- [PR]
[政治]ニュース トピック:正論
【正論】政治評論家・屋山太郎 首相は政官癒着打破やめたのか
2011.1.18 03:04
(2/3ページ)
この病巣の剔抉(てっけつ)に取りかかったのは自民党の安倍晋三首相で、バトンを引き継いだのが渡辺喜美行革担当相(現みんなの党代表)だ。しかし、60年にわたる政・官の癒着を切り離すことはできなかった。民主党はその解決を“脱官僚”のキャッチフレーズに込め、2009年総選挙に大勝した。
解決のやり方は(1)国家戦略局(2)行政刷新会議を設置し、政治主導で財政政策を立て、行政改革を行う一方、官僚の人事評価をするために(3)「内閣人事局」を設けるというものだった。これら3つの考え方は渡辺代表もほぼ同様だ。
≪財務省に“洗脳”された首相≫
鳩山由紀夫前政権は発足早々に3点を盛り込んだ法律を成立させるべきだった。だが、国家戦略局の設置について、藤井裕久財務相が「局ではなく室でいい」と反対して、菅副総理が室長兼務となった。後に財務相となった菅氏は完全に財務官僚に“洗脳”され、首相就任後、“脱官僚”政策には見向きもしなくなった。仙谷由人官房長官は当初、この政策に熱心だったが、突然、財務官僚と妥協した。辞める直前には、政務三役会議への事務次官同席を命ずるなど逆行し始めた観があった。
一方、与謝野氏は財務官僚が最も頼りにしてきた政治家だ。その発想と発言から、財務省の“回し者”とまでいわれた人物だ。その氏が経済財政相となって、内閣官房副長官に長老の藤井氏が座る。脱官僚を担保する法律もなく、この布陣では、財務省仕様の税、社会保障政策ができるだけだ。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]