国際【外信コラム】赤の広場で スパイ厚遇作戦2011.1.17 02:57

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【外信コラム】
赤の広場で スパイ厚遇作戦

2011.1.17 02:57

 昨年7月、米露スパイ交換の一員としてロシアに帰国した“美貌の女スパイ”アンナ・チャップマン諜報員が今月からロシアのテレビ番組で司会を務めることになった。「アンナ・チャップマンと世界の謎」というドキュメンタリー番組だそうだ。

 チャップマン諜報員は帰国後、宇宙船打ち上げをカザフスタンの宇宙基地で見学したり、銀行顧問に就任したりするなど、忙しい日々を送っている。ロシアの男性誌でピストル片手にセクシーな下着姿も披露した。

 プーチン首相は帰国した彼らを温かく迎え、「明るい人生」を約束した。一連の派手な活動は、情報機関出身の首相ならではの新手の演出といったところか。

 しかし、諜報員の扱いにも限度というものがあろう。ロンドンで2006年、元情報機関員のロシア人亡命者が猛毒ポロニウムで不審死した事件で、英国が身柄引き渡しを求めている旧ソ連国家保安委員会(KGB)の元職員、ルゴボイ容疑者のケースだ。

 07年に露下院議員となった同容疑者は昨年末、警察改革法案について、国営テレビの討論番組で堂々と持論を披露していた。“お尋ね者”の改革案に耳を傾ける視聴者がどれだけいるのだろうか。メディアを駆使したスパイ厚遇作戦は、やはり目に余るし鼻につく。(佐藤貴生)

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