政治【正論】政治評論家・屋山太郎 首相は政官癒着打破やめたのか+(3/3ページ)(2011.1.18 03:04

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【正論】
政治評論家・屋山太郎 首相は政官癒着打破やめたのか

2011.1.18 03:04 (3/3ページ)

 内容は、与謝野氏が税についても社会保障についても自民党の麻生太郎政権時代に発表している。民主党がそれでよければ、とっくの昔にできていたはずだ。

 民主党は税を取る前に官僚の無駄を徹底的に排除しろと唱えてきた。蓮舫行政刷新相が事業仕分けや特別会計の見直しをやったが、生み出せたのは3兆8千億円ぽっきり。民主党は16兆8千億円が出てくると言っていたのにである。財務官僚にだまされているのか、民主党がホラを吹いたのか。

≪トータルの通商政策ない日本≫

 日本には、トータルの通商政策というものがない。扱う物資が経産関連か、農水関連か、所管官庁によって、許認可が違う。判断の基準は、外国の事情より、国内の事情の一点で判断される。

 WTO(世界貿易機関)は先にドーハ・ラウンドの取りまとめに失敗して、米国は貿易政策の矛先をTPPに変えてきた。ドーハ・ラウンドの最終段階で、日本は米国、EU(欧州連合)、インド、ブラジルの4カ国・地域の協議から排除された。日本には、具体的提案も前向きの発想もない、と判断されたのだ。

 私も30年前、WTOの前身であるGATT(関税と貿易一般協定)の貿易交渉を取材していたが、日本人記者たちは、日本から来る役人、政治家を「マル・ドメ」と呼んでいたものだ。まるっきりのドメスティック(国内派)の意である。貿易立国でありながら、世界の貿易動向にまるで目が行かず、自国内の都合だけで交渉に臨むのである。したがって農産物について、農水官僚は何が何でも「断る」のを旨とした。

 TPP参加から、税や社会保障の改革まで、すべてにわたり、官僚主導の政治体制から脱却し政治主導に切り替えて当たらなければ、この国に将来はない。(ややま たろう)

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