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東京都青少年育成条例改正の是非 都議会公明党幹事長vs.松本零士氏 (1/2)

「表紙だけ見ると普通の少女向けの漫画のように見えるが、非常にハードな性描写を含んだ作品が増えている」「誰が青少年を不幸にしようと思って漫画やアニメを描くというのだろうか」──都青少年育成条例改正をめぐる、都議会公明党幹事長と松本零士氏の見解。
2011年01月14日 17時05分 更新

 過激な性描写のある漫画などの子供への販売を規制する東京都の青少年健全育成条例改正案が、昨年12月の都議会で可決・成立した。改正条例をめぐっては反発を強める出版社が、3月開催の東京国際アニメフェア(実行委員長・石原慎太郎都知事)への参加を拒否するなど、波紋が広がっている。改正条例の是非について、賛成した都議会公明党幹事長の中嶋義雄氏と、反対の声を上げる日本漫画家協会常務理事で漫画家の松本零士氏に、それぞれの見解を聞いた。

中嶋義雄氏 表現の自由侵害しない あくまでも販売規制

photo 中嶋義雄・都議会公明党幹事長

 ――改正条例に反対意見は多い

 「この条例が規制するのは、あくまで販売の仕方だ。青少年健全育成条例自体は昭和39年に施行されており、これまでも成人向け書籍の区分陳列という販売規制は行われてきたが、表現の自由を大きく侵害したという例は知る限りない。そうした経緯を知らない人が、新たな規制が急に設けられると誤解して、話がこじれた面がある」

 ――なぜ新たに規制の範囲を広げる改正が必要なのか

 「表紙だけ見ると普通の少女向けの漫画のように見えるが、非常にハードな性描写を含んだ作品が増えている。しかも登場人物は少年少女だ。こうした作品も、区分陳列の対象にすべきだというのが出発点。描くことは規制しないが、書店では子供の手が届かないところに置かれる必要がある」

 ――出版業界は現行の自主規制制度で間に合うと反論している

 「業界の努力は承知している。だが近年、不健全図書に指定された漫画などの約半分は、業界の自主規制団体に属さない社によるもので、実効ある対策が必要だ」

――改正された条文を見ると、なおあいまいさが残る

 「昨年6月の都議会で改正案がいったん否決されたため、『非実在青少年』など誤解を招いた文言は修正した。ただ実際問題として、全員が百パーセント満足いく条文というのは難しい。だから運用が重要となるが、現状では二重の歯止めがかけられている。まず不健全図書の指定を行うのは都ではなく、行政のほか出版・報道関係者やPTA、都議などを交えた青少年健全育成審議会だ。さらに今回の改正で、慎重な運用を求める付帯決議が付いた。行政にとって、民意を代表する議会がこうした意志を示した意味は大きい」

作者の意図勘案

 ――指定を受けた場合は、流通に大きく制限を受ける。結果的に表現の萎縮を招くのでは

 「描き手にプレッシャーを与える可能性があるという懸念は理解できる。だから付帯決議では、条例の運用にあたり、作者の制作意図を勘案すること、不健全図書指定の審議は十分な時間をかける−という2つの条件を付けた。これは不安解消に役立つものだと思っている。議会としても今後行政の運用状況を監視していく」

 ――可決を受け出版大手は東京国際アニメフェア不参加を決めた

 「アニメや漫画は重要な文化。私自身も、子供のころ貸本屋に通って以来の漫画ファンだし、都も議会も敵視どころか海外に向けて誇るべき日本の文化として応援していくつもりだ。都と出版業界の対立は、双方にとって大きなマイナスだ」(磨井慎吾)

【プロフィル】中嶋義雄

 なかじま・よしお 都議会公明党幹事長。昭和24年、群馬県生まれ。61歳。東京都立大学経済学部卒。公明新聞記者を経て、昭和62年東京・世田谷区議に初当選。区議3期目の平成9年、都議選に出馬し、当選。現在4期目。東京都青少年健全育成審議会の委員も務めた。


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