経路ミス続出、川崎市バスを行政処分/神奈川
2011年1月13日
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川崎市バスで経路ミスが相次いでいる問題で、国土交通省関東運輸局は13日、道路運送法に基づき、同市交通局の鷲ケ峰営業所(宮前区)のバス1台を20日間、使用停止とする行政処分を行った。昨夏の立ち入り検査(監査)結果から、運転手への指導が不十分だったなどとした。同市バスは過去に3度、文書による警告を受けたことはあるが、行政処分を受けるのは1950年12月の開業以来初。また同日、別の2営業所の監査も行われ、約半年間に同一事業者が3度も監査を受けるのは「極めてまれ」(同運輸局)という。
鷲ケ峰営業所では昨年5月~8月中旬に経路ミス8件、遅延運行2件、乗客の車内閉じ込めが1件発生。不祥事が頻発していることを受け、関東運輸局は同年8月18日に監査を実施していた。監査の結果、同営業所では運行前、路線ごとに制限速度や注意交差点などが記されている「運転基準図」を用いた指導がほとんど実施されていないことが判明。道路運送法違反に当たるとして、行政処分を行った。
また、運転手が走行中に携帯電話を使用する問題が発覚した上平間営業所(中原区)、乗務前にアルコールチェック(飲酒検知)を怠った塩浜営業所(川崎区)に対し、同運輸局は13日、監査を実施した。
市交通局によると、2010年度だけでも60件の運行ミスが発生している。
処分を受け、市交通局の小林隆局長は「厳粛に受け止めるとともに、市民の皆さま、市バスの利用者に心からおわび申し上げる。経路ミスについては、総力を挙げて再発防止に努めているが、まだ発生が続いている。より一層、努力します」とのコメントを出した。
◆乗客「着くか不安」
「決まった路線を決まった時間に運行するのが乗り合いバス。路線を誤ること自体、職業運転手としてどうか」。国交省関東運輸局は手厳しい。今回の行政処分は、鷲ケ峰営業所で発生した計11件の運行ミスが対象。「運転手も、運転手への教育にも、利用者の視点が欠けている」と指摘する。
川崎市内のバス停にいた主婦(52)は「本当に目的地に着くのか時々不安になる。乗客の身にもなってほしい」。2010年度だけでも運行ミスは60件に上り、市民からの信頼は揺らいでいる。
ミスは、経路誤りに始まり、行き先表示間違い、走行中の携帯電話使用、乗務放棄…と多岐にわたる。経路誤りの後、誘導員を置かずに幹線道路で方向転換したケースなど、乗客や通行人への配慮を欠いた危険な行為も起きている。市のある幹部は「基本通りに運転していれば、ミスは起こらない。これ以上はないというくらい対策も施している。それでもミスが減らない。あとは個々の意識の問題なのかもしれない」。さらなる監査や行政処分の可能性も「現実味がある」と話した。
一方、経路ミスの経験がある男性運転手は「ミスが発表されるたびに、運転手は『気をつけなければ』と萎縮してしまう」。別の運転手は「(経路ミスなどで昨年9月に)運転手19人が処分されたが、管理職の責任は問われていない。もやもやした気分を抱いていると、運転に集中できないことがある」と漏らした。
ミスが減らぬ市バス。先ほどの主婦がため息交じりに言う。「迷惑しているのは利用者です」
鷲ケ峰営業所では昨年5月~8月中旬に経路ミス8件、遅延運行2件、乗客の車内閉じ込めが1件発生。不祥事が頻発していることを受け、関東運輸局は同年8月18日に監査を実施していた。監査の結果、同営業所では運行前、路線ごとに制限速度や注意交差点などが記されている「運転基準図」を用いた指導がほとんど実施されていないことが判明。道路運送法違反に当たるとして、行政処分を行った。
また、運転手が走行中に携帯電話を使用する問題が発覚した上平間営業所(中原区)、乗務前にアルコールチェック(飲酒検知)を怠った塩浜営業所(川崎区)に対し、同運輸局は13日、監査を実施した。
市交通局によると、2010年度だけでも60件の運行ミスが発生している。
処分を受け、市交通局の小林隆局長は「厳粛に受け止めるとともに、市民の皆さま、市バスの利用者に心からおわび申し上げる。経路ミスについては、総力を挙げて再発防止に努めているが、まだ発生が続いている。より一層、努力します」とのコメントを出した。
◆乗客「着くか不安」
「決まった路線を決まった時間に運行するのが乗り合いバス。路線を誤ること自体、職業運転手としてどうか」。国交省関東運輸局は手厳しい。今回の行政処分は、鷲ケ峰営業所で発生した計11件の運行ミスが対象。「運転手も、運転手への教育にも、利用者の視点が欠けている」と指摘する。
川崎市内のバス停にいた主婦(52)は「本当に目的地に着くのか時々不安になる。乗客の身にもなってほしい」。2010年度だけでも運行ミスは60件に上り、市民からの信頼は揺らいでいる。
ミスは、経路誤りに始まり、行き先表示間違い、走行中の携帯電話使用、乗務放棄…と多岐にわたる。経路誤りの後、誘導員を置かずに幹線道路で方向転換したケースなど、乗客や通行人への配慮を欠いた危険な行為も起きている。市のある幹部は「基本通りに運転していれば、ミスは起こらない。これ以上はないというくらい対策も施している。それでもミスが減らない。あとは個々の意識の問題なのかもしれない」。さらなる監査や行政処分の可能性も「現実味がある」と話した。
一方、経路ミスの経験がある男性運転手は「ミスが発表されるたびに、運転手は『気をつけなければ』と萎縮してしまう」。別の運転手は「(経路ミスなどで昨年9月に)運転手19人が処分されたが、管理職の責任は問われていない。もやもやした気分を抱いていると、運転に集中できないことがある」と漏らした。
ミスが減らぬ市バス。先ほどの主婦がため息交じりに言う。「迷惑しているのは利用者です」
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