男性の代理人らによると、和解条項には、同社が「職場環境の整備・改善に留意する」との文言も盛り込まれた。
訴状によると男性は1999年11月、うつ病を発症。当時、取引先や社内のパソコン機器の保守点検、印刷業務など複数の役職を兼務し、発症まで7カ月間の時間外労働は1カ月104~138時間に上った。男性は2003年4月に解雇され、06年に労災認定され療養・休業補償給付金の支給決定を受けた。その後も心療内科に通い「就労不能」と診断された。
男性は09年9月に提訴し、将来の逸失利益や慰謝料など約9600万円を請求し「うつ病発症から解雇までの間、上司に休職を求めたが休職させてもらえなかった」と主張。地裁が昨年12月、2500万円での和解を提案した。
男性の代理人は「過労死や自殺に至っていないケースでは最高水準の金額で、画期的な和解」と評価。同社は「提案された金額が許容範囲であり、早期解決できるため和解に応じた」と話している。
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