この日は一番最初に手を挙げてもさしてくれなかった。(先生には)自分を見直してもらって 普通にやっていただければよかっ。 今まで積んできたキャリアもあるし・・・」(訴えられた母親)

 一方、訴えられた両親は「学校側が私たちをモンスターペアレンツに仕立てあげている」と反論、言い分は食い違ったままです。

 「一番考えてほしかったのは子どもがどうなるんだろうということ。お母さんと先生が裁判で争い始めた。こんなのたまらないですよね?教育問題で勝ち負けはない。理解しあうということ」(教育評論家・尾木直樹さん)
(18日16:59)

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