政治【正論】政治評論家・屋山太郎 首相は政官癒着打破やめたのか+(1/3ページ)(2011.1.18 03:04

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【正論】
政治評論家・屋山太郎 首相は政官癒着打破やめたのか

2011.1.18 03:04 (1/3ページ)

 菅直人第2次改造内閣が発足した。実現すべき大目標に、(1)TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加(2)税・社会保障制度の一体改革-の2つを掲げた。(1)は貿易立国、日本が生存を続けるためには不可欠の条件だ。(2)も財政窮乏化、社会保障費膨張の現実からみれば、切羽詰まった課題だ。改造内閣では、(1)の責任者として海江田万里氏を経財相から横滑りさせて経済産業相とし、(2)の責任者として与謝野馨氏をたちあがれ日本から引き抜いてきた。

 この課題設定と奇抜な閣僚人事に、菅首相の思い入れのほどがうかがえるが、実現はおぼつかないと見ざるを得ない。そもそも、貿易の自由化と税・社会保障制度の一体改革は何十年も前から、日本政治の課題だった。それがなぜ、解決できなかったのか。その原因を究明し解決した後にこそ、課題が解決されると知るべきだ。

 菅首相が正月にTPPへの参加を「平成の開国」と銘打って打ち出したとき、民主党の小沢一郎元代表グループに属する110人の議員は反対のために集結した。親分の小沢氏はかねて、FTA(自由貿易協定)の締結を急げと説いているのに、子分たちは知ってか知らずか、貿易政策の推進を非とし、政争の具としたのだ。

≪農水、農協、族議員TPP阻む≫

 農水省はTPPに加入すれば、農業は壊滅する、と危機感を訴えている。鹿野道彦農水相も農水族で、TPP加入に消極姿勢を見せている。農水官僚は農協団体と手を組み、鹿野農水相、農水族議員を糾合してTPP加入を阻止しようとしている。この政官癒着の構造こそが、日本の政治、経済活動を逼塞(ひっそく)させているのだ。

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