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パチンコ店入り口に金属探知機…一体何が起きているのか(2/2ページ)

2011年1月16日7時50分

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写真:パチンコ店の入り口に設置された金属探知機=茨城県つくば市、大平写すパチンコ店の入り口に設置された金属探知機=茨城県つくば市、大平写す

■1円パチンコ普及、狙われる差額

 なぜ、パチンコ店に玉が持ち込まれるのか。

 一つには、玉1個1円で遊べる「1円パチンコ」の普及がある。1円パチンコの店では玉100個を100円で手に入れることができる。通常の1個4円の店では玉100個に400円かかるため、1円パチンコの店から通常の店に玉100個を持ち込めば、それだけで300円の得になる。

 また、インターネットのオークションで買った玉を持ち込むケースもある。ヤフーオークションのサイトで「パチンコ玉」を検索すると、数十件の取引が表示される。希望価格は1玉あたり1〜3円が相場だ。ヤフージャパンは「玉自体が盗品というわけではなく、出品制限は出来ない」(広報)という。

 大量の中古玉が出回る背景には、パチンコ店の廃業があるとされる。警察庁によると、1995年に全国で1万7631店あったパチンコ店は、09年には1万1722店まで減った。

 去年には栃木県や名古屋市で、玉を隠して持ち込んだ客が窃盗未遂容疑などで逮捕された。駐車場の車と店を何度も往復したり、1万個の玉を隠し持つことが出来る特注のベストを着たりして、大量に持ち込む不正も発覚している。しかし、パチンコ業界の経営状況を調査している「ビジョンサーチ」の桜井一英社長は、「表面化するのはごく一部だけだ」と指摘する。1日10万円以上の損害が出たという報告もあるが、トラブルを避けるため被害届を出さない店も多いという。

 パチンコ店の業界団体である全日本遊技事業協同組合連合会は「『玉の持ち込みは犯罪』と訴えるポスターを掲示するなど対策を始めたが、不正は見つけにくく、被害の実態すら把握が難しい」(広報課)と話す。(大平要)

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