2011年1月17日15時1分
茨城県議選の投開票日に、石岡市選挙区の候補者だった戸井田和之県議(46)の事務所にトラックが突っ込み、戸井田氏の叔父(当時62)がはねられ死亡した事件で、元山口組系暴力団幹部の設楽(したら)啓一容疑者(43)=器物損壊と窃盗の疑いで逮捕=が2006年の前回県議選で、戸井田氏の選挙活動に関わっていたことが捜査関係者への取材でわかった。県警は、前回選挙以降、2人の間にトラブルが生じた可能性があるとみて調べている。
設楽容疑者はかつて戸井田氏と同じ地域に住み、同じ小中学校に通っていた。調べに対して容疑を否認しているが、戸井田氏のことは「知っている」と話しているという。一方、戸井田氏は16日の記者会見で「設楽容疑者と面識はあり、暴力団員であることも知っていた」と話したが、選挙活動や政治活動との関わりは否定した。
06年の選挙では現職だった戸井田氏と新顔が争い、戸井田氏が落選。捜査関係者によると、設楽容疑者はこの選挙に関与していたといい、以来、関係が悪化した可能性があるとみている。定数が2に増えた今回は自民現職2人と戸井田氏の3人が立候補し、戸井田氏がトップ当選した。
県警によると、設楽容疑者は茨城県議選の投開票日だった昨年12月12日午前10時35分ごろ、前日未明に石岡市内の運送会社から盗んだ保冷車型の4トントラックで戸井田氏の事務所に2回突っ込み、事務所などを壊した疑いがある。戸井田氏の叔父の戸井田利雄さんは、逃げるトラックを制止しようとしてはねられ死亡した。