陸上:目標達成のためには年末年始も休日もなし(下)

8月の世界選手権で飛躍を目指す陸上競技韓国代表

 キム・ヒョク・コーチは、「最近の練習では何度か自己ベストを上回る記録も出ている」と評価しており、キム・ドクヒョンも、「世界陸上という大きな舞台が近づいている。アジア大会以上に欲が出てきた」と意欲を語った。

 アジア大会女子走り幅跳びで金メダルを獲得したチョン・スンオクも、2月からは短距離選手たちと共に香港とタイでの合宿に参加し、スピードアップを目指したい考えだ。

 短距離選手たちは400メートルリレーの練習に力を入れている。直線とコーナーの双方で力を発揮しなければならないリレー種目は、前後の走者とタイミングを合わせ正確にバトンの受け渡しを行なければならない。これが勝敗を分けるカギとなるからだ。

 選手同士の呼吸、走る順番などの作戦がピッタリと合えば、予想以上の成績を収めることも夢ではない。日本は2008年の北京五輪男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した。

 短距離のオ・セジン・コーチは、「リレーに強いタイの代表と2月から合同で合宿を行い、チームワークを高めて出場するメンバー4人を選ぶ予定だ。韓国短距離界の歴史を書き換えるという覚悟で、選手たちは意欲的に練習に取り組んでいる」と述べた。

■10人の選手が10位以内に入ることが目標

 韓国の目標は「10・10」だ。10人の選手が10位以内に入るという意味だ。陸上連盟のオ・ドンジン会長が外国人コーチを迎え入れ、海外での合宿を積極的に行っている理由も、この目標を達成しなければ韓国陸上界に未来はない、という危機意識があるからだ。

 陸上連盟は代表チームが2月まで行う冬季合宿に3億ウォン(約2200万円)の予算を確保した。しかし世界とのレベルの差はやはり大きい。短距離のキム・グクヨン、三段跳びのキム・ドクヒョン、マラソンのチ・ヨンジュン、女子走り幅跳びのチョン・スンオクらが保持する各種目の韓国記録は、世界記録とは比べものにならない。

 ベルリンの世界陸上にも韓国から19人の選手が出場したが、全員が予選で脱落した。このままでは自国開催の世界陸上が韓国陸上界のルネサンスどころか、暗黒時代の始まりにさえなりかねない。

 幸いなことに、広州アジア大会では金メダル4、銀3、銅3を獲得し、1986年のソウル大会以来最高の成績を収めた。これが新年を迎えた韓国陸上にとって大きな希望となっている。

 選手たちもアジア大会での成功で自信を取り戻した。ムン総監督は、「これまで国際舞台で続いた韓国陸上の敗北意識は、広州のアジア大会で解消された」と前向きだ。

丁世暎(チョン・セヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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