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ドル基軸の体制「過去の産物」 中国の胡主席、米紙に

2011年1月17日11時47分

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写真:中国の胡錦濤国家主席中国の胡錦濤国家主席

 【ワシントン=尾形聡彦、村山祐介】胡錦濤(フー・チンタオ)中国国家主席は18日からの訪米を前に、米ウォールストリート・ジャーナル紙とワシントン・ポスト紙の書面インタビューに応じた。胡主席は、ドルを基軸通貨とする現在の国際通貨体制を「過去の産物」とし、新たな通貨体制を構築する必要性を示唆した。北朝鮮問題については、南北朝鮮の対話を呼びかけた。

 胡主席は米国の金融政策について、「世界の流動性や資本の流れに大きな影響を与える。米ドルの流動性は、合理的かつ安定的な水準に保たれるべきだ」と述べ、米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年11月に実施した大規模な追加緩和に不満を示した。

 一方、中国・人民元の将来については、「人民元を国際的な通貨にするのは、かなり長い過程になる」とした。

 人民元の切り上げが、中国のインフレ対策になると米国側が主張していることに対し、中国は金利引き上げなどでインフレ対策をとっているとしたうえで、「インフレは為替相場政策を決める主要な要因にはほとんどなりえない」と否定した。

 周辺国・地域との関係をめぐっては「主権と領土の一体性、開発利益は守らなければならない」と述べ、台湾や南シナ海問題への米国の介入を牽制(けんせい)した。朝鮮半島情勢については「緊張緩和の兆候が出ている」との認識を示し、南北朝鮮の対話を促すとともに、核問題の解決に向けて関係国が「6者協議再開に向けて積極的に行動し、再開の条件を整えるよう望む」と述べた。

 インタビューは両紙が送った質問から7問を選んで書面で答えた。ただ、民主化活動家でノーベル平和賞受賞者の劉暁波(リウ・シアオポー)氏や海軍力の増強、サイバー攻撃についての回答はなかったという。

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