災害や紛争などが起きた国から日本人を安全な場所へ輸送することを想定して防衛省・自衛隊は、17日から愛知県内の基地を中心に、大規模な訓練を行うことになりました。
外国で災害や紛争など不測の事態が起きた場合、自衛隊は、自衛隊法に基づき、現地に滞在する日本人を航空機や艦艇で安全な場所へ輸送することができ、毎年、訓練を行っています。今回の訓練は17日から20日まで愛知県の航空自衛隊小牧基地を中心に行われ、政府専用機やC130輸送機、空中給油機など航空機あわせて8機と輸送艦1隻が参加します。また、地上でも陸上自衛隊の隊員たちが武装勢力の襲撃を想定して航空機の周辺を警備するほか、避難する人たちの中にテロリストなど不審な人物が紛れ込んでいないか検査を行うなど、安全に輸送を行うための手順を確認するということです。自衛隊による海外の日本人の輸送を巡っては先月、朝鮮半島で不測の事態が起きた場合に備え、菅総理大臣が、韓国側と協議していきたい考えを示した一方、仙谷前官房長官は、歴史的な経緯などから難しいという認識を示すなど政府内部でも議論が分かれています。