「プロボクシングSフェザー級8回戦」(16日、神戸サンボーホール)
メーンイベントでは東洋太平洋同級15位の福原寛人(江見)が、ペットバンプラン・サクチャートリー(タイ)との流血の打撃戦を判定で制し、悲願のタイトル挑戦へ一歩前進した。3回に右フックでチャンスをつかんだ福原は猛然と倒しにかかるが、打ち合いの中、相手のパンチで左目上をカット。白色のトランクスが紅く染まる大流血に見舞われ、出血TKO負けのピンチに陥った。それでも最終回まで後退することなく、右カウンターで何度も相手の動きを止めた。スコアは77-76、78-74、78-75で全員が福原の勝利を支持した。
岡山県津山市の江見ジム所属。力量的に見合うスパーリングパートナーが常に不足しているのは地方ジムの宿命。それを克服するため、兵庫県のジムへの積極的な出げいこなどで腕を磨き、東洋ランク入りした。「僕はいつでも倒してやろうと思って戦っている」という好戦的なファイトは福原の魅力だ。ただ、その代償は大きく、この日は試合後の控室で大きく開いた傷口を“緊急縫合手術”。「次は打たれずに面白い試合をしたい。チャンスがあればタイトル戦をしたい。強い日本人選手と戦いたい」と意欲的に語ったが、当面は傷の完治を待つことになる。