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海外での移植について

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仲介業者は必要か、その存在意義は・・
海外に医療関係者の友人などが居る方は別として・・・

一般の人が海外の医療機関に手術の問い合わせや入退院の煩雑な手続きを行うことは簡単なことではありません。言葉の壁もあり症状や治療歴など正確に海外の医師に説明した上で移植の可否を尋ねることは移植医療に精通した者しかできません。また入院時の介護や身の回りの世話など課題はいくつもあり現地で人の手を借りなければ海外での移植治療はまず無理でしょう。また医療機関によって手術費用や条件なども様々です。複数の医療機関と比較検討してより良い移植治療を受けるには専門家の助言やアドバイスは不可欠となります。
日本国内で移植治療の機会が無く止む無く海外で命を繋ごうとしている患者や家族からして見れば、医療に精通した仲介者が最良の医療機関を紹介してくれて、しかも費用も極力節約できたとしたら、これほどありがたい存在はありません。実際、善意の仲介者によって多くの命が救われてきた事実が一方に歴然とあり、その活動を多くの医療関係者が承知しています。
高額な医療費が必要な欧米地域と安価ではあるが様々なリスクが内在するアジア地区。どこの国のどこの医療機関に行けば主人(家内)の命は助けられるのか患者や家族にとって切実です。
患者の弱みに付け込み高額な医療費を要求する問題はアジアの医療機関では頻発しています。これらの危険から患者を守り安心して海外での治療ができるようにサポートするのが仲介業者の本来あるべき姿ではないでしょうか。
埼玉県に本部を置く海外医療情報センター(旧名称OMTAC・大阪)と言う団体が患者から現金を預かり2ヶ月待機したが手術が実現できず、不満を感じた患者が帰国後、返金を要求したが応じない事件が起きました。本来、患者の為にあるべき仲介業者が患者の弱い立場に付け込み不当な金銭を要求したり、返金を拒んだりすることは言語道断であり厳しく批判されて然るべきです。
一部の悪質な業者により海外治療が危険で悪と見なされるのは誠に残念なことです。

平成22年1月13日

海外移植をお考えの方へ

世界で毎年7万件以上行なわれている臓器の移植手術は、病気治療の選択肢の一つとして定着しています。もはや特別な事ではありません。
それが日本に住んでいると「ただならぬ」大それた事の様に感じられます。

これも移植の機会を奪っている現行の医療行政によるものです。
15歳未満の子供は日本で生まれたが故に、多額の資金を用意して欧米に渡航するしか、生きる望みがありません。成人の方も、ドナー登録をして移植の機会を待ち続けても、我が国の移植医療の環境下では、迫り来る死に脅えながら多くの方は命を落とされます。
移植医療が進んでいる米国では、医師から「あなたは移植しか治療方法がありませんね」と言われても患者の方は、落胆はすれども「解りました。ドナー登録します。」毅然と応じます。現に、移植手術をして健康を取り戻す機会があり、身近に元気になられた患者の人達が居るからです。それに対して我が国で医師から同じ事を言われたらどうでしょうか?
突然、崖から突き落とされた気持ちになられる方がほとんどだと思います。それほど日米では移植の機会に天地の差があるのです。

医療行政の批判をしましたが、日本の医師の個人々はとても親切で患者想いの先生が大多数です。危険リスクの高い肝臓や心臓の移植に際して、患者の症状や病歴を詳しく書き記したメールを送って下さる主治医の先生。渡航先まで安否を気遣って電話を下さる医師など、患者への想いがこちらにも伝わってきます。無事に移植手術を終えたことが伝わると、患者の家族・日本の医師・執刀された外科医など、関係者の皆に安堵の空気が流れるのです。そこに国境はありません。

交通事故で亡くなられる方は毎年5,000人前後居ます。もし、そのうちの10%の方が移植医療に理解をされてドナー提供をして下されば、どれほどの患者の命を救うことができるか、その他にも不慮の事故や病死の方から移植に適した臓器をいただける仕組みや体制が整えば、海外に臓器を貰いに行く必然性は消滅します。行く末は移植医療先進国として、今日まで多くの臓器を頂いた海外諸国の患者の方に「どうぞ日本に来て治療して下さい」と言える日が訪れるまで、私達の活動が止むことはないでしょう。

このNPOの活動を通して感じた事は、患者の治療を真剣に考えている日本の外科医に、執刀の機会を与える事が何よりも重要だと思いました。そうなる為には、国会議員の先生方が移植医療の現況を直視して、英断を下す事に他なりません。国家財政の観点からも毎年増え続ける透析患者の医療費の問題を放置する事は許されないはずです。

平成19年8月23日


ハイリスク患者の腎移植

移植したが1年で駄目になり透析に戻ってしまった!こんな事にならない為に・・

過去に腎移植又は輸血の経験がある方は拒絶反応を起こしやすい体質になられている場合がございます。拒絶反応を起こしやすい体質の方が適切な処置又は事前準備をせずに腎移植をすると短期間で機能が低下し最悪は元の透析に戻るケースてしまう危険性の話をしたいと思います。

また移植や輸血をしていない方でも貧血治療などでアルブミンやrグロブリン剤の投与を受けている方にも若干その危険性があるので十分注意して下さい。

他人の臓器や血液が体内に入るとこれを排除しようと抗体が作られます、これを一般的に免疫機能と言われます。過去に腎移植や輸血の経験をされた方は通常の人より強い免疫力が体に備わり、次に異物が進入すると強力に排除する作用(拒絶反応)が起きてしまいます。本来、体を守る自己防衛機能がこれから移植する患者の方には大きな障害となってしまうのです。

拒絶反応が起き易い体質なのか、そうではないのかは大変重要な問題です。既存抗体の検査を事前にせずに移植した為に数ヶ月から2年程度で腎機能が低下して最悪は廃絶してしまう事が以前はありましたが、現在は検査方法が確立されており移植を受ける前にレシピエントのPRA(既存抗体)調べて移植の是非や事前処置など十分な検討がなされます。

ハイリスク患者への移植

ドナーとレシピエントの血液交差試験(クロスマッチ)の結果、T細胞とB細胞の双方または一方が陽性を示した状態で手術する時は以下の手順が一般的です。

★基本的に血液型不適合と同様なプロトコールで進められます。

例えばA型の人からB型への移植する時は事前に血液中に存在する抗体をDFPP(二重濾過血漿分離交換法)やPEX(全血漿交換)など複数回施行して抗体を除去して、さらに状況に応じて脾臓の摘出をしたりします。また急性拒絶反応を抑える薬剤として(リツキシマブ・バシリキシマブ)など強力な免疫抑制剤を投与します。

以上は要点のみ記載しましたが実際の移植の現場では抗体価を示すigM・igGの数値やその変化に応じて投与する薬剤も多岐にわたり、刻々と変化する患者の症状に応じて高度でしかも複雑な処置をしなくてなりません。しかも強力な免疫抑制剤の投与は感染症を発症するリスクを高めます。

日本はドナーが不足している為に諸外国では特別な事情がないかぎり実施しない血液型不適合の移植も広く行われており、近年では血液型適合手術と変わらぬ好成績を挙げている医療機関もあります。そうした技術の蓄積もあり国内ではハイリスクであるPRA陽性の患者の方でも2次・3次の腎移植が安心して受けられます。

これに対してアジアの国々では技術の蓄積がない上にハイリスクの移植に対する医学知識が薄弱な外科医が少なくありません。この様な現地事情を多くの患者の方は知る由もなく、安易に移植を考えては大変なことになってしまいます。

中国やフィリピン等で移植をする時はPRAの検査結果が陽性でしかも数値が高い場合は無理に移植をせずに帰国された方が安全です。どうしても移植をしたい時はドナーとレシピエントの血液交差試験(リンパ球クロスマッチ)B細胞・T細胞の双方が陰性である検査結果を直接ご自身で確認して下さい。もし直ぐに提示してくれない病院であれば大変危険です。(検査結果を偽造する可能性があります)

信頼ある医療機関では血液交差試験に於いて陽性の場合はその検査結果を正直にレシピエントに説明して移植の直前でも中断します。そしてレシピエントの血液を冷凍保存して「適合するドナーが現れるまで日本で待機して下さい」と伝えられます。この様に良心的に対応して頂ける医療機関はそう多くはありません。大部分は医師と仲介者が相談して又は「患者の了解を取ってある」と仲介者が医師に説明し無理な移植を進めてしまいます。

そうなると帰国した後に拒絶反応が徐々に発症し、症状を抑える為に強力な免疫抑制剤を投与しなくてならずその結果、せっかく移植した腎臓が短期間に廃絶する事になってしまいます。

平成22年 1月13日

渡航移植の問題点

日本と対比して医療現場で感じる事は、一言で申しますと「大雑把」な点です。きめの細かい管理体制が中国では整っていません。特に ICU での対応を比較すると、日本では患者のわずかな変化にも様々な処置をほどこし、安全性に最大限の配慮がなされますが、中国では多少の事には「没問題了!(問題ないよ!)」と静観されます。小さな事でも気配りする日本人と、結果さえ良ければ問題ないと荒削りな対応の中国人との文化の違いを感じます。

日本で普及している内視鏡を使う腹腔鏡手術は傷口も小さく、筋肉や血管の損傷も少ないので患者の負担が軽く済み、早ければ 35日程度で退院できますが、中国人医師からすると「面倒で手間が掛かる作業」としか映りません。傷口が大きかろうが、入院が長かろうが、お構いなし。そんな事を言うのなら移植するなと言わんばかりの対応をする病院がほとんどです。以前、相談者から「腕の良い執刀医は傷口が小さいと言うけれど、中国では何センチぐらい切りますか」と質問された事があります、中国では「バッサリいきます」と返答したら「エッ!」と、絶句されましたが、これが現状です。

日本での腎移植手術は 4時間前後掛かりますが、中国では長くても 3時間、手の早い外科医で 1時間半ぐらいで終えますので想像が付くかと思います。また日本の医師は通常1週間に 1人の移植手術しかしませんが、中国の外科医は週に 35人の手術をします。場合によっては、午前と午後の 2人執刀する事もあります。

肝移植手術については、難易度が高いので日本と大同小異(オペ室)ではあるが ICU の管理体制が日本と比較して万全とは言えません。患者の移送が可能になった時点で一刻も早く、帰国される事が最良と思われます。それには国内の受け入れ体制(病院)が重要になってくるので、渡航前の打ち合わせは十分にする必要があります。

平成21年1月24日

渡航移植の是非

健康になりたいとの願望は自然な事であり、健康的生活を送るのは人間としての権利でもあります。

相談に来る患者さんに好んで海外に行こうと思っている人は誰一人いません。夫々が悩んだ末に電話をして来たり、相談に見えられます。

渡航治療するには多額な費用が必要になります。加えて海外の病院となれば様々な障害や不安もあります。報道機関の方は患者が好きこのんで渡航しているのではない実態を理解した上でその報道の在り方に配慮して頂けたらと思います。

日本の医師の対応に付いても WHO が・・イスタンブール宣言で・・・移植学会の通達で・・・まるで他人事の様な理由を述べて渡航移植を否定されます。日本で生まれたが故に救われない命を思うとき、深い憐れみを感じずにはいられません。

医療制度の問題が第一として、現実の問題を検証すると、一部の仲介業者と執刀医の懐に大金が入っているのが実態です。見方を変えれば病気で困っている人を格好の餌食に私腹を肥やす人達がいる事です。これは厳しく取り締まるべきだが事態はそれほど単純ではありません。善意の医師も良心的な仲介者も総じて取り締まりの対象になるので良識ある者から先に止めてしまいます。そして最後に残るのは、悪徳業者や強欲な医師となっているのが現在の状態です。それでも渡航移植が絶えないのは、命はお金に変えられない実情と、健康を取り戻したい願望を持つ人達がいるからです。

例えが不謹慎に思われるが「禁酒法(1933年米国)」や「売春防止法」などの構図をどうしても連想してしまうのです。規制すればするほどその対価は跳ね上がり、裏社会の人達が暗躍する姿に重なって見え、まして生命に関する事となれば当事者は切実なので、大金を払ってでも非合法な組織に依頼するしか方法はありません。

移植治療に国境を無くし世界の医療機関が協力して、どこで生まれ様がどの民族・人種であろうと、一人の患者の人命を救う観点に立つこと、それと併せて豊かな国民は貧しい人達を支援するコンセンサス(注1)が成立した時に初めて渡航移植は認められることでしょう。

この様な国際的合意が整わなければ健常者は渡航移植を不正行為と見なし「健康をお金で買った」と永遠に言い続けることでしょう。そして病魔に侵された患者は重い十字架を背負い流浪するしか方法がなく何とも無力感を私達は感じるのです。

注1: アジアの貧しい地区では 1本の予防接種や少量の抗生薬が多くの命を救う事ができます。私達が腎不全になったら人工透析をしますが、これも海外では一部の富裕層に限られる治療です。中国で腎不全の診断が下ると大概は安価な漢方薬を処方され、数日から数か月の内に命を落とされます。私たち日本人はこの人達を救うことは出来ないものでしょうか?

平成21年6月12日

 

腎移植の注意点(知られていない事実)

移植後の正着期間や私生活に重大な影響をもたらす、一般的に知られていない大切な話をしたいと思います・・・。

腎移植に於いて病院や医師の選択、並びにHLA(組織適合)の高いマッチングなどいくつかの課題がありますが、一般的に知られていないとても重要なことがございます。それは移植される腎臓の容量、すなわち大きさです。腎臓は血液を浄化するフィルターの役目をしています。その容量や能力が高いほど良いに越したことはありません。

腎臓のサイズは体型に比例して生長するので、体が大きければ腎臓も大きくなります。ドナーになる方の身長や体重がレシピエントに対して大きければ問題は無く、良いドナーと言えますが、逆の場合は移植後に様々な問題が発生します。

解り易く説明すると、体を自動車の車体と仮定して、腎臓をエンジン(2個)と思って下されば理解していただけると思います。クラウン等の大型車体には2000CCのエンジンが2つあり、快適にドライブができます。何らかの故障が起きて1つのエンジンが作動(腎不全)しなくても高速道路を長時間走ったり、長い上り坂を一気に駆け上がったりしなければ通常は大丈夫です。一般的に「腎臓は1つでも私生活に支障ありませんよ」と医師が言われる由縁です。

また体型の小柄(普通車)な人には1000CCのエンジンが2つ付いています。もし大柄の人から大きなエンジンを貰うことができれば最適ですが、その逆になると術後に適正なクレアチニン数値に下がらなかったり、生活状況により大きく変動して安定しないケースが多くみられます。少しの肉体疲労にも変調をきたし、日常業務や私生活に大きな制限が掛かります。

また、小さなエンジンをフル稼働させることにより疲労が蓄積され、寿命が縮まる傾向を外科医の先生はよく承知しているので、この様な移植をした場合は、過度の飲食や疲労は絶対に避けるように強く言われます。本来なら、腎移植して健康体に戻り、自由な暮らしを望まれていた患者の方にとって、人工透析は無くなったが「あれはダメ!これはダメ!」では大きな不満が残ってしまいます。

中国移植医療の問題点(医療機関により生存率の大きな差)

拒絶反応や感染症に対する投薬や処置は日々が研究であり手探りでもあります、多くの事例や経験がある医師又は病院はそれらを公表して他の医療機関と情報を共有することにより移植医療のレベルアップが図られます、特に失当事例は他の医師に警鐘を発する大切な機能を担っています。それらの事が中国では殆ど行われておらず医療レベル向上の大きな阻害要因となっています。

中国の医師は失敗事例を隠匿する傾向があり殆ど公表されません、また良い事例も他の医師に教えたりする事を拒み自己の技量として優位性を保持することに固執されます。

この閉鎖性が医療機関(移植チーム)によって成績のバラツキとなって現れるのです。渡航移植の是非は選択する医療機関の優劣に懸っていると言って過言ではありません、事前に正確な情報を収集することが何よりも大切になります。

肝移植の成否は全科的支援体制とその総合力に懸っていると前述しましたが、外国人への移植は一部の外科医が中心となり、秘密裏に行われるケースも少なくありません、その場合、大変危険なことになります。患者が心停止した際に循環器系の専門医が処置できない等、想像しても大変危険な話です。この点に付いては事前に患者サイドで確かめる方法が無く、信頼できる仲介者であるか否か重要な判断を患者自身又は家族がしなくてはなりません。

 

あとがき

患者の方が死を直前にして藁をも掴む心鏡で渡航される事を責めることはできないと思います。だからと言って経済力(金)で他国の臓器を貰う事は決して良い事ではありません。将来、中国人民から「貧しかった時代に日本人は金の力で我が国の臓器を持って行った」と禍根を残し反日感情に繋がる事も考えられます。

日本の優秀な外科医が現地に行って中国人患者の命を救う事が出来ればどんなにも素晴らしいことであろうか、両国が協力してより多くの患者を治療したり、未熟な医師に日本の最先端医療を指導できれば後世、中国人民からどれだけ感謝されることだろうかと思わずにはいられません。両国間には倫理問題が横たわっており医学交流は一部に限られています。倫理問題を無視することはできないが人命救助の見地に立ち大所高所から両国民の患者を治療できないものかと思いました。

日本は世界に誇れる移植チームと医療体制を保持していますがドナーが無いために優秀な医師も最先端の設備も活躍の場は極めて限られています。移植医療の世界に国境をなくし、どの人種もどの民族も一人の人間である事には変わりなく医療関係者が互いに協力して1人でも多くの患者を救える日が来る事を切に望みます。

平成21年10月10日

 

心臓移植をお考えの方へ

心臓移植は毎年4,000件以上が米国を中心に行われています。我が国ではドナーが少ない為に10年間で49人です。また移植をすれば助かる患者は毎年500人前後が新たに増えており、海外渡航ができない患者の多くは不遇の死を迎えているのが現況です。
優秀な心臓外科医が多数おりながら、医師の数より執刀件数の方が少ないのが我が国です。一方の中国では移植に適したドナーがありながら毎年3,000以上の心臓が廃棄されています。
その大きな原因は

1.優秀な心臓外科医が不足している
2.医療設備が整っていない
3.ICUの管理システムの水準が低い

などが大きな理由です。

日本や欧米並みの移植チームと医療設備が整った病院は、私どもの調査では中国内に4ヶ所の移植センターしかありません。心臓移植手術に不可欠なエクモ(体外心肺補助装置)はとても高価な医療機器で設置している病院は限られています。
ドナーから心臓を取り出して患者の居る病院までの移動時間は4時間が限界です。それを過ぎると移植の成功率は急速に下がってしまいます。折角ドナーが見つかっても対応できる病院が近くになければ廃棄するしかないのです。

我が国には優秀な心臓外科医が多数在籍しています。さらには世界最高水準の医療機器が随所の病院に設置されています。しかし、その設備はほとんど使用されず、優秀な心臓外科医の活躍の場もありません。
一方で大量に廃棄されるドナー。迫り来る死に脅えながらドナーを待ち望み、そして命を落とされて逝く心臓疾患の患者の人達、又はその家族はこの現況をどう思われるでしょうか?
「何か手立ては」と考えるのは私一人だけではないと思います。倫理問題を無視することはできませんが、日中双方が協力して両国民の患者の命を救う方策は取れないものかと切実に思います。

米国では年間2,000件以上の心臓移植が行われています。人口対比からして我が国でも600件以上の移植は可能なはずです。一刻も早い移植関連法案の改正が求められます。

※エクモ=手術中の患者の心臓と呼吸の代りをする医療機器です。患者の心臓や肺を取り出しても数日から数週間はエクモにより生存する事ができます。

 


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