自らの意志で会社を去る方、会社から解雇通告されて去る方、退職理由は人それぞれです。知人の勤めている会社でも、昨年入社した経理部長が「前職は自己都合で退職」と書類に記載していたのに、実は横領を犯して懲戒解雇されるところを、温情で普通解雇とされていたのが発覚し、本人が認めたため即日解雇されるということがあったそうです。
会社から「辞めてほしい」と言われるのはいわゆる退職勧奨ですが、応じる義務がない代わりに応じたら自己都合解雇なのか、会社都合解雇なのかはっきりしないと教えて!gooでも質問があがっています。
「自己都合?会社都合?」
質問者さんは、ある民間資格を取ることをお願いされた状態で入社しましたが、その資格試験を受けるものの不合格が続き、すでに1年半が経過したころ、次落ちたら退職してほしいといわれています。万が一不合格で退職に応じた場合、自己都合なのか、会社都合なのか質問しています。
回答者の方は…
「どちらにするかは、あなたが会社にお願いしていいのでは。どちらにしても、期限は、会社から言われているのだから」(yasuto07さん)
「自己都合・会社都合にこだわる理由がわかりませんが、雇用保険の受給に関しては、あくまでハローワークの判断です。ただ基本は、会社から解雇されたら(重責解雇は除く)会社都合で、自分から退職願を提出したら自己都合です。あなたがもし試験に落ちた後も会社に残りたいのに解雇されたら、会社都合の解雇です。ただ採用条件が試験合格なら解雇の理由としては正当ですから、受け入れるしかありません」(80521255さん)
「応じたら自己都合退職になると思います」(kanehatiさん)
■退職勧奨に応じて退職した場合は「特定受給資格者」に
雇用保険の制度が変わり、従来「会社都合」なのか「自己都合」なのか、あいまいだった「退職勧奨によって退職」した人について、事業主から直接もしくは間接的に退職するよう勧奨を受けることにより、離職した人は「解雇=会社都合」扱いの特定受給資格者となります。
この場合、給付制限期間がつかないばかりでなく、失業給付日数が優遇されることもあります。ただし、会社が記入発行する離職票に「退職勧奨をした旨」が記載されておらず、自己都合とされていて、本人がハローワークに退職勧奨された旨を申告しないと、自己都合として処理されてしまうので注意してください。
■そもそも「資格が取得できない」理由ごときで解雇できるのか
質問の意図とは外れますが、そもそも入社してから「この資格を取らないと会社を退職してもらう」というのは、本当に有効なのでしょうか。質問者さんが心から退職に同意しているのでしたら退職勧奨に応じて退職となるのでしょうが、応じなかった場合に解雇はできないと思われます。
その理由を考えると、
1.単なる民間資格で業務に必須ではなく、資格がなくても大過なく業務を遂行できている。
2.会社側は「不合格=見込んだ能力に至らない」としているが、(本人申告ですが)実務は優秀と矛盾した評価をしている。しかもすでに入社時の約束と言って1年半も経過している。
この二点だけでも、解雇要件をまったく満たしていません。昔から、簡単に人を解雇できると考えている会社も多いので、もし解雇や退職勧奨を通告されたら、要件を完全に満たしているか、十分に確認する必要があります。それによって失業保険などで損をしてしまったらたまりません。
桜井 規矩之左右(Kikunozou Sakurai) →記事一覧
■関連Q&A
・自己都合退職と会社都合退職
・退職理由を自己都合から会社都合に変えた場合
■関連記事
・会社から「辞めてくれ」と言われたら
・どうする?失業 その1:突然解雇と言われたら
会社から「辞めてほしい」と言われるのはいわゆる退職勧奨ですが、応じる義務がない代わりに応じたら自己都合解雇なのか、会社都合解雇なのかはっきりしないと教えて!gooでも質問があがっています。
「自己都合?会社都合?」
質問者さんは、ある民間資格を取ることをお願いされた状態で入社しましたが、その資格試験を受けるものの不合格が続き、すでに1年半が経過したころ、次落ちたら退職してほしいといわれています。万が一不合格で退職に応じた場合、自己都合なのか、会社都合なのか質問しています。
回答者の方は…
「どちらにするかは、あなたが会社にお願いしていいのでは。どちらにしても、期限は、会社から言われているのだから」(yasuto07さん)
「自己都合・会社都合にこだわる理由がわかりませんが、雇用保険の受給に関しては、あくまでハローワークの判断です。ただ基本は、会社から解雇されたら(重責解雇は除く)会社都合で、自分から退職願を提出したら自己都合です。あなたがもし試験に落ちた後も会社に残りたいのに解雇されたら、会社都合の解雇です。ただ採用条件が試験合格なら解雇の理由としては正当ですから、受け入れるしかありません」(80521255さん)
「応じたら自己都合退職になると思います」(kanehatiさん)
■退職勧奨に応じて退職した場合は「特定受給資格者」に
雇用保険の制度が変わり、従来「会社都合」なのか「自己都合」なのか、あいまいだった「退職勧奨によって退職」した人について、事業主から直接もしくは間接的に退職するよう勧奨を受けることにより、離職した人は「解雇=会社都合」扱いの特定受給資格者となります。
この場合、給付制限期間がつかないばかりでなく、失業給付日数が優遇されることもあります。ただし、会社が記入発行する離職票に「退職勧奨をした旨」が記載されておらず、自己都合とされていて、本人がハローワークに退職勧奨された旨を申告しないと、自己都合として処理されてしまうので注意してください。
■そもそも「資格が取得できない」理由ごときで解雇できるのか
質問の意図とは外れますが、そもそも入社してから「この資格を取らないと会社を退職してもらう」というのは、本当に有効なのでしょうか。質問者さんが心から退職に同意しているのでしたら退職勧奨に応じて退職となるのでしょうが、応じなかった場合に解雇はできないと思われます。
その理由を考えると、
1.単なる民間資格で業務に必須ではなく、資格がなくても大過なく業務を遂行できている。
2.会社側は「不合格=見込んだ能力に至らない」としているが、(本人申告ですが)実務は優秀と矛盾した評価をしている。しかもすでに入社時の約束と言って1年半も経過している。
この二点だけでも、解雇要件をまったく満たしていません。昔から、簡単に人を解雇できると考えている会社も多いので、もし解雇や退職勧奨を通告されたら、要件を完全に満たしているか、十分に確認する必要があります。それによって失業保険などで損をしてしまったらたまりません。
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新卒採用が厳冬期を迎えて、雪解けの気配を見せません。リーマンショック以降、急速に冷え切った企業の採用意欲の減退は、新卒就職活動の早期化・長期化の原因のひとつとなっています。中には、卒業してしまうと既卒扱いとなり就職活動にきわめて不利になるため、わざわざ学費のかかる留年を選択し、もう一年新卒として就職活動する方も。つらい世の中です。
インターネットを駆使した就職活動がほぼ主流となる中、教えて!gooにこんな質問が寄せられました。
「新卒採用コネ入社のチャンス!どうしますか?」
質問者noouch61さんは就職活動中の大学生。知人である会社の社長は、某大手証券会社にコネクションがあり、支社長に質問者の就職を頼んであげるとの話をいただきましたが、
「証券会社の仕事は将来のイメージがわかない。コネというのも不純。でもこの超氷河期にありがたい話。しかし自分で探した方が自分にあった仕事を見つけられるのでは…」
と受けるかどうか迷っています。
■「本当にやりたい仕事とはどんな仕事でしょう?」
「証券は『超』が百個ぐらいつくキツい仕事です。そこがクリアになれば私ならコネをお願いします。バックオフィスならそんなにキツくないです。また、コネに負い目を感じることはまったくないです。入ってしまえば一緒です。証券会社は離職率が高く、会社側も入ってから初めて人選する、という考え方なので万が一辞めてもそのお知り合いに泥をぬるということにはならないと思います」(lapulapu0429さん)
「コネ入社で証券会社に入った文系人間です。…本当にやりたい仕事とはどんな仕事でしょう?私も右も左もわからないまま仕事を始めましたが与えられたフィールドの中でやりたい業務を突き詰めて行くのも面白いものです。…ひとつのチャンスととらえてダメ元でチャレンジしてみては」(penpen0608さん)
「証券会社が『大手』である場合、その方から支店長レベルの人物に対する紹介だけで内定が取れることはまずないと覚悟しておいてください。おそらく、重要顧客からの紹介を受けた支店長はあなたの履歴書を人事部に回付し、『重要顧客からの紹介』という特記もされるであろうと思います。しかし、そのレベルでは100%一次面接までは進ませてあげよう(=書類審査で不合格にすることはしない)という程度の優遇である可能性が高いです」(fubokuさん)
“コネあり=採用内定”ではなくなってきているこのご時世、fubokuさんのおっしゃるとおり、よほどのコネクションでないと、応募させてあげる程度の場合が多く、コネ=採用内定となるのは、その採用先にとって商売上プラスになる場合、例えば広告代理店の採用活動で大手メーカーの宣伝部長の息女などをコネ入社させて、そのメーカーの宣伝広告を一手に引き受ける可能性が生まれるなどのレアケースしかありません。
自分のやりたい仕事を見つけるのが本来の就職活動の姿であり、自分の未来予想図が描けない業界・業種への入社はおすすめできません。
ただし、せっかく到来した話ですので、その業界(この場合は証券業界)が本当に自分の未来予想図を描くことのできない業界なのか、じっくり研究する必要はあると思われます。そこでなにか描くものがあれば、受けてみて、自分の目でその証券会社をじっくり直視してみるのはいかがでしょうか。
桜井 規矩之左右(Kikunozou Sakurai) →記事一覧
■関連Q&A
・市役所はコネなのか?
・コネって正当化できるもの?
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・本当は働きたくない…楽な仕事はないですか?
・女子大生の就活「地元中小企業」は落ちこぼれ?
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「新卒採用コネ入社のチャンス!どうしますか?」
質問者noouch61さんは就職活動中の大学生。知人である会社の社長は、某大手証券会社にコネクションがあり、支社長に質問者の就職を頼んであげるとの話をいただきましたが、
「証券会社の仕事は将来のイメージがわかない。コネというのも不純。でもこの超氷河期にありがたい話。しかし自分で探した方が自分にあった仕事を見つけられるのでは…」
と受けるかどうか迷っています。
■「本当にやりたい仕事とはどんな仕事でしょう?」
「証券は『超』が百個ぐらいつくキツい仕事です。そこがクリアになれば私ならコネをお願いします。バックオフィスならそんなにキツくないです。また、コネに負い目を感じることはまったくないです。入ってしまえば一緒です。証券会社は離職率が高く、会社側も入ってから初めて人選する、という考え方なので万が一辞めてもそのお知り合いに泥をぬるということにはならないと思います」(lapulapu0429さん)
「コネ入社で証券会社に入った文系人間です。…本当にやりたい仕事とはどんな仕事でしょう?私も右も左もわからないまま仕事を始めましたが与えられたフィールドの中でやりたい業務を突き詰めて行くのも面白いものです。…ひとつのチャンスととらえてダメ元でチャレンジしてみては」(penpen0608さん)
「証券会社が『大手』である場合、その方から支店長レベルの人物に対する紹介だけで内定が取れることはまずないと覚悟しておいてください。おそらく、重要顧客からの紹介を受けた支店長はあなたの履歴書を人事部に回付し、『重要顧客からの紹介』という特記もされるであろうと思います。しかし、そのレベルでは100%一次面接までは進ませてあげよう(=書類審査で不合格にすることはしない)という程度の優遇である可能性が高いです」(fubokuさん)
“コネあり=採用内定”ではなくなってきているこのご時世、fubokuさんのおっしゃるとおり、よほどのコネクションでないと、応募させてあげる程度の場合が多く、コネ=採用内定となるのは、その採用先にとって商売上プラスになる場合、例えば広告代理店の採用活動で大手メーカーの宣伝部長の息女などをコネ入社させて、そのメーカーの宣伝広告を一手に引き受ける可能性が生まれるなどのレアケースしかありません。
自分のやりたい仕事を見つけるのが本来の就職活動の姿であり、自分の未来予想図が描けない業界・業種への入社はおすすめできません。
ただし、せっかく到来した話ですので、その業界(この場合は証券業界)が本当に自分の未来予想図を描くことのできない業界なのか、じっくり研究する必要はあると思われます。そこでなにか描くものがあれば、受けてみて、自分の目でその証券会社をじっくり直視してみるのはいかがでしょうか。
桜井 規矩之左右(Kikunozou Sakurai) →記事一覧
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中途採用をしていると、同業界の方が面接にくることがあります。面接する側も業務の事を知っているだけに、ほかの人に比べて即戦力になると期待します。
応募者側も、仕事のだいたいのイメージが異業界よりつかめ、その業界が斜陽業界であったり、業界自体の体質が嫌で転職する以外の方、特に中小企業で経験を積んでから同業の大手へ…とステップアップする方にとっては、諸条件の向上も見込めるため、同業界を第一志望とする方も多いようです。
しかし、そこで発生するのが、退職する会社の就業規則や入社時や退職時に取り交わされた誓約書に「退職後○年間は同業他社に就職しない」という文言があった場合の問題です。大抵、違反した場合は「損害を賠償する」「退職金を返金する」などの文言も同時に書かれていることが多いようです。この規則や約束は法的に有効なのでしょうか。
「就業規則に同業他社へ転職してはいけないと書かれています」
質問者のmyaumyauさんは、今すぐ転職する意志はないようですが、入社前にはなかった規則で「同業他社へ2年間転職してはいけない」との規則が追加され、法的に転職してはいけないのかと質問しています。それに対して寄せられた回答は、
「そんな就業規則なんてただの飾りですよ。当社でも同じ就業規則がありましたが当時の取締役が退任後数か月もしない内に、ライバル会社に転職していました。法的な裏付けなんてありません」(nonno36さん)
「同業他社への転職そのものがダメという判例を見たことがあります。そういう制限に対する代償が給与に含まれていたとみなされたためのようですが、それが一般的なものかどうかは不明です。私の現在の勤務先にもそういう制約(入社時の同意書)がありますが、前任者たちは同業他社へ転職していきました。なんらおとがめなしです」(takopassさん)
と、問題はないとする回答が。
■同業他社への転職に制限はないが、注意すべきこと
就業規則や誓約書で競業禁止(同業他社への転職や、同業の開業)をうたう企業は多くありますが、まず憲法の「職業選択の自由」が優先されます。就業規則にいくら明記されていても、退職金の減額などはできません。また当社で得た知識等を他社に流用したとき損害を賠償しますと誓約していても、そもそもその知識が前職の職務でしか獲得できなかった企業秘密レベルのものでない限り、誓約は無効になります。
特に管理系・営業系の場合は、給与計算の知識などは汎用的ですし、営業ノウハウも顧客名簿を印刷して持ち出すなど、別の背任行為(窃盗罪)を犯していない限り、前職で培った人脈に声をかけるのも自由です。
しかし例外もあります。
「ただし、注意しなければならないのは前職で知り得た会社の内部情報・技術情報等をペラペラしゃべって、それが元で転職先に有利になるような結果が出たとしたら(例えばマネをした新製品等)、これは訴訟対象となりえるので注意してください」(nonno36さん)
nonno36さんが書いているとおり、前職で企業秘密と知らされている情報を次の会社で漏洩(ろうえい)使用した場合です。しかしこの場合も企業秘密であることを明示されており、情報漏洩(ろうえい)の事実が明示的であり、かつ秘密保持に値する対価が給与として支払われていた場合に認められるか・認められないかの瀬戸際で、基本的に労働者優位にできています。給与が安いのに秘密を守れとはいえないのです。
また取締役に就任していた場合には、労働基準法が適用されないので、取締役が競業避止義務に違反してなした取引は、その会社が自分のためになされたものと一方的にみなす権利(介入権)が発生し、その取締役が営んでいるものはすべて前職に接収されてしまいます。退任しても取締役は、いろいろな義務を従業員よりも重く負いますので、注意が必要です。
桜井 規矩之左右(Kikunozou Sakurai) →記事一覧
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・同業他社への転職禁止に関して
・同業他社への転職の禁止
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・どうしても「前の勤務先」を訪問したくない!
・気になる異性のいる前の会社に戻りたい!
応募者側も、仕事のだいたいのイメージが異業界よりつかめ、その業界が斜陽業界であったり、業界自体の体質が嫌で転職する以外の方、特に中小企業で経験を積んでから同業の大手へ…とステップアップする方にとっては、諸条件の向上も見込めるため、同業界を第一志望とする方も多いようです。
しかし、そこで発生するのが、退職する会社の就業規則や入社時や退職時に取り交わされた誓約書に「退職後○年間は同業他社に就職しない」という文言があった場合の問題です。大抵、違反した場合は「損害を賠償する」「退職金を返金する」などの文言も同時に書かれていることが多いようです。この規則や約束は法的に有効なのでしょうか。
「就業規則に同業他社へ転職してはいけないと書かれています」
質問者のmyaumyauさんは、今すぐ転職する意志はないようですが、入社前にはなかった規則で「同業他社へ2年間転職してはいけない」との規則が追加され、法的に転職してはいけないのかと質問しています。それに対して寄せられた回答は、
「そんな就業規則なんてただの飾りですよ。当社でも同じ就業規則がありましたが当時の取締役が退任後数か月もしない内に、ライバル会社に転職していました。法的な裏付けなんてありません」(nonno36さん)
「同業他社への転職そのものがダメという判例を見たことがあります。そういう制限に対する代償が給与に含まれていたとみなされたためのようですが、それが一般的なものかどうかは不明です。私の現在の勤務先にもそういう制約(入社時の同意書)がありますが、前任者たちは同業他社へ転職していきました。なんらおとがめなしです」(takopassさん)
と、問題はないとする回答が。
■同業他社への転職に制限はないが、注意すべきこと
就業規則や誓約書で競業禁止(同業他社への転職や、同業の開業)をうたう企業は多くありますが、まず憲法の「職業選択の自由」が優先されます。就業規則にいくら明記されていても、退職金の減額などはできません。また当社で得た知識等を他社に流用したとき損害を賠償しますと誓約していても、そもそもその知識が前職の職務でしか獲得できなかった企業秘密レベルのものでない限り、誓約は無効になります。
特に管理系・営業系の場合は、給与計算の知識などは汎用的ですし、営業ノウハウも顧客名簿を印刷して持ち出すなど、別の背任行為(窃盗罪)を犯していない限り、前職で培った人脈に声をかけるのも自由です。
しかし例外もあります。
「ただし、注意しなければならないのは前職で知り得た会社の内部情報・技術情報等をペラペラしゃべって、それが元で転職先に有利になるような結果が出たとしたら(例えばマネをした新製品等)、これは訴訟対象となりえるので注意してください」(nonno36さん)
nonno36さんが書いているとおり、前職で企業秘密と知らされている情報を次の会社で漏洩(ろうえい)使用した場合です。しかしこの場合も企業秘密であることを明示されており、情報漏洩(ろうえい)の事実が明示的であり、かつ秘密保持に値する対価が給与として支払われていた場合に認められるか・認められないかの瀬戸際で、基本的に労働者優位にできています。給与が安いのに秘密を守れとはいえないのです。
また取締役に就任していた場合には、労働基準法が適用されないので、取締役が競業避止義務に違反してなした取引は、その会社が自分のためになされたものと一方的にみなす権利(介入権)が発生し、その取締役が営んでいるものはすべて前職に接収されてしまいます。退任しても取締役は、いろいろな義務を従業員よりも重く負いますので、注意が必要です。
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精魂込めて作成した履歴書が、不採用通知とともに返送されてくるときこそ、むなしくなるときはありません。なかには履歴書すら返却されず、不採用通知もメールや就職サイトのメッセージだけの場合も…。一体履歴書はどこに行ってしまったのでしょうか。なぜ企業側は不採用者の履歴書を保管するのでしょうか。教えて!gooでもこんな質問があがっています。
「履歴書を返却しない理由と管理について」
質問者northpole5さんは、履歴書を返却しない理由がわからない。またその履歴書はどうやって管理・破棄されているのか、返却を拒まれた場合法的に触れないかを気にしています。
それに対して、3人の方から回答が寄せられました。それぞれ項目別にまとめて、現役人事の視点からウォッチしたいと思います。
■返却しない理由
「返却するにはコストがかかる(実費と人件費)」(zivさん)
返却しない理由として、回答に共通するのはその“費用”です。あくまで企業側の視点だけで考えれば、返却してほしい気持ちはわかりますが、そこまでしていられないのが現状です。すこしでも人気の業種・職種だと、応募者数は軽く500通を超えます。そうすると、郵便返信コストだけでも、140円切手とした場合、7万円相当になってしまい、かつ返送にかかる人件費や手間を考えると、500通をとても返却していられない状態となるため、「履歴書は返却しません」となるのです。
■管理・方法
「採用活動終了までは鍵付書庫で保管し、終了後シュレッダーする」(usikunさん)
「返却されない物はシュレッダー行きです。不採用の人間の個人情報なんて取っておく義務ないし」(shornetさん)
保管方法は、企業によってまちまちです。新卒採用の場合だと、一年の採用活動が終わったときに一斉にシュレッダーにかけたりするところもあれば、採用者が決定した時点で一斉にシュレッダーするところも。なかには、一度落ちた人物の再応募を認めないルールの会社の場合、再応募を見つけ出すため書類をPDFデータ化して、永久保存をしているところもあります。
ちなみに私の勤務していた会社では、2か月を保管期間にしていました。傾向として、履歴書返却を求めてくる不採用者は、当然個人情報だから返却の義務があると考えているため、返却しないと告知すると、企業側が個人情報保護法などを説明しても納得しないため、私の場合は、「返却希望」があった場合のみ返却し、あえて返すことで「返してくれないのはなぜとの電話問答」を防止しておりました。そして電話がかかってこなくなる2か月後くらいをめどにシュレッダーにかけて、その後万一かかってきた場合は、「処分しました」と通知し、さすがに2か月も経ってでは返却は難しい旨を伝えてご理解していただいておりました。
■返却拒否は法的に触れないか?
「断られただけだと難しいかも。その履歴書の個人情報が流出でもすれば話は別ですが」(zivさん)
「おそらく触れません。履歴書はもっぱら採用選考のために用いるため、会社が応募者より“いただく”物です。用途外利用以外で法的問題は発生しないでしょう。損害額の見積も困難でしょうし」(usikunさん)
また法的にどうなのかという点ですが、履歴書は企業に届いた瞬間に、誤送でもない限り企業側に、書類の所有権が移ります。また同時に個人情報保護の義務が生じます。
したがって所有権がある以上、返却する必要はまったくないのです。しかし個人情報保護はしなければならないため、きちんと保管して「保護」するか、破棄して個人情報を第三者から「保護」するだけです。
不採用になった会社に自分の個人情報が握られているのは不快かと思いますが、たとえ返却されてもコピーをとられたら個人情報は残ってしまいますし、実際私も返却した証に、送られてきた封筒に返却日付を明記して、履歴書のコピーを中に入れてを保管しておりました。なぜなら、「返却されていない」というクレームに対応するためです。
履歴書は相手に渡ったら、原則的に返ってこない書類と考えておかなければなりません。企業側の横暴だと意見をいわれるかもしれませんが、あえて批判を覚悟で意見を述べると、逆の立場(採用側)に立てば、すべてを返送することこそ非現実的ではないかと思うのです。
桜井 規矩之左右(Kikunozou Sakurai) →記事一覧
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・履歴書は返却しませんの理由は?
・履歴書の返却について
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・書類選考は封筒で決まる?
「履歴書を返却しない理由と管理について」
質問者northpole5さんは、履歴書を返却しない理由がわからない。またその履歴書はどうやって管理・破棄されているのか、返却を拒まれた場合法的に触れないかを気にしています。
それに対して、3人の方から回答が寄せられました。それぞれ項目別にまとめて、現役人事の視点からウォッチしたいと思います。
■返却しない理由
「返却するにはコストがかかる(実費と人件費)」(zivさん)
返却しない理由として、回答に共通するのはその“費用”です。あくまで企業側の視点だけで考えれば、返却してほしい気持ちはわかりますが、そこまでしていられないのが現状です。すこしでも人気の業種・職種だと、応募者数は軽く500通を超えます。そうすると、郵便返信コストだけでも、140円切手とした場合、7万円相当になってしまい、かつ返送にかかる人件費や手間を考えると、500通をとても返却していられない状態となるため、「履歴書は返却しません」となるのです。
■管理・方法
「採用活動終了までは鍵付書庫で保管し、終了後シュレッダーする」(usikunさん)
「返却されない物はシュレッダー行きです。不採用の人間の個人情報なんて取っておく義務ないし」(shornetさん)
保管方法は、企業によってまちまちです。新卒採用の場合だと、一年の採用活動が終わったときに一斉にシュレッダーにかけたりするところもあれば、採用者が決定した時点で一斉にシュレッダーするところも。なかには、一度落ちた人物の再応募を認めないルールの会社の場合、再応募を見つけ出すため書類をPDFデータ化して、永久保存をしているところもあります。
ちなみに私の勤務していた会社では、2か月を保管期間にしていました。傾向として、履歴書返却を求めてくる不採用者は、当然個人情報だから返却の義務があると考えているため、返却しないと告知すると、企業側が個人情報保護法などを説明しても納得しないため、私の場合は、「返却希望」があった場合のみ返却し、あえて返すことで「返してくれないのはなぜとの電話問答」を防止しておりました。そして電話がかかってこなくなる2か月後くらいをめどにシュレッダーにかけて、その後万一かかってきた場合は、「処分しました」と通知し、さすがに2か月も経ってでは返却は難しい旨を伝えてご理解していただいておりました。
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「おそらく触れません。履歴書はもっぱら採用選考のために用いるため、会社が応募者より“いただく”物です。用途外利用以外で法的問題は発生しないでしょう。損害額の見積も困難でしょうし」(usikunさん)
また法的にどうなのかという点ですが、履歴書は企業に届いた瞬間に、誤送でもない限り企業側に、書類の所有権が移ります。また同時に個人情報保護の義務が生じます。
したがって所有権がある以上、返却する必要はまったくないのです。しかし個人情報保護はしなければならないため、きちんと保管して「保護」するか、破棄して個人情報を第三者から「保護」するだけです。
不採用になった会社に自分の個人情報が握られているのは不快かと思いますが、たとえ返却されてもコピーをとられたら個人情報は残ってしまいますし、実際私も返却した証に、送られてきた封筒に返却日付を明記して、履歴書のコピーを中に入れてを保管しておりました。なぜなら、「返却されていない」というクレームに対応するためです。
履歴書は相手に渡ったら、原則的に返ってこない書類と考えておかなければなりません。企業側の横暴だと意見をいわれるかもしれませんが、あえて批判を覚悟で意見を述べると、逆の立場(採用側)に立てば、すべてを返送することこそ非現実的ではないかと思うのです。
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文章を書いていて、単語一つの間違いで文の意味が変わってしまったり、うっかり尊敬語と謙譲語を誤用したり、丁寧語と尊敬語はどう違うのか悩んだり…。そんな中、ある素朴な質問を教えて!gooで見つけましたので、考えてみましょう。
「『ご担当者様』『ご担当様』どちらの表記が正解?」
質問者kiyodattyoさんは、不特定多数の案内状を送る際、宛名を「ご担当者様」か「ご担当様」にするか迷っています。回答も分かれてしまっており、やや「ご担当者様」が優勢のようです。そのなかで、回答者arukieさんは、次の様な方法を提言しています。
「履歴書の書き方などでも「ご担当者様」とマナーの一例で上げているのが圧倒的に多いです。実際下記(検索ワード)で(ネット)検索してみると、
『ご担当者様 宛名 常識』
『ご担当様 宛名 常識』
『ご担当者様 宛名 常識』の方が圧倒的に(検索ヒット数が)多いです。者(もの)単体で見ますと『人』に比べて卑下したり軽視したりするような場合に用いられることが多いだけであって、担当者それ自体が上から目線とはなり得ないと思いますが…」
またこんな回答も寄せられています。
「『ご担当様』というメールはいまだかつて見た事がありません。また送付も送信もした事がありません。ご担当者様しか考えられません」(mat983さん)
■「者」は単漢字だと悪い意味になる事が多いが…
回答者さんの提言した検索ヒット数でどちらが正しい(多数派)かを考える事は、簡単でかつ現実的な手法だといえます。また回答にある「者」という単漢字ですが、単漢字にすると「何者」「無頼者」「よそ者」など、あまり良い意味がない様にみえますが、次の表現ではどうでしょうか。
「○○が担当しています」
「○○が担当者です」
「○○が担当者をしています」
この表現でも、担当者の「者」を悪く捉える事はあまりないのではないかと感じます。
使い分けとしては、名詞に動詞をつなげて使う場合は「担当〜」。呼称として使う場合は「担当者」とするのが多いのではないでしょうか。実際「○○が担当者をしています」は、自身もあまり聞いたことがありません。質問のケースでは呼称なので「担当者様」と表記する方が多数派と言えそうです。
「ご担当様」「ご担当者様」、どちらも誤用でないだけに、これからもいろいろな単語・表現で文面作成に悩む事は続きそうです。
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・様か御中か・・・
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・「了解」と「承知」の違いってなに?
「『ご担当者様』『ご担当様』どちらの表記が正解?」
質問者kiyodattyoさんは、不特定多数の案内状を送る際、宛名を「ご担当者様」か「ご担当様」にするか迷っています。回答も分かれてしまっており、やや「ご担当者様」が優勢のようです。そのなかで、回答者arukieさんは、次の様な方法を提言しています。
「履歴書の書き方などでも「ご担当者様」とマナーの一例で上げているのが圧倒的に多いです。実際下記(検索ワード)で(ネット)検索してみると、
『ご担当者様 宛名 常識』
『ご担当様 宛名 常識』
『ご担当者様 宛名 常識』の方が圧倒的に(検索ヒット数が)多いです。者(もの)単体で見ますと『人』に比べて卑下したり軽視したりするような場合に用いられることが多いだけであって、担当者それ自体が上から目線とはなり得ないと思いますが…」
またこんな回答も寄せられています。
「『ご担当様』というメールはいまだかつて見た事がありません。また送付も送信もした事がありません。ご担当者様しか考えられません」(mat983さん)
■「者」は単漢字だと悪い意味になる事が多いが…
回答者さんの提言した検索ヒット数でどちらが正しい(多数派)かを考える事は、簡単でかつ現実的な手法だといえます。また回答にある「者」という単漢字ですが、単漢字にすると「何者」「無頼者」「よそ者」など、あまり良い意味がない様にみえますが、次の表現ではどうでしょうか。
「○○が担当しています」
「○○が担当者です」
「○○が担当者をしています」
この表現でも、担当者の「者」を悪く捉える事はあまりないのではないかと感じます。
使い分けとしては、名詞に動詞をつなげて使う場合は「担当〜」。呼称として使う場合は「担当者」とするのが多いのではないでしょうか。実際「○○が担当者をしています」は、自身もあまり聞いたことがありません。質問のケースでは呼称なので「担当者様」と表記する方が多数派と言えそうです。
「ご担当様」「ご担当者様」、どちらも誤用でないだけに、これからもいろいろな単語・表現で文面作成に悩む事は続きそうです。
桜井 規矩之左右(Kikunozou Sakurai) →記事一覧
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