広島市が筆頭株主として紙屋町地下街シャレオ(中区)を運営する第三セクターの広島地下街開発が、資本金を127億円から1億円に減額することが17日、分かった。外形標準課税の課税対象にならないよう資本金を1億円以下に減資し、年約2500万円の節税を図るのが目的。2月の株主総会で提案する。
同社は2009年度決算で累積赤字が191億4200万円に拡大。今回の126億円の減額分は赤字の穴埋めに充てられ、累積赤字は帳簿上、65億4200万円に圧縮される。株式を43・3%保有する市は「減資をしても株式数や持ち株比率は変わらず、株主の権利に影響はない」と説明。11・8%保有する県も同意する見込みだ。
一般的に企業は、資本金などで構成する自己資本が総資産に占める割合が高いほど資本構成が安定し、経営の安全度が高まるとされる。一方で、04年度に法人事業税に外形標準課税が導入された後は、資本金を非課税となる1億円以下に減額し節税をする企業が多くみられる。
広島地下街開発は01年のシャレオ開業以来、テナント離れが後を絶たず空き店舗対策に苦慮している。05年9月中間決算で会計基準の変更により64億3千万円の債務超過に転落。市は上限173億円の損失補償や貸付金利の大幅引き下げで支援している。前田恭男常務は「資本金減額は財務改善策の一環だが、抜本的対策ではないので経営改善に努めたい」としている。
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