2010.11.05 Friday
びんびんさんって本当に「病名:アスペルガー症候群」なの?
※拙ブログに対してびんびんさんからコメントがきて、「診断書はある」ということです。(診断書を見たことがありませんで)当方が強い思いこみで書いたエントリに対して、お忙しいびんびんさんから、ご回答いただきどうもありがとうございました。
※2:当方が”びんびんさんには診断書は無い”と書いた部分に関しては当方の誤解ですが(陳謝)、やはり「主たる精神障害」は気分障害である、という医師の所見に関してはうなづける部分があります。基本的に2本のエントリに関して、当方が言いたいことは診断書の有無に関係する部分・関係しない部分も、そのまま削除したりしないで残してあります。
※3:ブログにアップロードされたびんびん氏母娘の診断書は拝察しましたが、びんびんさんのご主人の診断書がちょっと確認できませんでした。「夫もわたしと同じ程度のアスペルガーだと診断されている」ということですが、何の程度が同じなのか?理解できません。「純度が高い」アスペルガーってどういうアスペルガーであるのか?、”夫が同じ程度のアスペルガ”ーと医師に言われたということですが、何の程度が同じなのか?、そういう説明を医師は他の発達障害者に対してもしているものなのか?(わたしはされたことありませんが・・・)、一部、誤解と混乱を招く表現だと考えますので、びんびん氏がお時間のあるときにでも講義していただきたいです。
Googleで「アスペルガー症候群 ブログ」というキーワードで検索すると・・・・
輝かしい検索第1位にくるのがあの有名なブロガーさんなのだが、“ぐぐって1位”“日本ブログ村「アスペルガー症候群」人気ブログランキング1位”というのはまさに
「日本を代表するアスペルガー症候群当事者のブログ」
「アスペルガー症候群のアルファブロガー」
名実ともに「日本一有名なアスペルガー症候群当事者のブログ」
であろう。当事者サイドのオピニオンリーダーと呼んでも過言ではない。しかし・・・googleの検索結果で、このブロガーさんがご自身のことを「純度の高いアスペルガー」と自己紹介されているのを見て首をひねってしまった。「純度が高い」アスペルガーって、いったいなんですかぁ〜?!(まぢどういう意味?)このブロガーにしてみれば、「自分が好きなようにブログを書いて何が悪いの!変ないちゃもんをつけてこないで!」って感じかもしれないけど、世間の多数派(何も知らない普通の人たち)はこの人のブログを読んで「ふ〜ん、アスペルガー症候群ってこういう人なんだ」と思うだろうし、社会的影響力の大きいブログだし(「ぐぐって1位」)、当事者なら日本一有名なブログは読んでるだろう。
ただ、(1)広汎性発達障害(アスペルガー症候群)は重度障害であり、その当事者の私から見て不審な点が多すぎることと、(2)(病気に限らないが)有名なブログは社会に与える影響が大きいという点からこのエントリを立てたなり。わたしはこの人が本当にアスペルガー症候群なのか?どうかかなり気になるのである。わたしは最初っから「この人はあやしい」と思っていた。びんびんさんは「知的にギフティッド」なのかもしれないが、「アスペルガー症候群」(=社会性に問題ありすぎな孤独な人)と言えるのかどうか。
なんで真性・アスペルガー症候群なのに「友だちがいっぱいいる」のか?(この1行で偽アスペルガー疑惑確定)、「ASにインストラクター業務が勤まるんですか?」とか、「自分の家族も自分と同じ程度のアスペルガーと医師に言われた」って何の程度が同じ程度なんですか?とか、この人のブログは読めば読むほどあやしいのである。単刀直入に、「同じ程度のアスペルガー」「純度が高いアスペルガー」という表現を使用する医師がいるとは思えない(わたしは初診が3歳ぐらいでそれ以来、児童精神科医とか小児科医とか精神科医とか臨床心理士とか発達障害専門医とかいろいろお世話になったが、「同じ程度のアスペルガー」「純度が高いアスペルガー」という表現を使う医師はひとりもいなかった)。
いま国際的に使用されている「アスペルガー症候群」の診断基準(ICDとかDSM)って5つぐらいあったと思うが、びんびん氏はそのいずれにもあてはまらないから、「友だちがいっぱいい」て、「高校を卒業できて」、「大学を卒業できて」、「結婚できて」、「ママ友ともトラブらないで楽しく交流できて」、「出産後、子供が小さいのに理解ある職場で働く」ことができて、「職場でトラブって訴訟になったりした経験もなく」、「かっこいい人聞きのよい職種につけて」(清掃夫でなく)、「インストラクター業務」がつとまるんじゃない?
「病名:広汎性発達障害」で社会保険庁の裁定医の裁定を得たわたしは、この人のブログ読んでいると、頭の中がウニになってくる。同じアスペルガー症候群の女性でも、ここまで何でもこなせる人もこの国にいるのである。わたしがこの人のように自在に自分の人生を切り開けないのは、わたしが努力していないからなのではないか?わたしの心がねじまがっているからではないか?比較地獄に落ちてものすごく悩むんですよね・・・。しかし、しばらくしてから気がついた。このヒト、本当はアスペルガーとは言えないんじゃない?
ところで、この日本一有名なASブロガーの診断書を見たことがないんですが。いや、知能検査の結果とか通知表とかは拝察しましたけど(診断書が無いからそういう結果を公表してる?)。もしかしたらもしかして、この人は診断書の上では単に「うつ:気分障害」の患者ではないのか?という疑念がよぎるのだが・・・(憶測なので事実誤認でしたらすみません)。あの、診断書の上で「うつ:気分障害」だけなのなら、その患者さんが苦しんでいるのは、「うつ:気分障害」「双極性」がメインっていう認識なんですが(少なくともこのあたりでは)。医師は「発達障害」がメインなら「発達障害」と診断書に書くって。
診断書上で「うつ:気分障害」の人は「うつ:気分障害」だけの患者さんではないかと思う。あくまで医師から見て、医学的な見地から「特記するほどの症状ではない」と判断しているから「病名:発達障害」と書かないのだと思うし(特記すべき症状、たとえば誰が見ても「統失」なら、かならず医師はその病名で診断書を作る)、発達障害のほうが気分障害よりも重大な事実で、いろんな関係機関に通知しておく必要があると医師が判断すれば、通院歴が長ければ必ずそういう診断書が出る。それが「無い」人は、基本的には「発達障害ではない」、事実上の定型発達である。
“友だちもいっぱいいる”(診断書みたことない)ブロガーが「純度が高い」アスペルガー症候群で、“友だちゼロ”(で社会保険庁が裁定を下した診断書付きブロガーの)わたしはアスペルガーの「純度が低」かったりしたら、それはそれで楽しい。日本一有名な「アスペルガー症候群」のブロガーが実は医学的に「アスペルガー症候群」とは言えなかったらそれはそれでもっと楽しい。これって、「○○学者が書いているブログ・人気ランキング」の第1位のブログに行ってみたら、そのブロガーが○○学者じゃなかった(学位すらない)、風に楽しいのである。
びんびんさんのブログについて、率直な感想を述べれば、『ギフティッド』カテゴリを作って、そこでブログを書き続けたほうがいいんじゃない?というものである。そういうことを印象づけようとしているのはわかるが(ご自分の理工系の才能とか)、高い知能と、現実にPDDと診断される「障害者」たちにはあまり相関がない。びんびんさんは、別に超孤独でも社会性が欠如した人間でもないし。現実に医療機関でアスペルガー症候群?と診断されるタイプの人と、今のびんびんさんにはかなりの落差があり、ある種の誤解を発信しているようにしか見えない。
なんか「知能検査の結果、積木が○○で、知識は○○で、これって典型的なアスペルガーの証拠だよねっ」とかなんとか、勝手に診断基準を捏造する自称アスペルガーってものすごく多いけど、そんな診断基準どこにも書いてありませんが、の世界。あの、日本で一番、権威のある診断書っていうのは、灯台病院の診断書じゃなくて、社会保険庁の裁定医の年金裁定通知ですからね。
それにしても「純度が高い」統失とか、「純度が高い」てんかんとか、「純度が低い」鬱病とか、そういう患者さんがいたらちょっと会ってみたいよな。

コメント
やはり”医師が診断書を書く”って大変なことだと思う。刑事事件などでは医師が書く「病名」が量刑に影響する可能性もあるし。ブロガーが好きな病気を騙っても罪にならないけど、医師が偽の病名を書けば公文書偽造に問われる。”診断書が無い”、のは、”その病気は無い”、のと同じでは。
| piles of debris | 2010/11/03 11:55 AM |
同感です。多数派がASを誤解するのは元より、私自身もびんびんさんと自分を比べて、どん底気分を味わっていました。この記事を読んでちょっと気が楽になりました。
| k | 2010/11/03 9:31 PM |
アスペなのに子どもを産んで育てている人がいるというのが、私には何より不思議に思えます。
すごすぎる!自分には絶対無理!!って思います。
| のほほん丸 | 2010/11/04 12:50 AM |
コメントありがとうございます。
>同感です。多数派がASを誤解するのは元より、私自身もびんびんさんと自分を比べて、どん底気分を味わっていました。この記事を読んでちょっと気が楽になりました。
どうしても比較地獄に落ちてしまいますよね。
結婚どころか就労どころか、将来的にひとりで本当にやっていけるのか・・?を考えると目の前が真っ暗になってしまう診断書付PDDとしては。
| piles of debris@kさんへ | 2010/11/04 8:16 AM |
のほほん丸さん、コメントどうもありがとうございます。
>アスペなのに子どもを産んで育てている人がいるというのが、私には何より不思議に思えます。すごすぎる!自分には絶対無理!!って思います。
びんびんさんの場合は恋愛結婚されている(少なくとも婚活サービスとかで無理やり結婚させられたケースではない)ですし。
あの方のブログを読んでいると、なんか「視覚障害1級のはずなのに自転車をひとりで華麗に乗りこなしているなんでっ?!」って感じなんですね。
| piles of debris@のほほん丸さんへ | 2010/11/04 8:19 AM |
こんばんは☆
気付かなくて、すみませんでした。
あの… 私の障がい者手帳申請書類、ご覧になりたいかしら…
よろしかったら、どうぞです☆
|
ぴんぴん | 2010/11/04 11:52 PM |
鬱病じゃないのに鬱病を自称する人も多いですからね。
悪意は無いのだと思いますが、「悲劇のヒロイン」みたいにちょっと酔ってるのかも。
そういう感覚は本物の発達障害者には無いでしょう。
できるなら障害をただ直すだけでなく、記憶からも完全に抹消したいくらいかと。
| 牛 | 2010/11/05 12:16 AM |
(実はわたしも先生業に憧れて、何度も何度もカテキョーや塾の先生にチャレンジしたけど全滅。生徒にどうしても好かれないし、他人と目を見て離せないし、生徒の表情の意味がわからんので、自分ひとりでつっぱしってしまうし。全部のアスペルガーがそうだ、と言う気はないが、労働局で「発達障害の人はインストラクター業務は不適格です」と言われたし、「ASと就労」という趣旨の本を読むと向かない職業の筆頭に先生業が載っている)
| piles of debris | 2010/11/05 6:40 AM |
はじめまして。
私がPDD-NOSの確定診断を受けたクリニックはぴんぴんさんと同じ所です。
(ぴんぴんさんとは面識がありませんが、間違いなさそうです。)
脳波が決め手でした。
医師は「進学校によくいるタイプの発達障害」と仰いました。
特に数学物理系に多い雰囲気の特定を私も持っているそうです。
このタイプはどんな場合でも困難があるとは限りません。
条件が許せば困難なく生きていけるそうです。
知能テストはばらつきがあるものの、全項目が平均以上。
境界域の方とは困る内容は違うんだと思います。
私は大学の「学部しか」卒業していませんが、
高校の同級生のアスペさんたちは博士課程まで進んでいますし、
アスペルガーが大学を卒業できないなんて思えません。
大学卒業後は職業訓練校で講師をしていました。
同じ発達障害でも正反対の適性を言われている当事者もあるようですし、
自分と違うから違うという決め付けこそ危険だと思います。
|
MIKI | 2010/11/05 3:16 PM |
むしろ、大学ってアスペの人にとって中学高校よりも行きやすい場所かも知れません。
引きこもりでも大学行ける人は珍しくないですから。
| 牛 | 2010/11/07 1:22 PM |
完全に出遅れた感がありますが。。。
私も、社会的に恵まれすぎたアスペの人ってイヤです。
嘘くさいし、アスペ名乗る必要ないだろうって思います。
それにやっぱり、
アスペって才能あるのねとか思われたら困る。
私自身は2年ほど前に確定診断を受けた、
アスペルガーの者です。
IQは普通です(言語129/動作58だから偏ってはいる)。
私もYahoo!でブログ持っていますが
とてもじゃないけど公開できる内容ではないので
私が承認した人のみ読める設定にしております。
| kujiramaku | 2010/11/09 11:43 AM |
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