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NTTドコモ、今期のスマートフォン販売は200万台をうかがう勢い=副社長

ロイター

NTTドコモ、今期のスマートフォン販売は200万台をうかがう勢い=副社長  1月13日、NTTドコモの辻村清行副社長はロイターのインタビューで、2011年3月期のスマートフォン販売が「200万台をうかがう勢い」で推移していることを明らかに。写真は昨年4月、東京で(2011年 ロイター/Issei Kato)

 [東京 13日 ロイター] NTTドコモ<9437.T>の辻村清行副社長は13日、ロイターのインタビューで、2011年3月期のスマートフォン販売が「200万台をうかがう勢い」で推移していることを明らかにした。

 通期の計画は130万台で、4―9月期の実績は約60万台だったが、現時点で100万台を突破したという。下期以降に、韓国サムスン電子<005930.KS>製の「ギャラクシーS」など品揃えが充実したことで、加速度的に販売が伸びているという。

 ドコモは、ソフトバンク<9984.T>が販売する米アップル<AAPL.O>製の「iPad(アイパッド)」に対抗し、米グーグル<GOOG.O>のOS「アンドロイド」搭載のスマートフォンを中心に品揃えを増やしており、ソニー・エリクソン製の「エクスペリア」やサムスンのギャラクシーなど今期は11機種(電子書籍リーダーを除く)を計画している。

 12年3月期はさらにスマートフォンの品揃えを増やす方針で、タブレット端末も増やしていくという。昨年12月24日に開始した高速・大容量の通信規格「LTE」に対応する端末は、冬モデルでスマートフォンの発売を計画しているが、辻村副社長は、同じ冬モデルのタイミングでLTE対応のタブレット端末の導入を検討していると話した。

 来期のスマートフォンの品揃えは、先行する海外メーカーだけでなく日本のメーカーからも積極的に採用する方針という。辻村副社長は「日本メーカーにはグローバルで売れるスマートフォンを作ってもらうようお願いしている。海外進出で販売台数が増えるとこちらの調達コストが下がるのでメリットだ」と話した。このために、海外の親密通信会社に日本メーカーの製品を紹介するなど「できるだけ側面支援したい」と話した。

 またNTTドコモは1月12日から電子書籍サービスに参入し、大日本印刷<7912.T>と共同で設立した電子書籍配信会社でドコモ端末に配信を始めた。当初の対応機種はエクスペリアやギャラクシーなど7機種だが、3月末までに1機種を追加するほか、来期に発売するスマートフォンやタブレット端末にも広げていく。購入した1冊の電子書籍を複数の端末で利用できる「マルチデバイス対応」については、11年度中の実現を目指す意向を示した。

 <インドのタタへの追加出資は前向きに検討>

 26%を出資するインド携帯会社「タタ・テレサービシズ(TTSL)」は赤字が継続しているが、黒字化に向けては、一部地域で昨年11月から開始した第3世代携帯(3G)サービスのエリアを拡大することで「インターネットやメールなどで1人あたりのデータ通信利用を増やしていく」という。ドコモは09年3月にTTSLと関連会社に約2600億円を出資しているが、今後の3G関連の設備投資のための追加出資は「必要があれば前向きに検討する」との方針を示した。

 NTTドコモは4月以降に発売する全機種を対象に、他社の通信回線を使えないように制限している「SIMロック」を解除する方針。ただ、KDDI<9433.T>とは通信方式が異なっていることから、LTEで回線方式が統一されるまで、SIMフリーのドコモ端末を利用できるのはソフトバンク<9984.T>回線だけとなる。この影響について辻村副社長は「あまり大きなダメージはないだろう」と述べた。

 (ロイター日本語ニュース 村井 令二)


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