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なぜ一番にこだわるのか?

自閉症スペクトラムのお子さんのケースです。
いわゆるPDDが疑われるお子さんですが、常に「勝ち負け」や「一番」に強くこだわります。
団体競技でも個人競技でも、競技ではなくちょっとした事を決めるジャンケンでも、負けるとすぐに表情が硬くなり、支援者からのフォローがなければ怒りだしたり物を投げたりすることがあります。

なぜこんなにも「勝ち負け」や「一番」にこだわるのでしょう・・・
彼らの「困り感」の中に「シングルフォーカス」や「自己評価の低下」があるからではないかと考えました。
他者との関係性の捉え方における「シングルフォーカス」は社会性の未成熟さと関連がありそうです。そして、「勝ち負け」は「all or nothing 」の自己評価になっているからだと思いました。

これらのことに対してどのように取り組んでいくか・・・
保・幼・小では、どうしても支援者が付きっきりで指導・注意をすることが多くなるようです。
このような支援ばかりだと逆に「自己評価」を下げることがあります。また、支援者との関わりを求めて「こだわり」が増えることもあります。
適度な距離を保ちながら、「評価」に値する言動を「強化」することが大切だと思います。その場合、その時だけの言葉による「強化」だけでなく、できるだけ形として残っていく目で見える「評価」が大切だといえます。「こんなに頑張ってきたね。」と自らが確認できるような振り返りカードであったり、シール表であることが効果的だといえます。
また、「クラスで一番でも、学校で一番にはなれないよ、学校で一番でも・・・」と一番にこだわることの無意味さや、「負けるが勝ちだよ。」とことわざを持ちだしたりして、言語面での強みを活かしたフォローが有効なことが多いようです。

通常学級担任の先生はその子ばかりにかまっていられません、学級集団作りと連動した、クラスの仲間間での相互評価の取り組みも大切だと思っています。

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