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92歳遅咲きの春 都内1世が3月に夜間中卒業(04.2.18)
苦労乗り越え夢かなえる

 東京・墨田区立文花中学校に設置された「夜間学級」に通う在日韓国人1世が今春、晴れて同校を卒業する。2月が誕生日のため、卒業時の年齢は93歳になる。これだけ高齢の卒業生を送り出すのは同校としても初めて。卒業後も2年間は同校に聴講生として通うという。

 この卒業生は区内在住の河辛学さん(92)。毎日学校に通学し、勉強できる楽しさを心から満喫してきた。5年がたち、もうすぐ卒業しなければならないと知ったときは思わず涙を流したほど。

 河さんは済州道生まれ。両親の期待を背負って小学校に入学することができたが、戦争と貧困のため学校に通えたのは4年間だけ。河さんの向学心は不完全燃焼のままくすぶり続けた。

 47年、密航で渡日。間もなく韓国戦争が勃発して帰るに帰れず、意に反して大阪での定住生活が続いた。生きるためには廃品回収、一杯飯やと「いろんなことをやってきた」。東京に移って焼き肉店を開業してから生活が軌道に乗り、5人の子どもを育て上げた。

 気がついてみると家には夫人(76)と2人だけが残された。ぽっかり空いた心の隙間を埋めてくれたのが夜間学級だった。

 一緒に入学した夫人は体調がすぐれず中途で退学したが、河さんは勉強したい一心から毎日、公営プールに通うなど健康管理に努めてきた。

 好きな科目は地理と歴史。夜間学級に通うようになってからは日本語の語彙も増え、新聞を読んだりテレビを見るのがこれまで以上に楽しくなったという。

 河さんを受け持つ須田登美雄教諭は「90歳を過ぎても勉強したいという意欲は、年配の人に勇気を与えてくれる」と語った。また、旧文花中学で自主的な学習会「えんぴつの会」を主宰している見城慶和教諭は「苦労をいっぱいしたのは分厚い手を見てわかる。なのにそれを感じさせない」と評している。

 河さんのように学習意欲が旺盛であれば、夜間学級卒業後も2年間は聴講生として学校に残れることになっている。河さんはこの規定を利用、引き続き勉強を続けたいと意欲を燃やしている。

■□
夜間中学とは

 戦後の混乱期、47年に大阪から始まった。55年に生徒数5000人を超えたが、徐々に減少傾向をたどっている。日本の植民地施策に伴う貧困のため学校に通えなかった在日韓国人1世や中国からの帰国者、難民、国際結婚で定住するようになった外国人生徒も多い。全国に35校ある。

(2004.2.18 民団新聞)
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