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回転寿司戦争:スシロー、かっぱ寿司の天下は続くのか?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
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2011年1月17日 19:40

 回転寿司チェーンのトップが入れ替わった。しかし、乱世の如くトップの座は今後もめまぐるしく交代する可能性が高いという。

 独立起業するとすれば、最も参入障壁が低い業界の1つが飲食業だ。材料を仕入れ、調理し、客に提供するというバリューチェーン(VC)のシンプルさがその理由である。しかし、成功し、継続することが難しい。シンプル故に、差別化が難しいからだ。極めて良い仕入れルートを持っている。卓越した調理の腕がある。絶妙の接客サービスを提供できるなどの要素がなければ「成功」ではなく、よくて「そこそこ」。人に食べさせるどころか、自分が食えなくなって「廃業」という憂き目を見ることになる。街を歩いていて「あれ、ここの店、代わったんだ」と日常的に目にする光景の背後には、その数だけ起業と廃業のドラマが隠されているのである。

 バリューチェーンは日本語に訳せば「価値連鎖」。ビジネスのしくみのどこでどれだけコストをかけ、付加価値を創出するかということを表している。では、回転寿司というビジネスのキモはどこにあるのか。
 「安さ」より「素材」とはいえ、回転寿司の価格帯で寿司を提供しようとするなら、ある程度の安さは必須要素だ。そこでモノをいうのは「規模」である。原価に占める固定費率は販売数量が多くなればなるほど低減できる。「規模の経済」という。固定費とは、研究開発費・設備費・広告宣伝費。人件費原材料費などの変動費に関しては、規模が大きくなれば、単位時間あたりの生産性を向上させることで人件費率は低減できる。原材料費は大量購買による価格交渉力の向上で低減を図ることになる。

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